Sparkle Rock Beat!! ーMaiR メジャー1stアルバム『未完星』感想記事ー
爽やかRocker、閃烈見参!
あなたはバーチャルロックシンガーのMaiRを知っているだろうか?MaiRちゃんは2018年7月9日にデビューをして以来、オリジナル曲やカバー曲を歌い続けているRockなアーティストである。そんな彼女は先日4月26日に何とあのビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たし、1stアルバム『未完星』をリリースした。今回はこちらの感想記事を書いていこう。
↑まずはアルバムのクロスフェードを聴いてみよう!
1.未完成アンチテーゼ
オープニング曲の『未完成アンチテーゼ』は2022年10月から6ヶ月に渡り連続リリースした楽曲の第4弾であり、MaiRちゃん自身が作詞した曲となっている。そして初見でめちゃめちゃ共感した曲だ。
岩を砕く荒波のような荒々しさと、野を吹き抜ける風のような爽快感を併せ持つこの曲はさながら「傷だらけのロック」だ。人の想いは皆それぞれ違う。他と違えば流れに逆らうこともあるだろう。逆らうほどに傷だらけになるかもしれないし、響かせたい想いは周りに掻き消されてしまうかもしれない。けれどボロボロで傷だらけなナマの声はきっと誰かの分身なのだ。歯をくいしばって前へ走る…泥臭くとも確かに共鳴するカッコ良さが『未完成アンチテーゼ』には詰まっている。
2.Survivor
『Survivor』は6ヶ月連続リリースの記念すべき第1弾。先の『未完成アンチテーゼ』に近い系統であるが、こちらは曲全体を貫く弾丸のようなスピード感が特徴だ。
バチバチくる「ザ・ロック」な勢いとRockerとしての生きざまを歌った歌詞、それを表現できるMaiRちゃんのパワフルな歌声が三位一体となり、曲を成す。Dメロの静寂感からのラスサビの解き放つような勢いが堪らない。痛みも弱さも抱えながら希望を謳うSurvivorこそバーチャルロックシンガーMaiRちゃんであり、そしてそれは「We are "Survivor"」の詞が表すように、今を生きる我々なのかもしれない。
3.ギミギミ
『ギミギミ』は楽しくポップなチューン。とにかくかわいい(重要)。今までのMaiRちゃんのオリジナル曲ではあまりなかったタイプの曲だ。
この曲では先の2曲とはまた違ったMaiRちゃんの側面を見ることができる。まるで話しかけてくるような歌い方はその表情が浮かぶようで、嗚呼かわいい!癖になるサビの歌詞も思わず口ずさんでしまう。皆で愛を叫べばライブが盛り上がりそう……こんなところにライブのお知らせが!
4.MARCH!!
6ヶ月連続リリース第5弾の『MARCH!!』もかわいいが溢れている。この曲はキュートなかわいさとロックの疾走感が融合して、リズミカルで軽やかな印象だ。系統が近い『絶対!愛のハートビート』が好きな私的には嬉しい曲だ。
目眩くかわいいの中にも、己の道を信じて進んでいくMaiRちゃんの気持ちやエールが詰まっており、頑張りたいときに聴きたい元気をくれる一曲となっている。
5.餞
6ヶ月連続リリース第3弾『餞』はMaiRちゃんの描くダイナミックな歌詞と、臨場感溢れる歌声、それらを繋ぐバラードのメロディーがとにかく美しく、じっくりと聴き味わいたい曲。一度聴けば情景が脳裏に浮かぶとかもはやそういう次元ではなく、自分が追体験しているかのような感覚を味わうことができる。
同じ歌詞でもイントロとアウトロで意味合いが異なって聴こえるのが彼女の表現力の高さを物語っている。聴くたびにMaiRちゃんの歌う幅の広さにいつも驚かされる。私は2番サビの歌詞が好き。Cメロから一気にラスサビへ向かうさまは哀愁が希望へと変わり、背中を押されるような力強さがある。
実は『餞』はリリースしてから何度も聴いているお気に入りの曲だ。皆さんもこの曲の持つ素晴らしい臨場感を存分に味わっていただきたい。
6.Clover
しっとりとした『Clover』は日本語と英語を交互に歌うスタイル。水面に波紋が響くような静けさの中に温かい想いが宿る曲だ。
『Clover』は『餞』で描いた道の先という印象。(英語は苦手なので完全には分からないが)一度は別れても、時を経てまた想いは繋がっていくことを示している(と思う)。心にじんわりと温かさが広がっていく感じが心地良い、優しい歌だと感じた。
7.ヒカリヘ
『ヒカリへ』は6ヶ月連続リリースの第2弾だ。この曲はリリース時と今回のアルバム収録時で結構印象が変わった曲だ。
この曲単体で聴いてもMaiRちゃんのストレートな歌詞と伸びやかな歌声、そしてMaiRちゃんのプロデューサーであるFKBC(ふくぶちょー)さんが手掛ける駆け抜けるような疾走感あるサウンドが心地良い。過去と今を引き連れて、タイトル通り光輝く未来へ真っ直ぐに突き進んでいく感じが実にロックで爽快だ。
