GOOD DESIGN AWARD 2024にて「治療アプリ」が初受賞! おしゃれな色が使えない!? 治療アプリ開発の工夫と挑戦
2024年10月16日、当社の「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」がGOOD DESIGN AWARD 2024を受賞しました。ソフトウェア医療機器である治療アプリとして初の受賞となった今回、アプリのデザインにはどのような工夫があったのでしょうか?また、開発を進める中で重視した要素はなんだったのでしょうか。
この記事では、グッドデザイン賞受賞企業の展示会の様子も交えながら、CureApp HT 高血圧治療補助アプリのデザインや開発を手がけたメンバーの声をお届けします。
(先日公開したグッドデザイン2024受賞プレスリリース:https://cureapp.blogspot.com/2024/10/cureapp-ht-good-design-award-2024.html)
医療機器である治療アプリならではのデザイン課題
「治療アプリ」と聞いて何を想像しますか?治療アプリとは、臨床試験を経て薬事承認を取得し、医療機器として治療のために患者さんに処方されるソフトウェアです。開発に携わるメンバーによると、アプリの利用者が20代から80代までと幅広いため、スマホに慣れない世代でもスムーズに使えるようにすることが大きな課題だったといいます。
さらに治療アプリには、患者さんが入力したデータを確認・管理する医師専用アプリが対として存在します。医師が患者さんの治療経過を把握することで適切な指導が可能になります。そのため、医師や医療現場での利便性や視認性も追求することが不可欠です。治療アプリ開発は単なるプロダクトのデザインに留まらず、医療現場における、患者さんと医師の双方に対して新しい治療・診療体験をもたらす挑戦でもありました。
ユニバーサルデザインへのこだわり
「色覚異常の方でも認識しやすい配色やボタンのサイズ感、文字配置なども考慮し、誰もが使いやすいデザインを目指しました。」「使える色の選択肢が限られている分、細部のデザインにこだわらざるを得ない」とデザインチームのメンバーは振り返ります。また、既に医療現場で普及している電子カルテとの違いについても何度も議論したといいます。普段から使い慣れているものに寄せるべきか、それともより良い診療体験の向上を目指すべきなのか・・・そのような多くの要素や制約の中で、視認性とデザイン性を両立させるためにチーム全体で議論を重ね、機能的でわかりやすい患者さんファースト、医師ファーストなデザインを目指しました。
行動変容を促す新しい治療体験
高血圧治療には生活習慣の改善が不可欠です。患者さんそれぞれに合った習慣の改善が必要なため、治療アプリによる行動提案の受容度を高めるデザイン的な工夫を重ねました。
また「限られた時間で診察する医師が、アプリを使って短時間で患者さんの状況を把握できるよう、情報を一目でわかりやすく整理しました。診療の質にデザインで貢献するため、実際の診療現場の声も取り入れながら改良を重ねています」と、開発チームのメンバーは語ります。
医療現場に根付く新しい治療法として、さらなる普及を目指し、今も細かなUIの改善を続けています。
デザインがもたらす治療効果
「デザインが良くなれば治療体験も良くなる」とは、プロジェクトに関わるデザインチームのメンバーの言葉です。3分程度の限られた診察時間でも、患者さんと医師の双方が必要な情報を把握・共有できるよう工夫されています。「ソフトウェアで『治療』を再創造する」というミッションを掲げる当社にとって、デザインと治療効果のつながりは必然的な取り組みでした。
また実際の臨床研究でも、治療アプリを通じた診療体験の向上が実証されており、診療体験全体をデザインしたこともグッドデザイン賞を受賞した大きな理由です。
今回のグッドデザイン賞受賞は、治療アプリを通じて生まれる新しい診療体験が評価されたことが結果に繋がったと思います。展示会場では受賞企業の展示が行われ、実際に治療アプリをご覧いただきながらその革新性を体感できる機会となりました。また受賞企業の授賞式典では、デザインが持っている可能性がどう広がっていくのか、多角的な視点でどう評価をしたのかなどトークイベントも開催されました。
CureAppデザインチームを率いる部長永田のインタビュー記事も公開されています。
日頃からどんなことに気をつけてデザインチームをまとめているのか、デザインに掛ける想いを是非ご覧ください。
全てのフェーズで事業をドライブするデザイン組織をつくる
今後もデザインと技術の力で、より多くの患者さんと医療従事者が安心して使える治療体験を提供し、健康支援に貢献してまいります。