家にネズミが出た話

(※ネズミ、ネズミのフンの表現を含みます。普通に気持ち悪いです)

11月のとある寒い日の夜のことだった。

遅くに帰ってきた夫は一人でダイニングで夕食を取っていて、私はもう寝室のある上の階に上がって休んでいた。

食事を終えた夫が寝室に入ってくるなり、こう言った。
「気のせいかもしれないけど、ネズミを見た気がする・・・汗」

彼曰く、チラッと尻尾のようなものが見えたかと思うと、キッチンの方に消えていったそうだ。

日本では想像もできないが、イギリスではネズミが家に出るのはあるあるで、日本でいうGみたいな存在らしい。あいつらは寒くなると食料と暖を求めて民家に侵入し、夜な夜な家を駆けまわるのだ・・・(震)

スーパーには色んな種類の殺鼠剤が売っているし、駐妻の間でも、あそこのマンションで出たらしい、友達が夜中に目が合ったらしい(無理)とか、話題に上がることもしばしば。それ程イギリスでは身近な存在と言えよう。

とはいっても、去年の冬はネズミとは無縁で過ごしたし、形跡も無いしで、まさか自分の家にいるとは思えず、当時夫には、疲れてるだろうから気のせいだったんじゃない?と返事をしたのを覚えている。

しかし、その翌朝には悪夢が幕を開けた。

寝室からダイニングの階に降りて、抱っこしていた息子を床に下ろし、キッチンで朝食の準備をしようとしたところだった。

「・・・これもしかして、ネズミのフンじゃない・・・・?」

夫が指さす方を見ると、確かに黒ゴマみたいな何かが壁伝いに何個も落ちていた。

まだ信じたくない、と思いつつも、「ネズミ フン」でググったら、検索結果と目の前に落ちている物体は瓜二つだった。

その時の私は😨←この絵文字のように青ざめていたに違いない。

そこからの毎日は地獄だった。

ネズミは恐らく毎晩ダイニングとキッチン周辺をウロウロしていて、最初は床だけだったその形跡も、徐々に行動範囲を拡大し、数日経つ頃にはダイニングテーブルの上、キッチン台の上にまで、フンが落ちているようになった(きも過ぎて震える)

もちろん寝る前に入念にアルコール除菌で綺麗にして、キッチンに出していたパンや果物類も、全部棚の中に仕舞ったが全く効果はなく、朝その状態で料理や食事ができるはずもないので、再度入念にアルコール除菌をしてテーブルクロスを引いて・・・という感じで、朝から神経をすり減らしていた。

まだハイハイをしていた息子がフンを見つけて口にいれたら大変なことになるので、床にも落ちていないか目を光らせたり、息子と二人きりの時にネズミに遭遇するのは避けたい一心で、外出から帰宅後は必ず「オイ!!!ネズミ!!!テメー今家の中にいるなら出てけ!!!」と壁をドンドン叩いて、いるかもわからないネズミを追い出したり(奇行)、起きてる間は常にネズミを警戒する毎日で、今振り返ると結構精神をやられていた。

さすがに自然解決は望めないだろうということになり、助けを要請した。

まずは、家の修理やアップデートしに割とよく家に来るブライアンというおじちゃんに連絡したところ、よくある話だよと言わんばかりに3日後くらいに来た(はよ来いや)。

ネズミの通り道にいくつかトラップを仕掛けていったのだが、これがまた原始的なもので、本当にこんなので捕まえられるのか?と思わざるを得ない。

トラップにコーンフレーク仕掛けていった笑


彼曰く、毒を仕掛けることもできるが、徐々に体に回って効果を発揮するので、配管の中で命尽きてしまうとそこに虫が出たり、二次被害が出るから、できればBodyを確認できた方がいいんだ、とのことだった。

仮にこのトラップで生け捕りになったところで、私も夫も処理できる訳がないのだが、この状況から抜け出せるのならと藁にもすがる思いだった。

ブライアンは、また3日後くらいに様子見に来る、と言い残して去って行き(いやだから遅)、そこからはトラップにネズミが捕まっていないか確認するのが日課になっていた。

しかし、こんな原始的なトラップにコーンフレークちょんと置いただけで捕まるのかという当初抱いた疑念は増すばかりで、結局3日経っても状況に変化はなかった。

この頃、夜20時ごろ、夕飯を終えたばかりで人もいたし、まだ活動してないだろうと思って、上の階から降りようとしたところ、キッチンから顔を出しているネズミと目が合い、こちらは叫び、あちらは「あ、やべ」みたいな感じでそそくさとキッチンに隠れていったことがあった。

精神が限界に達し、ブライアンではなく大家に助けを求める作戦に切り替え、遠方に住んでいる大家に事の顛末を連絡すると、すぐに専門の業者を呼んでくれるとのことだった(もっと早く言えばよかった)。

彼らは2日後にやってきて、強力な毒をいくつか仕掛けていった。少し体内に入っただけで確実に退治できるのだそう。子供を絶対に近づけないで!と言われたのが地味にハラハラだった。

効くまでにこれまた数日かかるらしいのだが、ここから4~5日間、神経をすり減らす日が続いたのち、ネズミは姿を現さなくなった。
心配していた配管云々の二次被害も特になく、この件は一件落着したのであった。

うちが住んでいたのは戸建てタイプの割と古い家だったのもあって、マンションよりはネズミが出やすかったのかもしれないが、そもそも家のクオリティが日本のそれと比べて甘かったりするので、新しいマンションでも出ると聞いた(むしろ新築の方が修理が入ってないから欠陥が多いと。意味不明すぎる)。

今後イギリス、乃至はヨーロッパの都市部に越してくる方には、家の中でネズミと遭遇するかもしれない可能性があることを頭の片隅に入れておくといいのではないでしょうか・・・・

一方で、ネズミが一つのきっかけで、考えていた引っ越しに踏み切ることになり、結果、私が復職したのでオフィスにも近く&新しくて綺麗なマンションに住処を移せたので、総合的に見たらいい出来事だったのかもしれないし、なんなら幸運のネズミだった?とポジティブに捉えてみたりして。

想定外のことが起こる海外生活、最後はポジティブな方向に持って行くのが病まずに生活するコツかもしれない。

ここまで読んでくれた方ありがとうございました🧀

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