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カナダで出会ったタイ人の故郷に行ってみた話

初めて彼女と出会ったのはカナダのバンクーバーで専門学校に通っていたときのこと。私から声をかけると、ニコッと笑って振り向いてくれた。まさに微笑みの国から来たタイ人らしい満面の笑顔だった。

聡明で語学に長けている彼女から英語を学ぶことも多く、何回か授業で一緒にプレゼンをしたときもリーダーシップを発揮して方向性を決めてくれたり、年齢は彼女の方が下だけどお姉さんみたいな存在だった。

彼女がくれたタイのお守りと手紙

専門学校を卒業し、お互いカナダから日本・タイとそれぞれの国へと帰ったが、今はSNSでずっと繋がっていられるので、たまに連絡をしたりして「Keep in touch」の状態を続けていた。私がタイに行ったことがなかったので、会いに行きたいなという話もしていた。

そして私がイギリスのワーホリビザを取得したことをきっかけに、どうせイギリスに行くならタイに立ち寄ってから行けばいいのでは?と考え、彼女に会うためバンコク行きのチケットと、バンコク発イギリス行きのチケットの2枚を購入した。

日本からバンコクへ

最終目的地のイギリスではワーホリで2年滞在するため、大荷物をかかえながらの移動となった。しかも日本とイギリスは真冬、タイは真夏と服装も全く違うのでパッキングには頭を抱えた。何日も前からああでもないこうでもないと考えながら航空会社の受託荷物の重量オーバーにならないよう、荷物を詰め込んだ。

そして、2024年3月 ー いよいよ出国の日となった。節約のためLCCのエアアジアを利用し、スワンナプーム国際空港に到着した。

エアアジアの機体

空港の外に出ればもわっとした東南アジアの熱風が押し寄せてくる。その次に食べ物の匂いだろうか、ココナッツミルクやパクチーなどのスパイスが混じり合ったような、日本にはないエキゾチックな香りを鼻いっぱいに吸い込んだ。

私にとってカナダを去ってから1年ぶりの異国の地。しばらく日本には帰れない。少し悲しいような気もしたが、これから始まる新しい旅に胸を踊らせた。

友人が住む街コラートへ

その友人が住んでいるのは、バンコクの北東にある「ナコーンラーチャシーマー(通称コラート)」という街。タイを訪れるほとんどの観光客はバンコクやプーケットに滞在するので、コラートを訪れる外国人はよっぽどの古代遺跡や寺院好きでもない限り珍しいだろう。

実際、観光客らしき外国人の姿を見ることはなかった。かといって、自分だけが外国人で周りから浮くようなこともなく、それは友人いわく私が「タイ人に見えなくもない」おかげだったのかもしれないけれど。

コラートへのアクセスはいたって簡単で、バンコク北バスターミナル(モーチットマイ)からバスで一本。ただ、バスターミナルに行くとチケットカウンターが100軒以上並んでいてどこでチケットを買えばいいかわからなかったが、インフォメーションで英語が分かる係員に案内してもらい、無事にチケットを購入し乗車することができた。

友人にはバス会社を選ぶ際「Nachonchai21」にするようにと言われていたが、それも問題なくクリア(以下参考までにバス会社のURL)。

約4時間のバスの旅を終え、友人が待つコラートへ到着した。

1年ぶりの友人との再会

彼女に会うのはおよそ1年ぶりだった。私が2023年の2月にカナダを出たきり会うことはなかったし、国を超えた再会という奇跡的な体験をしていることに感動を覚えた。

ただ彼女はインスタの投稿にかなり力を入れていて、日頃から彼女の投稿写真やストーリーなどで顔を見ているので、情報が上書きされている。だから、久々に誰かに会ったときに「え?この人こんな感じだっけ…何が変わったんだろう」などと思うような感覚はなく、インスタで見ていた通りだなと思ったにすぎなかった。良いとか悪いとかそういうのではなく、時代とともに変化した感覚に少し驚いた。

外見の変化はあまり感じなかった訳だが、彼女の内面の変化というか、新しい”挑戦”を目の当たりにした。

それは、カナダから帰国後、彼女がアイスクリームショップを開業したことだ。今回の旅では、そのお店を一目見ることも目的の一つだった。

アイスクリームショップの外観

彼女は大学を卒業してバンコクにある企業で秘書の仕事に就いたけれど、業務内容は退屈で人から指図されるのも嫌で、都会で働くのも苦痛で4ヶ月で辞めたそうだ。

そんな彼女はかつてこう語っていた 。
自分のビジネスをして自分のために働きたい ”

まさに有言実行で、長年連れ添っている彼氏とともに地元コラートでお店をオープンし夢を叶えた彼女。自分のお店を持ち、こだわりのアイスクリームを作る仕事をとても楽しんでいるようだった。

こんな素晴らしい人と国籍を超え友人になれたのは、カナダへ行ったおかげだった。私はカナダでの生活が今ひとつ自分には合わないと思っていたけれど、この人に出会うためだったと考えれば無駄ではなかったと思える。

人との出会いが価値観を変えることもある

それほど人と知り合うのは大事なことだ。といっても、私はとてもネガティブなのでなかなか初めの一歩が踏み出せない方だけれども。

グルメの街コラート

アイスクリームショップを訪れたあと、彼女に完全にお任せでプランを作ってもらい、色々な場所に連れて行ってもらった。コラートの彼女が住んでいるエリアは観光名所的なものが少ないけれど食の街らしく、レストランやデザートのお店に行ってタイ北部のグルメを堪能した。

グリルチキンやパットミーなどコラート料理の数々


ずっと食べ続けていたような気がして、しかも現地の人たちは徒歩で移動しないらしく全て車移動だったのでカロリーを消費することもなく、とにかく常に満腹のまま一日を過ごしていた。

それでもスリムな人が多いタイでは、やはり暑さが体力を奪うから食べても食べても栄養が必要なのかもしれない。ほとんどの料理の中にニンニクや唐辛子が入っていたし、やはり気候はその土地の料理に大きく影響するようだ。


バンコクの太陽の光

3日間コラートを案内してもらい、4日目にスワンナプーム空港に戻るため車でバンコクまで送り届けてもらった。

タイの北部に位置するコラートでは湿度がマシだったけど、バンコクはとにかく蒸し暑い。日差しは空気汚染の影響でモヤがかかっており直射日光が降り注ぐほど強くはないが、それでもずっと陽の光は当たり続けるので体力も消耗する。

外を歩くのがしんどいなと思ったけど、これから太陽がなかなか顔を出さない霧の都ロンドンに行くのだから、今のうちに日光をたくさん浴びておこう。

いつも日本の夏でやっているように日焼け止めを全身に塗りたくるのもやめて、化粧をする顔にだけ塗っておくことにした。たまには日焼けとかシミとかわずらわしいことを忘れて、思いっきり太陽の下で汗をかいてもいいじゃないか。

バンコクの太陽 - タクシーの車窓から


普段気にしていることが海外に出るとどうでもよくなる。

世界は広い。狭い価値観の中で生きるには人生は短すぎる。人の目を気にしている暇もない。

前向きな気分にさせてくれるから、海外に行くことがやめられない。

さて、タイの次はイギリスが待っている。次はどんな新しい価値観に出会えるのだろうか?どんな人に出会えるのだろうか?

* * *

ここまでお読みいただきありがとうございました!
またイギリスに到着したあとの旅ログもこれから記事にしていきたいと思います。

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