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英国ロックダウン3回目ー学校閉鎖などについて

イギリスは1月5日から3度目のナショナル・ロックダウンに突入しました。

思えばクリスマス直前の12月20日、変異種が発見されたといきなりの発表から事態が刻々と変わりました。ロンドンは規制最高値のTier4に引き上げ。(それまでTier3が最高値だと思っていたので不意打ちを喰らい何このフェイント⁉︎ 聞いてないよ!Tier4が変異種じゃない?などと慌てました) それ以前は同居者とサポートバブル(一人暮らしの人は他の一家族と交流できる)以外と会うことは禁止でしたが、クリスマスの前後数日間だけは例外として3家族と交流して良いというお達しで、人々も人数分のターキーやご馳走をいそいそと用意していました。

それが土壇場で撤回され、クリスマス期間も同居外の家族とは会えない事に。クリスマス命のイギリス人がこの決定を下すとは只事ではありません。英国のクリスマスは日本のお正月に相当する、普段離れて暮らす家族が集まる一年で最も大切な行事。日本では東京暮らしの人が実家の親から「今年は帰省しないでね〜」と断られた話もよく聞きますが、欧米人の家族に対するメンタルな距離感というのはもっとずっとエモーショナルで、クリスマスに会うことを禁じられるなんてものなら普段なら人権問題に発展しそうな勢いです。(しかし水面下では喜んでいる人も多いらしく、友人とのチャットグループではこれで義理母とクリスマスに会わなくて済む〜と狂喜乱舞の祭が繰り広げられておりました。笑)

よく欧米は個人主義、日本は家族主義と言われますが、表面的には日本人の方がドライで欧米人の方がよっぽど家族とベタベタしている印象です。

それはそうと、変異種が発見されてから即座に世界中からエンガチョ扱いされた大英帝国。翌日には40ヶ国が英国からの入国を封鎖しました。Brexitであれだけ揉めていたアイルランドも速攻で国境を閉鎖し、一足お先にBrexit達成といった感でちょっと笑えました。

ニュースではmutate (変異)とかVariant(変異種)とか The virus is out of control (ウィルスは制御不能!)とかの言葉が2分おき位に出てきて、バイオハザード映画の様相を呈してきました。

それから約2週間後、満を持して(いや遅いだろう)のナショナルロックダウン。正直、それまでも必需品以外のお店も閉まっていたし友達にも会えなかったし、実質的な生活はそれほど変わらないのですが、政府が明確に「ロックダウン」「外出禁止」などの言葉を使用すると重大感がのっしりと醸し出され、やはりメンタル的に凹みます。

一番の大きな変化は全ての学校が閉まった事でしょう。政府のスタンスは「可能な限り学校は開ける」。ギリギリまでその方向で頑張りました。

本来なら1月4日から新学期ですが、12月の時点では中学、高校は2週間(5月に統一試験のある11年生と13年生は1週間)遅らせ、小学校は予定通り4日からでした。(小学校だけ開けるのはキーワーカーの人達の子供の受け入れ先の問題などのプレッシャーがあったのだと思います。)

感染率の高い地域の小学校だけは登校日を遅らせる予定でしたが、前日の3日に、全小学校4日スタートに変更。学校内の感染を心配する声も多く 、政府の決定に反対する教員組合が「再開は安全ではない」と職員に通達したりとギリギリまで喧々囂々でした。

小学生のいるご家庭は気が気じゃないだろうな……と思っていましたが、4日の夜にロックダウンが発表されたので結局1日だけの登校となりました。「どうして1日前に決定してくれなかったの…」とボヤくお母さんがTVに出ていましたが、二転三転する決定に政府の混乱ぶりがうかがえます。

11年生と13年生の試験は昨年同様中止となり、先生の評価が公式結果となります。全ての学校は2月まで自宅でオンライン学習。しかし調査 によるとなんと全国で9%、100万人以上の子供の家にパソコンやタブレットがないそうです。オンライン学習になる事で生まれる不公平をどの様に是正するのかも大きな課題で、今日国会中継を観ていたらデータの料金を値下げすべきなどの議論がされていました。(唯一のインターネットアクセスが親のスマホとデータだけの家庭もある。) 第一次ロックダウンでは給食費免除の子達へのランチ支給が即座に決定されましたが、まず弱い立場の子供の事を考慮するのは心が温まるし、なんだかんだ弱者に優しい国ではあると思います 。

外出が許される理由として「必需品の買物」「在宅で不可能な仕事」「1日1回のエクササイズ」などの他に今回新たに「DVから逃れるため」が加えられたのも印象的でした。

ちなみに今日は感染者数6万人、死者数1000人を超えました。これからどうなるのかなあ。なんか日本に二度と帰れないような気がしてきた(汗)










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ケロヨン
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