川名凜パフォーマンス遷移(加入~2023年/5月)
素敵なサムネイルはこちらのブログから!
1. 概要
アンジュルムの川名凜ちゃんのパフォーマンスの継時的変化について、ライブ映像やボーカル REC 映像、ブログ等を引き合いに出しながら自分の考えを書きました。
加入時から 2023 年 5 月までの期間を初期、第一覚醒期、第二覚醒期の 3 つの期間に区分し、各期間における特徴に触れています。
※ 本記事では加入時 ~ ANGERME CONCERT TOUR「BIG LOVE」までの公演における川名凜ちゃんの歌割の一部ネタバレが含まれています。ご留意ください。
2. はじめに
JAPAN JAM と BIG LOVE 大阪公演に行ってきました。
これまでずっと書きたかった川名凜ちゃんのパフォーマンスの移り変わりについてまとめる良い機会だと思ったのでまとめることにしました。
2023 年 5 月までとなっているのは、 BIG LOVE を聴いたうえで 4 月に発表しようと思っていたのが、わたしの怠惰により大幅にずれ込んだためです。
JAPAN JAM に行くことができたことと、Top! のボーカルレコーディング映像が公開されたことにより情報量が増えたため、結果オーライだったかもしれません。
3. 年表概略/パフォーマンスリンク集
パフォーマンス年表概略です。
川名凜ちゃんのパフォーマンス動画まとめ(頭出し済み)もこの記事を作っている際に副産物として完成したので、置いておきます。
MV、ボーカルレコーディング、ダンスレッスン、MVメイキング、パフォーマンス映像(西暦別)にセクションが分かれているので、適宜参照してもらえると嬉しいです。
以前作った公式動画まとめも今回は必要ありませんが置いておきます。
興味のある方はご覧ください。
4. 期間別パフォーマンス特徴
便宜上、加入時から 2023 年 5 月までの期間を初期、第一覚醒期、第二覚醒期の 3 つの期間に区分します。
(わたしが勝手に設定した期間設定したので、オフィシャルなものではありません。また、各期間は連続なので明確な区分ではありません。期間をまたいだタイミングで劇的にパフォーマンスに変化が見られたということを必ずしも意味しないことにはご留意ください。)
各期間におけるアンジュルムの主要楽曲、ボーカルREC、主なコンサートなどの情報を確認した後、パフォーマンスの代表的特徴(主に歌唱面)について考えたことをつらつら書きます。
4-1. 初期
加入してからしばらく(2021 年 3 月くらいまで)は表情に硬さがみられます。単純に緊張であったり、慣れない新環境においてこなさなければいけないことが膨大にあったことが要因として考えられます。
ひなフェス 2021 が転機になったのか、その後は笑顔も見えつつ自身のパートも以前より自信を持って歌えるようになっている印象を受けました。
このあたりまでの心境については、tiny tiny#172 でテンショングラフを用いて具体的に語っているのでそちらもご覧ください。
2021 年 9 月から開始した続・花鳥風月では一気にダンス・表情面で一気に成長を遂げています。これは竹内朱莉さんもブログで言及している通りです。
花鳥風月、続・花鳥風月と竹ちゃんと回れたことはケロンヌが急成長する大きな要因の一つになったのではないかなと思います。
そして桃源郷。コロナ禍において空間的・時間的制約が厳しい中相当努力したことが複数のメンバーブログから確認できます。
桃源郷ではパフォーマンス中に豊かな表情を見せる現在のケロの姿の原型がほぼ出来上がっています。
また、『七転び八起き』の「回り道でも」に代表されるように複数のソロパートで鮮烈な印象を残しました。
ほとんどの人が予期していない歌割だったということはあるでしょうが、短いフレーズで見ている人の心を掴むという、第一覚醒期の予兆を見せた素晴らしい公演でした。
4-2. 第一覚醒期
川名凜ちゃんが明らかに一皮むけたように感じられるようになったのはいつでしょうか?
