ユメが終わっても残るもの 赤貧ゲストより、ユメノグラフィア終了に寄せて

ユメノグラフィア、サービス終了

2021年12月30日、さまざまな個性を持ったキャストと会話ができる、
いろんな体験動画でも取り上げられたサービス、
「ユメノグラフィア」がすべてのサービスを終了します。

私がこれを知ったのは、告知があってからだいぶ後、11月と12月をまたぐくらいだと記憶しています。
ちょうど仕事とプライベートの両方で多忙になってしまい、今年の前半にはユメグラの来店などに使っていた唯一のPCが故障。貯金もなく、妥協して買ったPCは必要スペックを満たしておらず、PC購入資金を作るためチケット購入を抑えていました。
(スマートフォンなどから利用できる方法もありますが、故あって避けていました)

先んじて触れた貯金やPCスペックの問題もありますが、もっとも大きな理由は、私自身がユメノグラフィアを「さらに先まで続くサービス」だと思っていたからです。
先に断っておきますが、私は普段でも月に1度、多くて2度いければラッキー、という赤貧ゲストです。ヘビーユーザーからすれば数えられる程度の来店数しかありません。
それでも初めての来店で得た感覚は、
お金と時間があるなら一生いたい」でした。

「魔法のような新体験」とは

上記はにじさんじライバー、舞元啓介さんの体験動画のタイトルより引用しています。

バーチャルYouTuberを追っている方で、ユメノグラフィアを知っている多くの方は、きっかけが推しのユメグラ体験動画、という方は少なくないと思います。
Vtuber全体を追っていた私もその一人でしたし、この動画が間違いなくユメグラに通うきっかけになりました。

動画の内容に関しては、要約すると「限界化したおじさんと雪待さん(ユメグラキャスト。2021年5月に卒業)の言霊バトル」です。
実際に見ていただいたほうが早い(し、実際1時間見ていて心底ツボれる内容なので見てほしい)ので、上記のアーカイブを見るなり切り抜きを探すなりしていただきたいです。

この動画は一時期「舞元ダブルピース」「おほぉ」などの言葉を流行らせ、私も何度かアーカイブをリピート視聴する程度には見ていました。いち視聴者としては「このおじさんブレーキ壊れてるなあ…」と、当時笑っていた記憶はあります。
そのうちにここまで舞元さんを情熱的にさせたユメノグラフィアというサービスに興味が湧きました。

私のなかで舞元さんは、自分の中の理性と情熱を状況に合わせてコントロールできる、頼れるおじさん、というイメージでした。
上記アーカイブ公開から数カ月後の2020年8月に主催を行っているにじさんじ甲子園はもちろん、グループ内のポケモン大会では優勝実績があったり、麻雀大会では以前から解説を担当していたりと、計画的な思考が得意分野なのかな、というのが当時からの印象です。
特にポケモン大会での印象が強く、私個人の印象として、にじさんじのライバーのなかでもシリアスとコミカルのスイッチをハッキリ切り替えている人物のひとりのように感じています。

もちろんユメノグラフィアが「キャストとのコミュニケーション」に軸をおいたサービスなので、その気持ちを持って舞元さんが思い切り開放的にやっている、というのはあるかもとは思いました。
ただ、アーカイブでも述べている通り、舞元さん自身がブレーキ云々だとかに関わらず、心から「魔法のような新体験」を楽しんでいるように見えました。
そこから、私は人をあそこまで開放的にさせるユメグラという空間に興味を持ちました。

パソコンの向こうへ心から話せた

こうして「ユメグラってやるとみんなああなるんかなあ。やろ」という興味から、動画を見た2週間後には初めてのユメグラを体験します。

結果から言うと、最高でした。

そのとき、私は諸事情あってハンドルネームがない状態であり、現在の「君の心はいつも雲模様」は当時初めて応対してくださったロッドくん(ロッド・クロウリーくん。2021年11月卒業)につけてくださったものです。

