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星を繋いで大星座 ーときのそら4th ALBUM『Sign』感想ー
祝・4thアルバムリリース!
遅くなってしまったが、今回は9月7日にリリースされたときのそらちゃんの4thアルバム『Sign』の感想を書いていこうと思う。本来は7月発売予定だった本アルバムは9月7日に延期して発売となったわけだが、この日はそらちゃんのデビュー日!粋なプレゼントとなった。
そうそう、ナタリーさんにそらちゃんへのインタビュー記事が出ているので、そちらも是非!より理解が深まると思う。
アルバムトレーラーはこちら!↓
1,ピッとして!マーマレード
アルバムのリード曲『ピッとして!マーマレード』は聴いていると走馬灯のようにこれまでの5年間が思い出される曲だ。そして相変わらず高い音程!曲調はポップで明るく、感謝と未来への想いが詰まっていて、アルバム最序盤にして満足感が半端ない。トリに持ってきてもいいくらいの曲である。作詞作曲は田淵智也さんで、上記のインタビューで触れていた『ゆっくり走れば風は吹く』に近い曲だと感じた。台詞パートもあるしね。なんというか…続編感?
そもそもなぜ「マーマレード」なのか。私としては2番サビの「キュートにキュートに甘いだけじゃなくて ほんのりほんのりほろ苦いの」という歌詞がヒントなのかなー、なんて思っている。明るく楽しいだけじゃなく、時には苦い思いをしながらも「ススメ!ナヤメ!カンガエテ!」と、夢を追ってゆっくり、けれど力強く走ってきた「アイドル」ときのそらを表すのに、確かにマーマレードはふさわしい。私のオツムじゃこれが限界…皆さんの考察を楽しく拝見します…。
全体を通してよっしゃ!୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧とやる気が出る曲だと感じた。 個人的に楽しみなのは11月のワンマンライブでの生演奏!これ生で聴いたら凄いんだろうなぁ…。
2,ユメゾラ☆ファンファーレ
そらちゃんがアルバム中最もお気に入りだと言っていたのが『ユメゾラ☆ファンファーレ』。先の5周年記念ライブでの披露が記憶に新しい。この曲の作詞はまつもとななみさんで作編曲が藤原彩豊さん、ギターで青木康平さんが参加しており、そらちゃんの1stアルバム『Dreaming!』収録の名曲『好き、泣いちゃいそうだ』のメンバーが再集結している。
曲調は駆ける流星のように爽やかでありながら、闇夜を照らす月光のようにロマンチックだ。歌詞には前曲のマーマレードと同じく感謝と未来への想いが詰まっており、何よりお洒落だ。「夢と夢がギュッと重なる瞬間を 奇跡と呼ぶんだ」や「無数の星屑の中 見つけてくれてありがとう」といった歌詞はロマンチックのなかにも確かに「ときのそら」を感じさせてくれる。後、Cメロ前のギターがめちゃめちゃカッコいい!
曲名になっている「ファンファーレ」は管楽器が奏でる華やかな曲であるが、さながらこの曲は5年という区切りを越えて、更なる未来への門出を祝う曲といえる。
3,ロゴバッジ
この『ロゴバッジ』も先の2曲同様、アイドル味が強く、感謝と未来を歌ったものになっており、ここまでが3部作のように感じる。この曲の特徴は作詞作曲の渡辺翔さんが生み出す絶妙な疾走感で、まるで「ときのそら物語」のオープニングテーマだ。
この曲は疾走感も相まって、目眩く日常を切り取った青春劇場を見ているよう。ではポイントとなる『ロゴバッジ』とは何か?私は「これまでの想いを分かち合った証」こそ『ロゴバッジ』だと考える。そらちゃんだけじゃなく我々そらともにもついているバッジは、支えて、時に支えられる私たちの関係を示していると感じた。
これまでの3曲を聴いてみると、そらちゃんは今まで以上に高音域を使い分けており、それもただ高いだけではなくて沁み入る心地よさと、懸ける想いを確かに感じた。間違いなく『Re:Play』の時より洗練され、進化しているのだ。これがときのそらクオリティ…!