そんな素敵な曲が『餞』と『Clover』の後に来ればまた印象は変わる。前2曲は過去から今へ踏み出していく曲だったが、この曲はさらにそこから未来へ進んでいく曲となっており、まるで1つのストーリーを持った3部作の曲のように感じられた。初回限定版の「超ほしのーと」や特典の対談は(書き終えた後のお楽しみなので)まだ見ていないので実際はどういった意味の並びかは定かではないが、私は結構好きな曲の魅せ方だ。
8.sleepy*love
8曲目の『sleepy*love』はしっとりと落ち着いた雰囲気の曲だ。柔らかい高音が大人なムードを醸し出しており、お洒落なお店で掛かっていても似合いそう。この曲はとにかく癒し効果が高く、夜に睡眠導入歌として掛けるとあっという間に夢の中へ誘われる(実践済み)。カッコいいともキュートとも違うMaiRちゃんの新たな一面を見た。
9.Within The Noise
『Within The Noise』は歌詞が全て英語という挑戦的な曲。ライブでめちゃめちゃ盛り上がりそうで頭ブンブン振れるくらいテンションがブチ上がる。歌詞は英語でも"my never ending voice"などこれまで見られたMaiRちゃんらしさは健在だ。
10.エコー
『エコー』は数々のアーティストに楽曲を提供しているVtuberのさめのぽきさんが作詞作曲した曲であり、ぽきさんらしいテイストが随所に見られる。
過去の自分の想いが残響=エコーとして残り続けているという表現が素敵。過去の想いが今の自分を創るというのは物凄く共感できる。音色が、想いが心に響いていくような歌い方も素晴らしい。個人的にはMaiRちゃんのオリジナル曲『スーパースター』を彷彿とさせる雰囲気やフレーズがあるので、この続編的な立ち位置なのかなーと思っている。『スーパースター』に限らず、過去のMaiRちゃんのオリジナル曲と合わせて聴いて見るとまた違った余韻を味わえる一曲だ。
11.ハルカゼ
6ヶ月連続リリースの最後を飾った『ハルカゼ』もMaiRちゃんが作詞し、ふくぶちょーさん作曲の曲だ。
この曲は春風のように優しく温かい気持ちになるバラード。夕陽に暮れる学校の教室を思わせる1番から想いを語る2番、そして華舞う中での門出を思わせるラスサビは臨場感があり、その歌詞一つひとつに想いを込めるようなMaiRちゃんの歌い方は響くものがある。これまでの彼女の旅路が心に浮かんでくるようだ。
そして同じ夢見坂学院の仲間である春原つくしちゃんやふくぶちょーさん、そして3人と共に曲を作ってきた作曲家の難波研さんが再び集まったMVも見逃せない。MaiRちゃんの制服は懐かしき夢見坂学院のものであり、歌詞も相まってやはり卒業を思わせる。いつだって別れは寂しい。けれども、離れていても前を向いて進む限りいつだって心は側にいるし、道の先でまた逢うこともあるだろう。切なくも温かい名バラードだ。最高。
12.疾奏
エンドロールを飾る『疾奏』はMaiRちゃん自身で作詞したアルバムのリード曲だ。しっとりと終わった『ハルカゼ』から弾けるように『疾奏』が始まるのが再スタートを切るようでもう最高。この爽やかロック!これぞMaiRちゃんだ!
この曲は『未完成アンチテーゼ』へのアンサーソングとも言えるかもしれない。未完成だったアンチテーゼは歌で想いを紡いでいくなかで「これが正解だ」という答えにたどり着き、決意を胸に未完星の可能性を追いかけてまた走っていく…。聴いているとそんなストーリーが浮かんできて、『Step Up Super Star』を初めて聴いたときのワクワクが再び蘇ってきた。あれから何光年も走り続けてきて、メジャーデビューという一つの夢を叶えた彼女はこの先もっと大きく輝いていくことだろう。この星はまだ通過点。次の星ではどんなワクワクする景色が見れるのだろうか。
Rock Beatは止まらない
アルバム『未完星』を通して聴いていくと、バラエティー豊かな楽曲一つひとつから聴こえる彼女の歌声は、届けたいナマの声であり、想いなのだと実感した。
これまでの2つのアルバムからさらに洗練され力を増したロックとこれまで中々見られなかったキュートなポップス、そして新たな一面である優しく包むバラード。それぞれ曲調は違えど、時に心踊るほど熱く、時にドキドキするほど可憐に、時に繊細なほど優しく…聴いていると想いがスッと心に寄り添ってくれる。そして彼女が生み出す七色の音はいつだって前へ引っ張っていってくれる。それは夢見坂の星乃めあちゃんだった頃から変わらない、MaiRちゃんだからこそ描ける音だと思っている。
何言ってるのか分からなくなる前に〆にしよう。総じてメジャー1stアルバム『未完星』はバーチャルロックシンガーMaiRのさらに進化した魂の歌声と、変わらない確かな信念と想いが詰まった素敵なアルバムだ。こうして感想を書いていると過去のオリジナル曲のことも書きたくなってくる…が、それはまたの機会に。
夢の星を目指すロケットの次なる目的地はライブ会場!ハマの夜を焦がす魂のロック、実に楽しみである。
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次は中頃かな?(My Playlistも鋭意執筆中!)