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大暑 (たいしょ)

『大暑』



喉が乾く
心も乾く
潤っているのは汗による肌くらいだ


走っても走っても届かない
掴むなんてもちろん、かすりもしない


前に輝くひとつの影を捕まえようと空気を何度掴んだだろうか


満たされない
乾く乾く



力なく伸ばした手にポツリと水滴が落ちた


汗かと思えば
体の上から落ちてきたものだった


強くなっていく

夕立がこんなにありがたいと思ったことはない


『これだけ降れば、少しは潤うかな』

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