見える世界と感じる世界~ふたつの世界を統合する
見える身体だけが、実体ではない
わたしは「ボイスエンライトメント」という独自の発声法を探究し、レッスンをしています。
ボイスエンライトメントと一般のボイトレの何が違うかというと。
身体のとらえ方が違います。
多くの人は普段身体を、骨があって、筋肉があって、皮膚があって、内臓があって、血管やリンパ管があって、、、
さらに細かく見ていくと、細胞があって、DNA二重螺旋構造があって、、、
と解剖学的に見ています。
でも、私たちが知っている身体の姿は、それだけではないんです。
古来からの東洋の身体観を見ていくと、
身体はエネルギーでできていると。
そこには、
経絡やツボ、正中線や丹田という概念があり、
ヨガでは、チャクラやプラーナ管というものがあるとされます。
それは、解剖学的には見つかりません。
が、見えないから「ない」ということにはなりません。
では、経絡やチャクラなどは、どうやったら見つかるのでしょう?
こたえは、
「感じる」ことからです。
「感じる」を追求していけば、誰でも身体を「エネルギー」としてとらえることができ、経絡、丹田、チャクラなども自分で感じられるようになっていきます。
ところが、この「感じる」が私たちは大の苦手です。
それはなぜなんでしょう?
認知には二通りある
私たちがそこに何かを見たとき、それはそのものではなく、
そのものに反射した光の像を脳内で映像として見ています。
つまり、実在しているそのものを見ているのではなく、
脳内で変換されたものを「実在」と思っているに過ぎないということです。
実際に見たり触ったりしているこの身体もそうですし、
解剖して中をあけて見ているものも、または顕微鏡で見たものもすべてが大脳で変換されたマトリックスに過ぎない。
普段私たちが、唯一の「現実」と思っている世界。
身体だけでなく、広大な銀河宇宙も、
近代科学の観測対象物(素粒子など)も、この延長にある実在。
この大脳で変換されたマトリックスの世界のことを、
師匠の一人、フォノグラムのおにょさんは、
「前頭葉ゲシュタルト世界」、大脳認知を「前頭葉ゲシュタルト認知」と呼んでいます。
そして、この大脳で変換されたマトリックス以外の世界、大脳を経由しない認知の仕方もあり、それを後頭葉ゲシュタルト認知、あるいは内観認知と呼んでいます。
簡単にいうと、「感じる世界」です。
この世は、前頭葉ゲシュタルト認知だけでできている
先ほど、なんで私たちは、「感じる」ことがそんなに苦手なのか?と疑問を投げかけましたが、
その答えは、
私たちが物心ついたときから、世界は「前頭葉ゲシュタルト世界」しかない、と思っているからです。
現行科学も、医療治療の世界も、一般的な学術研究さえも、「前頭葉ゲシュタルト世界」あるいは、「前頭葉ゲシュタルト認知」のみを扱っていて、
それ以外のものは、「オカルト」「非科学的」「宗教」などで片づけられてしまいます。
(一見後頭葉認知の世界っぽいスピリチュアルな分野も、前頭葉ゲシュタルト世界の住人のままハマってる人はたくさんいます。)
そんな世界にどっぷりつかっていると、「この世界は、見えるもののみ」と、私たちの脳は簡単に自分を騙すことができるようになるんです。
しかも、視覚などから入力された情報は、大脳で過去のデータにより処理して変換されるため、個々に歪められます。
つまり、ありのままの実体ではなく、個々の過去のデータで処理された「歪められた認知」で、私たちは自分自身や他人、現象、社会などを捉えてるのです。
実は、「音」もそうなんです。
私たちが聞いている「音」も、耳聴覚で入力される「大脳経由」のものだけが「実在している音」として認識されます。
「大脳経由」で認識している身体、で鳴らした「大脳経由」の音(声)、
それが、すべてであると思っているのが、一般的なボイストレーニングや歌唱法の限界なのです。
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