立春(りっしゅん)
『立春』
春と呼ぶにはまだ早く、寒さに耐えながら
暖かい場所へと足早になる
ふと、視界に入ったのは紫と白の花達
スノードロップ
冷たい冬土の中、ひたすら耐え、まるで世界に春の知らせを告げるこの花は儚さと強さを持ち合わせている
それはまるで
出発を促すようなもの
その美しい花に私は立ち止まり、触ってみた
雪によって一段と綺麗に輝くスノードロップ
何故かその花を見つめていると
頭の中で言葉が聞こえたような気がした
「 」
驚いて、
その場を離れようとしたが好奇心が勝ち、私は振り返りスノードロップを見ると…
花達が笑っているような気がした
頭の中に
また言葉が落ちてくる
言葉が雪のように降りてくる
「ひとりじゃないよ 私達がいる」
優しい雪の春