4,羽を手にして
『羽を手にして』はうって変わって少し穏やかでノスタルジックなイメージ。Akkiさんの歌詞がとにかく素敵で、そらちゃんの包み込むような高音がそれを見事に表現している。
曲の系統は1stアルバム『Dreaming!』収録の『ほしのふるにわ』に近い。何が良いって、歌詞が素敵(2回目)!1日の空を通した心情を描いていて、つらい時でも青空を見上げながら進んでいこうと思える歌だ。私は「空は青い色 青い色 少し経ったらすぐに茜色」がリズミカルかつ幻想的で好き。風景が浮かぶようで、言ノ葉を味わうってこういう事か。そのなかにも「空」「青」「星」「夢」といったそらちゃんらしいワードが散りばめられており、「私がきっと晴れ晴れにしちゃうから」という歌詞がまたニクい。ラスサビ直前の上がり方も凄く好きだ。そらちゃんの優しい歌声と曲の柔らかさが心地よく、彼女の優しさを体現したような曲だ。お散歩する時に聴きたい。
余談であるが、そらちゃんの曲で羽というと『あの日見た空』を思いだすので、懐かしさもあって嬉しい気持ちだ。
5,空ノ空
ボカロPのユリイ・カノン氏作詞作曲の『空ノ空』はカッコいいのそら見参だ。曲の中に「高層ビル」や「交差する人」といった歌詞や靴音が紛れていて、最初に聴いた際から「摩天楼からパノラマ的に見下ろす夜の都会の雑踏」のイメージが湧いてきた。
一言で言うと、今までのそらちゃんになかったタイプの曲だ。雑踏を抜けていくような疾走感とそらちゃんのスタイリッシュで力強い歌声がダークさと刹那さを演出する。理想と現実が交わる闇夜の雑踏のなかで抗う主人公を歌っていると思うが、中々難解な歌詞でまだまだ考察の余地があるのがボカロを聴いているようで面白い。「「答えはない」のが答えなのはわかる だのに今も求めるのは何故?」という詞が個人的に刺さった。さて、生演奏でどう化けるのか…楽しみだ。
6,エゴナデ・ラビリンス
異世界の迷宮に住む小悪魔のそら。『エゴナデ・ラビリンス』はこれに尽きる。作詞作曲のYASUHIRO氏、どこかで聞いたことあるな…と思ったら『月世界旅行』の方でしたか。あの転調良いんだよなー。
可愛さのなかに妖しさと焦燥感があり、タイトル通り迷宮に迷い混んだかのような曲だ。ちょっとやんちゃ(マイルドな表現)な女の子が妖しい恋の末に、「相手」も自分と同じく迷宮から抜け出せなくなって欲しいと願う歌だと私は解釈した。それって束縛系…?とにかく、ミステリアスだけど可愛らしい小悪魔のそらを感じたいならオススメの一曲だ。だんだん癖になってきたら、あなたも私と同じく迷宮の住人の仲間入り…つまり「相手」とはそういうことだ。(๑👁️ᆺ👁️)ヨウコソ
7,エレクトリカル・サーフィン
『エレクトリカル・サーフィン』は本アルバム随一の電子ドラッグな曲。ピコピコやテクノ調が電波的でレトロな感じ。コンピューター用語も織り交ぜて、まさにエレクトリカル。そらちゃんの「The Boooom!」が可愛い。ネットの波をサーフィンなんて、まるで日々の私達みたいだぁ。細かい事は言わない、みんな波に乗ろう!
8,デジタリックリリック
こちらの『デジタリックリリック』もデジタルな曲であるが、電子が生み出す感情を歌っている。個人的には『アンドロイドガール』を彷彿とさせるボカロ寄りな曲だ。AメロBメロからのサビがバチバチくる感じで、そらちゃんのバッチリはまったハイトーンと熱量が曲を盛り上げる。間違いなくライブで盛り上がる曲だろう。でゅーんが癖になる。
9,黄昏ミッドナイト
『Sign』収録曲で睡眠のお供にぴったりなのは『黄昏ミッドナイト』!そらちゃんの優しいバラードでおねんねタイムに直行出来ることだろう。忘れちゃいけない。バラードもまた、ときのそらの武器だ。
曲は甘酸っぱい恋を歌ったラブソングであり、長い夜に窓辺から夜空を見上げて、恋人へと想いを馳せる少女を描いている。ロマンチックな歌詞でうっとりしちゃう。タイトルの『黄昏ミッドナイト』って、黄昏(夕方)からミッドナイト(深夜)まで待っているという、時間の長さを表しているのではないかと思う。
10,メアリースイート
そらちゃんが今回のアルバムの中で1番難しかったと評していたのが『メアリースイート』だ。『オートファジー』で有名なボカロPの柊キライ氏が作詞作曲をしており、スウィングジャズっぽさと高速の疾走感の融合がイマドキの曲といった印象がある。確かにこれ歌うの難しそう。そらちゃんのポテンシャル∞。
歌詞については私にはなんだか難しいが、曲調はとても印象的でダークな感じがカッコいい。この超高速にハイトーンで付いていけるそらちゃんも凄い。この曲は曲調や上記のエピソードもあってか、特に作り手と歌い手の熱量がぶつかりあっていて、渦巻く熱波が歌となって聞き手にも伝わってくるようだ。
11,そらのとき
本アルバムのなかで実は最初に先行リリースされたのが『そらのとき』である。作詞作曲はあの広瀬香美さんで、編曲はお馴染みとなった瀬名渡さんという凄いタッグ!ひぇ~!
