5.人間1度はグレるべき(前編:''優等生''が''どん底''に突き落とされるまで)

私は中学の途中まで、学校ではそれなりに大人しく先生の言うことを聞き、成績も上位をとり、学級委員を務めるくらいの、私の学校であれば''優等生''に分類されていいくらいの生徒だった。
たまにふざけて怒られるくらいで先生達から目をつけられることも心配されることもおそらくないであろう普通の生徒の1人だ。

それがある日を境に一変してしまった。(私情が絡むため詳しくは書けないが、)真面目であるがゆえに知らず知らずのうちに限界が来てしまっていて心が突然崩壊してしまったのだ。(部活内での責任問題とだけは書いておく。)それまで責任感は誰にも負けないくらい強かった私が、気がついたら泣いていて放心状態になってしまった。本来は人を励ます力を持つ「がんばれ」というたった4文字の言葉が私を傷つけた。もう十分頑張ったんだよ。がんばれという言葉が嫌いになった。介入してこようとする大人になぜか腹が立ち、完全に人間不信になっていた。自分の問題に誰も入ってきて欲しくなかったし、弱い自分を見せるのが嫌だった。

そこで初めて気がついた。自分は人に心配をかけたくなくて自分1人で責任を背負っていたのではなく、弱い自分を見せるのが怖かったからなんだと。

でも正直この日から2.3ヶ月の嫌な思い出はあまり思い出せない。かなり精神的にきつい状態であったのだろう、この時期の記憶はかなり薄く、思い出そうとしてもほとんど覚えていない。
ただ、その日は季節にあわない雨が降っていて涙を雨で誤魔化しながら家へ帰ったこと、次の日から涙を流せない人間になってしまったことだけは鮮明に覚えている。


人生のどん底に突き落とされた気分だった。


悔しさも悲しさもどこかに置いてきてしまっていておそらく自分の中に感情というものが存在しなかった。でも、感情と言って良いのか分からない、寂しさでいっぱいだった。ただただ孤独だった。
(今考えるとかなり危険な精神状態だったと思う)


外に出るのが辛くなった。でも弱い自分を見せたくないという自分のプライドのために平気な顔してた。この時、生きる糧になっていたのが恩師の授業だった。学ぶことの楽しさの本質を知ることのできる先生の素晴らしい授業を受けている間は自分が人間だということを実感できた。腹が立つほど先生はとにかく輝いていた。だからこそ、惹き付けられた。(詳しいことは前々回の記事で。)


ここまで書いて気がついたが、この後2人の恩師に心を開き、救ってもらうまでなにがあったのかは全く覚えていない。


記憶が本当に消えてしまっているため詳しく書くことができないが、その後私は初めて学校の先生に悩みを打ち明けるという経験をする。なんせ優等生には一定のプライドが存在するのだから、先生に迷惑をかけることはあっても心配かけることはできなかった。


初めて先生に悩みを打ち明けるという経験をした私は、今まで思ってもみなかった、優等生とはかけ離れた学生像になっていた……(続きは後編:グレて初めて気づいたこと)※近日中に公開予定

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