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君色プリズム ーときのそらNewシングル『おかえりなさい』感想ー
今回は2024年9月11日にリリースされた、我らがバーチャルアイドルときのそらちゃんのNewシングル『おかえりなさい』の感想を述べていこうと思う。発売されてからだいぶ経ってしまったので、前置きは置いておいてサクサク書いていこうか。
おかえりなさい
本曲はテレビアニメ『僕の妻は感情がない』のOP主題曲を務めている、いわゆるタイアップ曲である。これまでゲームなどでのタイアップはあったものの、テレビアニメとのタイアップはそらちゃん初であり、それも単発ではない1クールアニメとなれば喜びもひとしおだ。
『僕の妻は感情がない』の原作は私も知っているが、この曲の原作に対する理解度は素晴らしく、タクマくんとミーナちゃんの関係性を曲のなかで巧みに描いている。私には家で相手を待つミーナちゃんの視点で歌われているように感じた。歌い方は一見すると淡々としていて、CメロとDメロを除いてメロディーにも大きな変化がないのがまるで無機質なロボットのようだけれど、歌詞には感情とプログラムの狭間で悩む姿が描かれており、サビの歌詞は暖かく、その「おかえりなさい」という言葉には確かな心が宿っているように聴こえる。この機械感と暖かい心を上手く織り交ぜて歌うそらちゃんの高い表現力には驚かされる。
タイアップ曲としてだけでなく、ときのそらの曲としても、本曲はこれまでの楽曲と違うものがある。そらちゃんの曲と言えば、圧倒的だけど美しい高音域や力強くも優しい歌声が特徴である。それに対して本曲はバラードのように優しく包み込むようだけれど、バラードとはまた違った暖かさがある。それは恐らく後述する歌い方によるものだろう。
今回の曲は「しゃくり」と呼ばれる、本来より低い音階から滑らかに本来の音階へ上げる歌唱法を使わずに歌っているのも大きな特徴の一つだ。現代の楽曲では多く使われているこの技法をあえて外すことでふわりと流れるような歌い方になり、歌詞が示す暖かさと優しさをより鮮明に映し出しているようである。そして、この曲において唯一、ラスサビでのみしゃくりを入れた歌い方をしているのも、一層「おかえりなさい」という言葉を強く伝えたいそらちゃんとミーナちゃんの気持ちを表しているようだ。
また、本曲はCメロで転調し、ラスサビ前のDメロでさらに転調、ラスサビで再び同じキーに戻ってくる構成になっている。Cメロの転調と歌詞はミーナちゃんのより深い心のなかを見ているようであり、Dメロの歌詞、延いてはミーナちゃんが出した結論は「なんとなくで 在って ただ今 ここにいる」であり、ここでの転調もまたプログラムを超えた人間らしさを表しているように思える。だからこそ、ラスサビはいつも通り変わらない気持ちで、けれどしゃくりを入れることで以前より真っ直ぐ「おかえりなさい」という言葉を感じることが出来るのだろう。私はラスサビの「「おかえりなさい」が重なって 大きな奇跡だって日常になるの」という歌詞がこの『僕妻』という作品そのものを表しているようで一番好きだ。
総じて、この『おかえりなさい』という楽曲は『僕の妻は感情がない』のタイアップ曲としても高い表現力で作品の世界観を描いているし、そらちゃんの曲としても(いつも感じている)そらちゃんの優しさを感じられる素敵な楽曲であると言えるだろう。
余談になるが、私は血が通いながらもどこか無機質にみえる現代社会の人間たちよりも、いずれシンギュラリティに達し心を宿したロボットの方がやがては(良くも悪くも)人間より人間らしく生きていくのではないかと思っている。まるで『鉄腕アトム』の世界であるが、いずれ必ず人とロボットが共存する未来が来ると私は思っている。そういう意味では、それがプログラムか心か分からないけれど「人間らしく」生きているミーナちゃんや彼女を愛するタクマくんの姿は原作を読んだときから結構感情移入出来るものがある。その関係性がさらにアニメで表現されたことでより深く作品を理解することが出来たので嬉しい限り。そしてそのアニメを作ったのが『鉄腕アトム』を制作した虫プロダクション…の系譜からなる手塚プロダクションであることもなんだか感慨深いものがあったりする。