桃源郷の『七転び八起き』、ひなフェス 2022 の『The 摩天楼ショー』、そして『愛・魔性』。人には人の川名凜ちゃんということで、各々に覚醒したように感じられたタイミングがあるとは思いますが、これらを含む桃源郷の前後あたりを初期と第一覚醒期の分かれ目としました。
ケロンヌの第一覚醒期の特徴としてパフォーマンスの上限をあげる = 瞬間最大値の向上があると考えました。これは、特に歌唱面においてソロ、ワンポイント短フレーズで鮮烈な印象を残したことからこのように捉えました。
『七転び八起き』の「回り道でも」、『愛・魔性』の「目移りしない Heart」などの新規ソロパートに代表されるように、ケロのパートはロングトーンや極端な低音/高音ではなく、短めの中高音域のフレーズであることが多いです。
まだロングトーンの持続が苦手なことや音域の問題はあるでしょうが、彼女の歌声の特徴の一つであるアタックの良さ(べきべきボーカル REC でたいせいさんも指摘)が存分に活かされるパートが割り当てられています。
短所よりも長所に着目する製作陣の意向と、瞬間的に鮮烈な印象を残せるケロの歌声がかみ合った結果、パフォーマンスの底上げよりも上限をあげることにつながったのではないかと考えました。
さて、第一覚醒期の特徴としては触れていませんが、ダンス、表情面の成長は目覚ましいものがありました。
わたしが川名凜ちゃんに本格的にハマるようになったのも、ひなフェス 2021の『The 摩天楼ショー』でのキラキラした目と表情の多様さに魅せられたからです。
視覚的情報を与えるという点において、ダンスと表情には密接な関連があるため、相互に好影響を及ぼしあってこれら二つの要素のレベルが高まったのかなと感じています。(ダンス、表情に関してはまるっきり門外漢なのでチョットワカル人がいたら教えていただけると助かります。)
4-3. 第二覚醒期
第二覚醒期と銘打っていますが、ソロパートやダンス、表情で鮮烈な印象を残した第一覚醒期と比べると一見大きな変化がないように思うかもしれません。
それにもかかわらず新たなフェーズが開始したと判断した理由は、第一覚醒期がパフォーマンス上限をあげる = 瞬間最大値の向上であったのに対して、第二覚醒期はパフォーマンス下限の引き上げ = 安定性の向上がカギとなっているのではないかと考えたためです。
というわけで、第二覚醒期は安定性の向上に着目するわけですが、端的に分かりやすく説明するのは難しいので、別の観点からではあるもののより理解しやすい、『Top! 』とファルセットの話をします。
・『Top!』 の特殊なレコーディングスタイル
「BIG LOVE」発売記念トーク生配信で明かされていたエピソードです。
下の動画で頭出ししてあります。
本人の変化というよりは、製作陣のケロに対する認識の変化というべきかもしれませんが、個人的にも印象的なエピソードだったので言及しておきます。
自分が歌ってディレクターさんから修正点をもらってそれを受けて修正して歌う、という通常のレコーディング形式とは異なり、自分が歌ってから自分でその録音を聴き自分で修正、自分が納得したら次のパートに進むという変則レコーディングが行われたとのことです。
このエピソードから、ケロンヌに対する①音の理解に対する信頼②表現面での信頼が製作陣にあったため、りかみこという実力のある二人にケロを加えた三人ユニットが組まれたのではないかと考えました。
① 音の理解に対する信頼
1 テイク目から完璧にできるわけではないので、通常修正をする必要があるわけですが、自分自身でそれをこなすには頭の中で思い描いた音と録音で聞こえる音の違い(理想と現実の差分)を正しく認識できている必要があります。
ケロンヌはピアノ、バイオリン、トロンボーンなど楽器に親しんできており音楽的な素養があります(ソロフェス!2 でもトランペットを家にあったからというだけで採用し、楽譜通りの音が出ないので自己流の運指表を作成したというエピソードもあります)。
よって、正しい音程がなんであるかというのはしっかり理解していると考えられます。自分の出したかった音が出なかったときに悔しがる様子がケロンヌのボーカル REC では多く見られることも裏付けとなっています。