広瀬さんと言えば日本を代表するシンガーソングライターの1人であるが、今回の歌詞もその手腕が存分に振るわれており、ずばり「分かっている」歌詞なのだ。そらともならおぉ!となる単語が散りばめられていて、心情を映す歌詞も真に迫るものがある。ただ言葉を書いているだけでなく、しっかりと「分かっている」のだ。初めて聴く曲のはずなのに、色々な意味で懐かしさを感じる。この凄さ、伝わるかなー?
そして何と言っても楽しい!皆で盛り上がれる曲として制作されており、曲調はポップで軽やか。この感じは広瀬さんだなー、となる部分もある。そこにそらちゃんの高音が繋がれば楽しさはさらに倍増し、声の伸びと感情を込めた歌い方がより一層歌詞を引き立てている。ハンドクラップをする箇所もあり、ライブで盛り上がること間違いなし!!早く11月にならないかしら。ちなみに初めて聴いたときにラスサビのところで少しウルッときたのは内緒だ。
広瀬さん歌唱ver.はこちら ↓
12,ポラリスソラリス
『ポラリスソラリス』はアルバムのエンドロールにふさわしい曲だ。ダイナミックな曲調が臨場感を生み出し、歌詞と歌からはそらちゃんの想いがストレートに伝わってくる。煌めく星空の中でも一際輝く星(ポラリス)を頼りに、しっかりと未来へ踏み出し歩いていくような歌だ。
ポラリスは北極星であり、北極星はいつの時代も旅する者の標となってきた不動の星だ。これは気恥ずかしいが我々そらともを指していると考えられるが、曲を聴いていてふと思った事がある。どれだけ高みに昇っても、どんな時でも変わらず一緒に歩いてくれるそらちゃんだからこそ、私も変わらずにいられる。それはきっと多くの人にとってもそうだろう。ポラリスが輝き続ける星であるならば、すなわちそらともにとってもそらちゃんがポラリスになるのではないだろうか。少なくとも私にとってのそらちゃんは輝き続ける星だ。皆もそうだろう?そらとももそらちゃんもポラリスなのだ、たぶん。また、夢と捉えても面白いかもしれない。
ではソラリスとは何か?旧ソ連の映画に出て来た『惑星ソラリス』ではないと思う(それはそれで面白いかも)。恐らくはそらちゃん自身なのではないかと考えていたが、答えはあん肝座らしい。ヴァ。
「Sign」という単語はサインや標識の他に、星座の意味も持っている。また、足跡という意味もある。アルバムの名を最も表すこの曲こそ、未来を導くSignとなるだろう。
↑このMVも凄いんだ…。特にあの場面。
感謝と誓いのシンフォニー
そらちゃんのこれまでの活動やそれに対する感謝、そして更なる未来へ向かっていこうという誓いを詰め込んだアルバム、それが『Sign』だと感じた。まさに終わりと始まりを飾るに相応しい。曲もアイドル全開な曲からボカロ風、ノスタルジーな曲などバラエティーに富んでいる。様々なアーティストたちとそらちゃんが創り出した魅力溢れる1曲1曲が星であり、アルバムという星座を形成している(曲数の12という数も黄道十二星座を彷彿とさせる)。そらちゃんの歌唱力もレベルアップしていて、曲によって様々な一面を見ることが出来るだろう。ときのそらを知らない人にも是非聴いてほしい。この素敵なアルバムから、きっとお気に入りの1曲が見つかるだろう。構成が似ている『Dreaming!』の後継的なアルバムであるとも言えるかもしれない。
11月には現地ライブ『宇宙と時空のミルキーウェイ』の開催も予定されている。恐らく本アルバムからの曲も披露されるだろうし、現地ライブというと私は2020年1月の1st fes.豊洲NSS以来の参加なので、今からワクワクしている。しかし、豊洲NSSがもう2年半前なのか…。
星座は点と点を繋げて出来るもの。これまでの歩み1つ1つが点となり、やがて星座になっていく。歩みはこれからも続いていき、きっといつかは夢を追い越していくだろう。夜空を埋め尽くす程の大星座を楽しみに、これからも輝きと共に応援していこう。
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