海のイルカは空に恋をした。
いや、正確に言えば『夜空』に恋をしていた
この海のように深い群青色に広がる空
そこに散りばめられたいくつもの星は
まるで小魚や珊瑚みたい。
キラキラと光っていて、
ここと同じ命の輝きなんだと
イルカは思っていた。
あぁ、泳ぎたい。
深い青の中に僕も泳いでみたい。
冷たいのかな?
星さんたち、僕と仲良くしてくれるかな?
あの青い夜空はどこまで続くのだろう。
想いは尽きることなく
イルカの心を占めていく。
こら、早く行くわよ?
母イルカに呼ばれ、
名残惜しく思いながら
今日もイルカの片想いで終わるのでした。