ワインのボトルを落として割った日の話
今日、買ったばかりの赤ワインを地面に落としてボトルを割ってしまった。
お店を出て十数歩くらい歩いたところでの出来事。
ワイン自体は高いものではなかったので諦めがついたのだけど、後始末が大変だということで軽くパニックを起こしたような気持ちに。
大きめの破片から拾ってたところに、大丈夫ですか?と女性が2人駆け寄ってきてくれた。
赤ワイン一本分が全部流れて血の海のようになった中から素手で破片を拾うのを手伝ってくれる。
私の不始末でケガをさせて本当の血の海になってしまっては申し訳ないので、大丈夫です。私がやります。と言ったけれど、手で拾えそうなものがなくなるまで手伝ってくれた。
お一人は杖を持ったご高齢と思われる方だったのにも関わらず、思いがけないところまで飛び散った破片を拾ってきてくれた。
「せっかく飲もうと思って買ったのに飲めなくなっちゃって残念だったねぇ。」と、何度も慰めてくれた。
細かく散った破片全てを拾うのは難しいけど、そのままにもしておけないので、ワインを買ったお店に相談したら、外まで掃除用具を持って来て片付けをしてくれた。
お店に相談に行ったのは、ワインを入れてくれたレジ袋が破れたせいかもしれない。と思ったということもあったからで、そのことを話し、破片入れに使ったお店のレジ袋を見せた。袋のサイドが裂けたようにすっかり開いていた。
「レジ袋のせいならお店の落ち度だから返金します。」と言ってくれたけど、
レジ袋が不良品だったかもしれない一方、何か私の衣類やバッグに引っかかって裂けた可能性もあるわけなので、片付けと破片の始末もやっていただけただけで十分なので、と遠慮した。
いつもならワインは重いからマイバッグに入れるのに。
いつもならワインは安くてペットボトルに入ってるの買ってるのに。
どうして魔が悪いことになっちゃったんだろう。
と思いながら、きっとあのワインは私が飲んではいけないものだったのだろうと思うことにした。
「それ飲んじゃダメ!」
と、どういう理由かはわからないけど、見えない存在が私を守ってくれたおかげで、人の親切に触れたりもできたのであろうと。
まぁ、飲んじゃダメなら買う前に教えてほしかったな。