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連載「さらお、カメラ買う。」近所の撮影、どうやって楽しんだらいいの?

〜 前回までのあらすじ 〜

「新しいカメラがほしいな」。そう思い、カメラを探し始めて数ヶ月。ついに運命の相棒を見つけたCURBONデザイナーの「さらお」。

「新宿 北村写真機店」で念願のカメラを購入した彼女は、部屋でホットケーキを撮ってみたり、近隣の鎌倉へフォトウォークへ出かけたり……。

毎日を楽しみながら、愛機であるFUJIFILM「X-T30」を片手に、順調なカメラライフを歩み始めた模様。

けれど、どうやら最近、カメラがあるゆえの悩みも生まれ始めたらしく……?  今回はそんな悩める「さらお」の話を、一緒に聞いてみましょう!

Sarao's Profile
デザイナー。新卒で写真の会社「CURBON」に入社。もともとカメラを持っていたけれど、思わず持って歩きたくなる「お気に入りの運命の一台」を探して、FUJIFILM「X-T30」とレンズ「XF23mmF2 R WR」に出会う。撮りたいのは、何気ない日常や旅先

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「さらおちゃん、FUJIFILM『X-T30』を買ったあと、最近どう?」

そんな質問を「さらお」に投げかけたのは、CURBONの同期で、フォトグラファーのSatoru Akiba(以下、サトル)くん。

「さらお」は、カメラに詳しい彼に、じつは度々相談に乗ってもらっていたのです。

「さらお、カメラ買う。」連載にも、開始当初の相談シーンや、愛機ゲットの際の記念写真撮影シーンなどで、ひっそり登場&影でさらおちゃんを支えてくれていた彼。

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サトルくん撮影の、さらおちゃんの記念すべき「X-T30」とのツーショット写真

さらおちゃんの最近を、なんとなく気にしていました。

〜 以下、二人の会話シーンをお送りします 〜

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さらお:うーん、どうかな。最近は在宅勤務の日が増えて、毎日のように散歩するようになったから、その時にカメラをぶら下げていくようにしてるよ。

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サトル:わかる! 僕も、前に比べてより近所で撮る頻度が上がったなぁ。遠くへ出かける機会が少なくなってしまったから、「意図的に何かを撮ろう」って思うよね。

さらお:でも、近所の散歩だといつも同じようなルートになっちゃうから、撮るものが限られる気がして……それにつられて、写真を撮りたい欲も減ってきてる気がするかも。

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サトル:そうなんだ。撮りたいものが見つからない感じ? 

さらお:うん……もちろんその日によって、通りすがる人や目に入るものは多少変わるのはわかるんだけど、やっぱり風景自体は見慣れてきちゃって。

サトル:なるほど。新鮮に感じられなくなってきてるんだね。僕もそういう気持ちになったことあるから、すごくわかるよ。

けどじゃあさ、自分の中で決まりを作って、あえて制限のある中で撮ってみるっていうのはどう?

さらお:えっ、どういうこと?

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サトル:たとえば僕がよくやるのは、「司令を作って、ゲームみたいに撮る」という方法。

僕の通勤時間は、片道1時間を見てる。だから1時間以内に会社に着きたいんだけど、自宅からオフィスまでの所要時間は正確には35分。順調にいくと、約25分間の余白があるんだよね。

だから、その余白時間でその日のインスタ用の写真を撮る、とかをよくやってる。

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サトルくんが、通勤時のひとりタイムトライアル中に撮影した写真の例

さらお:これ、通勤時間に撮ったの!? すごくきれい……。

サトル:うん。時間制限を設けることによって、日常にワクワク感とか、楽しさが生まれるんだよね。「うわ、あと5分しかない」とかって必死になるから、視点も鍛えられるし。

さらお:たしかに、今見えている世界の中で何をどう撮ったらいいかなって、頑張って探すようになりそう。

サトル:そうそう。ただ美しい被写体を美しく撮るっていうシチュエーションとはまったく違うから、意外と難しいんだよね。

「何を被写体として美しく見立てるか」を考えるのが、すごく面白い。

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さらお:そういう時って、どんなレンズを持ち歩くの?

サトル:50mmとかの単焦点レンズと、ズーム用レンズ。両方持っていくかな。

まずはカメラとレンズを持ち出さないことには撮影がスタートしないから、とりあえずどんなに重くても持っていくようにしているよ。

あとは、普段は行かない、人が少なそうな駅で突然降りてみるとか。

さらお:『孤独のグルメ』みたい! じつは……全シリーズ見るほど好きなんだよね。

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サトル:お、本当に? あれ僕も大好き、本当に面白いよね。で、原作者の久住昌之さんと、作画の谷口ジローさんが『孤独のグルメ』の後に描いた漫画が、『散歩もの』っていう、ただ散歩するだけの作品なんだけど、知ってる?

さらお:それは知らなかった!

サトル:目的もなくどこかに行ってみたり、ゆったり時間が動いてるようなシーンを描く作品なんだけど、コアなファンにすごく人気だったらしくて。そういう雰囲気の作品、いいなって思うし、僕も撮りたいなって思うよ。

さらお:わかる。そういえば私……、元々はそういうのが好きでやりたくて、カメラを持ち始めた気がする。今度、その制限をつくって撮ってみようかな。

サトル:いいね!

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さらお:あとはそういえば、散歩中のスナップで、もっと人を撮りたいなって思ってたことも思い出した。

でも、知らない人だから……まず撮っていいかわからなくて。後ろ姿を撮ったり、遠いところから隠れて撮ったりしてて、不審者みたいになっちゃう(笑)。

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さらお:「この風景いいな」と思っても、バレないようにコソって撮ってると、せっかくカメラがあるのに、なんだかスマホで撮るのと変わらないなって思っちゃうんだよね。

だから、最近は画面見ずに、ノールック(ファインダーやディスプレイを確認せずに、感覚だけで撮ること)で撮ってます。

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サトル:ノールックで!? 逆にすごいね。

さらお:やっぱりブレるんだけど、ブレちゃってるのもいいなとか。

サトル:うん、めっちゃいいよ、これ……! 前から思っているけど、さらおちゃんは自分の心が動いた瞬間をきちんと写真で捉えるから、本当に写真が素敵だよね。

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サトル:あ、けど、花は近寄って撮ってるね。これはちゃんとカメラを構えて撮ったんじゃない?

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さらお:うん、よくわかるね。

……じつは私、まだ街中でカメラを構える恥ずかしさがあるんだよね。花は、それがあんまりないから自信を持って撮れている気がする。

なんでもない日常に心惹かれることが多いから、カメラを構えているところを見られたら、「何を撮ってるの?」って思われちゃってるかなぁって。これは私が勝手に感じてることだから、気にしなければいいんだけど、正直それで余計恥ずかしいのかも……。

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サトル:なるほどね……!

さらお:でも、サトルくんと話してたら、もっと恥ずかしがらずに撮りたいものを撮っていいのかもって気持ちになってきた。近所での撮影、もっと楽しめそうな気がしてきたよ、ありがと。

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近所での撮影のコツを色々聞いた「さらお」。カメラがほしいと思い始めた頃の初心を思い出し、これで再び心おきなく撮影に繰り出せる……と思いきや、どうやらじつは他にも挑戦したい撮影があるそうで? ということで、次回も「さらお」とサトルくんのお悩み相談室は続く!

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