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透明感を生み出すまでの道のり|Artist Interview - 宵月絃 4/5
What’s “Artist Interview” ?
写真のCURBONが、「写真の階段の登り方」をテーマに、活躍中のアーティストにインタビューする連載企画。2020年12月現在は、宵月絃さんのインタビューを公開中です。
四季の記憶を綴るように好きを集めては写している、何処にでもいる花好きのひとり。透明感のある写真が特徴的で、生花だけではなく、自身でドライフラワーも作りながら撮影しSNSに公開している。
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ーー写真の撮り方については、どうやって学ばれましたか?
説明書を読むのが苦手で、じつは私、マニュアルモード以外の機能を知らないんです。
実際にカメラを触ってみて、自分の撮りたいイメージにいちばん近いものを表現できるモードを探しました。それがマニュアルモードだったので、マニュアルで撮るようになりました。
ほかのモードを触っても、「なんか違う」っていう気持ちがあって。マニュアルに関しては、触れば触るほど、自分の撮りたいものに近づける感触がありました。
実際に触らないと覚えられないので、何度も撮って調整して……っていうのを繰り返して身につけたので、時間はかかっちゃったんですけど。でも、その過程も楽しいというか、おもしろいなと思う部分はありましたね。
一つひとつの操作が出来るようになってくると、自分の世界がパズルのピースのように埋まっていく感覚がありました。最初はバラバラでも、自分の世界観のピースが一つずつ埋まっていく。そうしていくうちに、だんだんと見える景色も違ってきたり、自分がもっと表現したい部分が見えてきたりしました。
たとえば同じ場所でも、行きに見た景色と帰りのそれとでは全然違う景色になりますよね。時間帯や天候、光などによって撮れる写真が違うんだと気づいたときから、だんだんと、パズルを埋めるスピードが速くなってきたのかなって思います。
ーーなるほど!誰かに教わったのではなく、実際にカメラに触りながら、自分の表したい世界や写したいものを、写せるようになるまで工夫してみたという感じですね。
特定の誰かに教わったわけではないのですが、SNSの写真に影響された部分はあると思います。
写真の色づかいや時間帯、つぶやきの内容などを見て、「この時間帯ならこういう色で撮れるんだな」「見上げるとこういう構図になるんだ」というふうに考えます。SNS上にはいろんな写真や視点が溢れてるので、惹かれた部分を見つけては、勉強させてもらっています。
誰かと完璧に同じようなものを撮ろうとすると、自分の撮りたい理想とはちょっと別のものになってしまいますよね。だから、「いいな」と思う部分を少しずつ学んでいく。ゆっくりと自分のペースでパズルのピースを埋めていくようなイメージです。
ーーレタッチについても、始めてから今までの変化を教えてください。
最初のころは、青みのある写真が撮りたくて。当時は、色温度を思いっきり(青のほうに)振ったりしていました。(笑)
でも、色温度で写真を青くしても、写真全体が単純に青い「だけ」の写真になってしまって。「これはなんか違うな」と気づいてからは、色温度以外の部分もふくめて少しずつ調整するようになりました。
トーンカーブ(※)も、昔はすごく極端なS字にしてて。コントラストがすごく出る形にしていました。鮮やかさを残したいから、彩度も上げて。
(※トーンカーブ:Lightroomなどの写真編集ソフトで、明るさやコントラスト、色味を自由に調節できる機能)
今は、透明感を大切にしています。コントラストや彩度をいじらない方が、かえって透明感が引き立つんだなと思うようになりました。
色を足し算したり引き算したりするという意味では、水彩画の色塗りに近いかも。色を「作る」というよりは、「重ねる」イメージに近いです。自分の理想の色に近づくように、色を重ねていくような感覚です。
最近のレタッチは、ハイライトに温かみのある色をいれて、シャドーに青をのせるくらい。ほんとにちょっとずつ、明るいところと暗いところの色を「足す」くらいの感じにしています。
昔と比べて、レタッチはだいぶ変わったなと思います。
次回 更新予定記事
透明感を生み出すまでの道のり|Artist Interview - 宵月絃 4/5
Interviewer / Writer : 片渕ゆり(@yuriponzuu)
大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いから退職。2019年9月から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している。
Editor :伊佐知美(@tomomi_isa)
「旅と写真と文章と」をこよなく愛す編集者、フォトグラファー。日本一周、世界二周、4年間の旅×仕事の日々を経て、2020年夏より日本で一番人口の少ない沖縄県読谷村にて、海と空とさとうきびに囲まれた暮らしを開始。
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