『言葉の裏~金澤由果の場合~』
真実を伝えるべきか迷った
でも、2人の行動にはズレがあった、だからこそ伝えなくちゃいけないと思ったんだ
「…今…なんて…?」
彼女の目の色が変わった
「初めて聞いた」だけではない顔だ
【意味が変わらない、信じられない】
そんな言葉が当てはまる、表情
次第に何かを理解してきたのか…
目に涙をいっぱい貯め、言った言葉
「そうですか…ありがとうございます。そして、すみません…ご迷惑をかけて」
精一杯の笑顔だ
その顔を見て悟ってしまった
「何を言ってもこの2人は元に戻らない」と
もう既に遅く、形となってたものは粉々になっていたんだと
彼女の手は
強く握りしめていることが傍からでもわかった
爪が肉に食いこんで真っ赤になっている
「…彼に言われていたんだ。おまえを誘うなって…俺らと飲みにいく事もあったじゃん?だからだと思う。言われたんだ、
【俺たち、結婚するから。彼女を誘わないでほしい】
って、驚いたよ。付き合ってるのも…
ましてや結婚だって。
それに彼、逆じゃん?そうゆうの放任する人だと。
俺も皆も思っていたから…いつも笑ってるのに…なんかこう、言われた時は雰囲気違ってて…怖かった。」
という、冷たいこの事実
それを聞いた彼女の目の色が消えた。