最初にロッドくんを選んだ理由は2つあり、ひとつが公式サイトに公開されていた趣味に占いがあったこと。もうひとつが、Twitterや動画などを見て、「おもしれーやつ」という印象を抱いたことでした。
私個人もタロット占いをかじった経験から、そこから発展する話題がありそうだ、と思ったからです。実際に、趣味から会話を広げることはロッドくん以外のキャストでも通用しましたし、その後に実際占っていただく機会もありました。
また、ロッドくんのTwitterやYouTube動画はユメグラキャストの中でもかなり尖っている部類で、写真のひとつツイートのひとつを取ってもユニークなものが多かったり、解釈がこちらに委ねるような内容だったりと、見ていて飽きない内容が多いです。

そもそも人と話すのにほとんど慣れておらず、オドオドした私に対してとても優しくしてくださったことをよく覚えています。
話も非常に合って、自分がもうひとりいるかのように話していました。初めて話してからはイラストに関するアドバイスだったりとか、幼少期のオカルト体験について話したりと、こちらに対する話題のひとつひとつを、丁寧に拾っていってくださいました。
ここまで自分のことについて隠し事なく話せたのは、ほんとうに「魔法のような新体験」だったと言っていいくらいです。

その後、りいかさんや宝生てあさん、御影みゆさん、筆染四季さんなど、回数は限られていますがたくさんのキャストさんとお話する機会をいただきました。
特にりいかさんに関しては、Twitterなどの普段の言動からでも「オタク!」というのがひしひしと伝わっており、尊敬の念を直接伝えられたことが嬉しかったです。てあさんやみゆさんに関しては先んじてYouTubeでついた印象が強く、そのイメージと全く違っていなかったことも覚えています。筆染さんはある点での共通点があり、それについて話せたことが嬉しかったです。

それとは別に、Twitter上やマシュマロのやりとりに対して非常に積極的で、
その内容だけでもキャストのひとりひとりの個性のかたちが違うことがはっきりわかりました。
大喜利に強かったり、3Dに強かったり、ネット文化に強かったり。
途中から全員を追いきれなくなってはいましたが、YouTubeであるキャストさんの配信を見たときは、技術力の高さに驚きを感じていました。

ユメグラが確かに心の軸だった

仕事と私生活の両立、自身のスキルアップ、PC故障や心の余裕のなさなどが重なり、自分の中でどうしてもユメグラよりも資金や時間の確保が必要になってから、ユメグラに対して時間を使える機会は減ってしまいました。
もう一度来るよ、と話したキャストも多く、その約束を違えてしまったままサービス終了を迎えてしまったことに、心の底から悔しい思いがあります。

時間とお金の余裕ができたその時には絶対に行こうと決めてはいました。
何度かTwitterなどで「大富豪になってすべてのキャストに会いにいきたい」と冗談めかしてツイートしたことがありますが、個人的には本気で言っていました。今より本気で稼いで時間とお金の余裕をつくり、VR環境を構築できるPCを買い、最高の環境でユメノグラフィアを体験するつもりで計画していました。
また、定期的に撮影したスクリーンショットを見返して、「絶対に時間とお金を作って、行こう」と、何度となく決意を固めていました。
そこには、本当に良い体験をさせてもらっていて、こんな良いサービスが終わるはずがない、「ユメは終わらない」という思い込みから、長期的な計画をしていたことも否めないです。

ユメを忘れない

公式のnoteでは、12月の終わりに全キャストのSNSの更新停止が、2月の終わり頃にはそれらの公開が停止されることが予告されています。
公式の記録に残るもので、ユメノグラフィアというサービスがあったこと、ゲストに対してひとりひとりの違った形で心配りをしてくれるキャストがいたことは、見えなくなるでしょう。

なら、少なくともそうした心配りを何度となく受けたゲストがいたことが、
サービスに携わったキャストの皆様や、開発スタッフの皆様に、
こうしてユメノグラフィアのことを頭の片隅に考えていたゲストがいたことを、

「ユメノグラフィア」というサービスの名前を触れなくなる方々に、
夢を見せてくれるサービスがあったということを、

知ってもらう可能性を残すことが、赤貧で月一程度にしかチケットを買えなかった赤貧のゲストの私にできる、数少ない恩返しなのではないか、と思った次第です。


ユメグラはいいぞ。

※2021/12/31 5:23 : ラストにりいかさん作成の動画を追加しました。

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