そらちゃんも言っていたが、アニメ以後のこの後が良いのよ。2期Come on。
ラッキーセブンスホイッスル
先の0期生ライブにおいてお披露目された『ラッキーセブンスホイッスル』はそらちゃんの愛が溢れた新たなる名曲と言えよう。そらちゃんのトリ曲、大抵火力強すぎ問題。
本曲は『好き、泣いちゃいそうだ』や『ユメゾラ☆ファンファーレ』というそらちゃん屈指の名曲を生み出した黄金コンビ、まつもとななみさん&藤原彩豊さんによって生み出され、そらちゃん自身も歌詞に大きく関わっているというまさにときときのそらによるときのそらのそらとものための曲と言った雰囲気の曲だ。今回のようにそらちゃんが監修として関わるというのは中々なかったパターン。
なお作詞編曲をされた藤原彩豊さんは本曲に関するこのようなこだわりを語って下さっている。↓
例えば
— 藤原彩豊 / Ayato Fujiwara🌌 (@Ayato_GA) September 20, 2024
・譜面の上では転調が7回
・テンポがBPM 126 (7の倍数)で、ユメゾラ⭐︎ファンファーレの+1 (ちなみにユメゾラのBPM 125は素因数分解すると5*5*5…)
みたいなネタがあったりします!🎼
細かい話なので伝わるかな…♬(・◡・๑)#ときのそら #ラッキーセブンスホイッスル https://t.co/uO9j12HRpf
荘厳なイントロは7周年を祝う鐘であり、新たな始まりの合図。この曲は歌詞も歌い方も、とにかく真っ直ぐに想いを伝えてくれる曲だ。伝えたいことは歌詞に全て詰まっており、美しい高音域と力強く優しい歌声がそれを支えている、ときのそらの真骨頂たる曲であると言える。
いつも我々そらともを大切に想ってくれているそらちゃん。そんな彼女の愛がたくさんこもったメッセージを自ら高らかに歌う様はまさにアイドル。嗚呼、本当に素敵な曲だ。ここまでそらちゃんを推してきたご褒美…なんて言うのは烏滸がましいが、色々と想い出を振り返りながらしみじみ聴いてしまう。感想を書こうにもあまりにココロの部品があたためられすぎてまったく言葉が浮かんでこない。私の感想なんていいので、もうとにかく聴いてほしい。↓
この『ラッキーセブンスホイッスル』はMVも公開されており、ダンスが映える素敵なものとなっている。また、そらぱのオープニング映像やこれまでのアルバムやEPのジャケット、そらザウルスなど小ネタも満載で見ていて飽きない。明るく楽しくパフォーマンスするさまはさながらライブ会場のよう。ラスサビの「ここにいるみんなのことを」という部分を全身で表現しているのがライブでのそらちゃんを彷彿とさせてくれる。最後に通常衣装になるのもニクい演出だ。7周年を祝う曲ということは1年以内に本曲を含むレパートリーのライブがあるということ哉?(迷探偵)
さて、そろそろまとめるとしようか。
今回のNewシングル『おかえりなさい』はA面の『おかえりなさい』ではそらちゃんの新しい可能性を見ることが出来、B面『ラッキーセブンスホイッスル』ではいつもの強く優しく、さらなる未来へ皆一緒にゆっくり走っていくそらちゃんの姿を見ることが出来た。それはそらちゃんの様々な一面を切り出したようであり、一枚で何度も楽しいプリズムのようなに美しい輝きを放つシングルだと言えるだろう。
これからも、いつでも、自分のやることは変わらない。そらちゃんを信じて推す。暖かい想いをここまで伝えられたら、その想いに報いるにはそれしかないだろう。そうして推した先に見えるそらちゃんが創り出すそらちゃんだけの輝きを、未知なる無限大の輝きを、8年も、その先もワクワクしながら楽しむとしよう。
ここまでお読み頂きありがとうございました!
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