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ボリスがICUへ

3月12日の政府会見以来、それまで寝ぼけていた様な私の目を覚まさせ、一致団結してコロナウイルスと戦おうと思わせてくれたボリス・ジョンソン。10日前に陽性結果が出たが昨日病院に運ばれた。そして、つい先程ICU(集中治療室)へ入ったとの一報が。

「多くの家族が愛する人を失う事になる」とボリスが国中に警笛を鳴らした、忘れもしない3月12日。あの日の会見を私は何度も繰り返し聞いた。「愛する人を失う」は少々ショッキング過ぎる表現だは思ったが、大筋はとても明確で分かりやすく、正直な会見だった。(発表された感染者数よりも実際の数はずっと多い、など。記者会見場がシーン、と静まりかえった瞬間だった。)

あの日を境に英国は変わった。それまでどこか他人事だったコロナ禍が急に現実的となり、人々の気持ちが引き締まった。それからの1週間、政府は毎日会見を行い外出やビジネスの自粛を段階的に引き上げた。ボリスの株は急上昇、頼りになるリーダーとして国を引っ張った。

そして3月23日、彼は外出禁止を伝える。‘You must stay at home’。人々に寄り添いながらも毅然とした、歴史に残るであろう素晴らしいスピーチだった。

イギリスをEU 離脱させた張本人、首相になってからも強引に離脱を率いたボリスを私は正直言って嫌いだった。しかし上記の3月12日から10日間程、ボリスのパフォーマンスは神がかっていて、彼は国のヒーロー的な存在となった。勿論私もすっかりボリスファンになりかれの会見を見るのが1日の楽しみとなっていた。

奇しくも今朝、彼のサイン入りの手紙が届いたばかりだった。(いや私だけに送った訳ではなく全世帯へ送った模様です。言わなくてもお分かりですよね。)

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どうかどうか、回復します様に。


今夜のBBCニュースでは偶然にもコロナICUの様子を報道していた。TVで紹介されたのはおそらく初めて。人々に現実を観せてソーシャルディスタンスや外出禁止を更に強化する狙いだろう。スクリーンのこちら側で観ているだけでも背筋が凍る思いがしたが、実際にその場にいる医療スタッフの方が直面している状況からすればをリアリティーの0.01%も見ていないだろう。亡くなっていく人も見ていない。医療スタッフの感じるその場の空気、緊迫、疲労、恐怖などは如何なるものか。

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英国の死者 5373人


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