コーヒー徒然日記 その2
出会い
知らない土地へ行き
グーグルマップを開けて「コーヒー焙煎所」と検索する
ざっとみて 一番はじめに目に留まったピンをクリックする
たいがいお店の情報が書いてあるので
読んで よさそうだと感じたら行ってみる
こうして ドキドキしながら訪れた
北堀江のコーヒーロースター「TCOFFEE ROSTERS」
ちょうどこの日はお天気が良く お店のドアが開放たれていて
お店の方が花に水をやっていた
通りに面して全面ガラス張り
店内に足を踏み入れると
目の前のカウンターに
黒とゴールドのどこか機関車を想像させるような
おしゃれなロースターがみえる
6人ほど座れる席があり
こじんまりしているが明るくて開放的な店内だ
ウィスキーやワインのボトルが数本おいてある
無造作に積み重ねられた本とミモザの花
カフェに本 最高だ
よく見ると
『イタリアン「ポンテベッキオ」が求める究極の味』
『HAWAI'S CUISINE』
『35歳以下による若手建築家による建築の展覧会2023』
なかなかチョイスも興味深い
そして
『たぶん彼女は豆を挽く』 の文庫本が何より気になった
いやいや
先にコーヒーを選ばなくては・・・
見つけた
メニューは
Ethiopia、China、TCOFFEE blend、Decaf
4種類ね
こちらのメニューには「酸味」や「苦味」の表記はなく
「white flower・lemon tea」
「orange・chocolate」
「nutty」
こう書かれてもわからんもう一度
メニューをみて
China??
チャイナ??
中国??
気になって尋ねた
『なかなか無いですよね。中国のコーヒーなんです。独特香りがしますよ』
もしかして、私の好きなあのかおりに似ているか、それよりももっと強いかもしれない
さっそく “China”を注文した
一緒に行っていた娘はカフェラテを頼んだ
丁寧にドリップしている姿が見えるように、カウンターの近くの席についた
ここで ”china”についての知識を少し・・
美しいプーアル茶の畑が広がる中国雲南省 まさに桃源郷のような
奥山の秘境に「天空農園」がある。 プーアル市と、日本と現地の大学
と企業とで協働し、 南嶺という山の標高2,000m付近の地域を中心に
高品質でかつ環境負荷の小さい農業の実践を目指すプロジェクトに
よるもの。
プーアル茶の製法からもヒントを得て、70種類以上もの実験ののちに
完成させた「二次発酵」(ダブ ルファーメンテーション)の
ナチュラルプロセスで精製されている
お湯を注ぐと モコモコとまるで生きているかの様にドリッパーの中で粉が脹らみ始める
「TCOFFEE」の店主さんも その様子を「可愛い」と感じているかのように、とても幸せそうな笑顔になった
ドリップの方法にも それぞれのこだわりがあるんだろうなあ
またそこも探究していきたいなあ・・・
「お待たせしました」
分厚めの青色の陶器のカップに入って出てきたコーヒー
鼻をカップに近づける
なに?この香り?
こんな匂いのするコーヒーがこの世にあるの?
何かに似ている・・・懐かしい食べ物・・・
あっ
・・・ぶたまん・・・
コーヒーのオシャレ感を覆す用で申し訳ないが
子どもの時 よく食べていた 湊川の”春陽軒”の豚まんの匂いだ
「言われてみたら 豚まんの匂いと言えなくもない」
と娘も言う
なぜ?コーヒーと豚まん?
こんな会話を 店主さんが聞いていて
「発酵した豆なので お味噌みたいなかおり という人もいますよ」
なるほど そういうことか
神戸新開地名物 ”春陽軒の豚まん” といえば
特製味噌が餡に練りこまれている
そんじょそこらの豚まんとはわけが違う
確かに 「味噌」 という共通点があったのだ
私なりの味の表現してみると
口に含むと まず柔らかな酸味
そしてすぐそのあとに コクというのだろうか
厚みのある味がする
私の嫌いなツンとする酸味はなくとてもいい感じだ
見つけてしまった
お気に入りの豆を!!
雲南省 天空農園のコーヒーの香りを
「豚まんのよう」
と表すのは私ぐらいであろう
でも そう感じたのだから
そしてさらに この香りがとても気に入ったのだから
隠しておくわけにもいかない
みなさんも
「豚まんのような芳醇な香り」のコーヒーをぜひ一度お試しあれ