また、堂島孝平さんが S Cawaii! 最強アンジュルムにて、普通の人はフラット気味に聴こえるが川名凜さんの声はシャープ気味に聴こえることが多く、そこに惹かれる、と述べていました。
これに対して、自分も数か月前からそう感じていて直さないといけないと思っていた、ということがブログで言及されています。
(ピアノのラの音は 440 Hz が基準になることが多かったが、日本の吹奏楽では 442 Hz 採用も多く、その影響があったのではという考察も以前見かけたことがあります)。
このあたりにも音に対する理解の高さがうかがえます。
② 表現面での信頼
前述の「BIG LOVE」発売記念トーク生配信にて、変則REC では自分の好みが濃く出ている、本人の意思が歌に出ていると述べていました。
極めて音数が少ない楽曲である『Top!』の雰囲気を正しく構築し、かつ自分の色を出すことができるメンバーとしてケロンヌが選ばれたという事実は、製作陣がケロの表現面を評価してくれているからではないかと思いました。
先日公開された『Top!』の REC (上記動画頭出し済み)では実際にたいせいさんがケロの意向を優先してくださっていることがわかります。
頼もしすぎる……
また、この REC ではこれまでの SHAKA#2、べきべきの REC では見られなかった静かな自信に満ち溢れたケロの姿を見ることが出来ます。受け答えなどからもそれが現れています。
楽曲の音域がケロの音域にマッチしているのもあるでしょうが、これまで積み上げてきた時間と努力が自信に反映されているのだと感じました。
・ファルセットパートについて
この note を書くきっかけになったある動画と関連があります。
それは川名凜バースデーイベント 2022 の動画です。
頭出ししてあるのでまず一度聴いてみてください。
聴きましたか???
ぼくは『泡沫サタデーナイト!』の「思い切って後回して~」のファルセットへの滑らかな移行ときれいな高音にかなり衝撃を受けました。
ファルセットが得意なイメージが正直まったくなかったのも、驚きが大きかった要因の一つです。
例えば、2021 秋の「続・花鳥風月」において、『Now Now Ningen』で「大丈夫 頑張ろうね」というパートが割り当てられています。
しかし、少なくともこの公演においては上手いと言える域ではないように感じました。
ぼくがもし製作陣でバーイベ 2022 を見ていたとしたら、新曲のファルセットパートは絶対ケロに任せるな~と思っているうちにアンジュルム 4 年ぶりの新アルバム『BIG LOVE』が発売されました。
ユニット曲にファルセット来い!と思っていましたが、残念ながら来ませんでした。
しかし、全体曲である『Sister Sister』はサビでファルセットが多用されていました(既存アンジュルム曲にはほとんどないと思います)。
ケロにも「泣いたこともあったね」というファルセットパートが割り当てられています。
うまいですよね????????
ただ顔はやや緊張気味というかほぼ表情の変化がないことから、川名凜ちゃんにとってこのパートは通常のパートと比べて神経を使う箇所であることが推測されます。
実際、この曲の他のカットではコロコロ表情が変わっていてめちゃくちゃ可愛いです。また、直前にれらが同じ音形で「誰かの胸の中」という歌詞を歌っていますが、れらはかなり余裕のある表情で歌えていることとも対照的と言えます。
歌い慣れてくれば表情もほぐれてくると思うので、今後の公演で 『Sister Sister』を歌うことがあれば、ぜひ皆さんには歌と共に表情にも注目してほしいパートです。また、これからケロに回ってくる歌割でもどんどんこのようなパートが来てほしいなと思っています。
歌の安定性向上と音が明るくなったことについては、パフォーマンス動画まとめのパフォーマンス(2023)に掲載の動画を昔のパフォーマンスと比較してもらえると一目(一聴?)瞭然です。
地味ではあるが確実な成長をしっかり捉えていきたいですね。
5. 今後のケロのパフォーマンスについて
この子がどこまで伸びていくのか本当に楽しみなんですよね。
ずっと底が知れないというか、見るたびに新しい成長ポイントを見つけさせてくれるのでついつい目で追ってしまいます。
今何ができないのかを明確に捉え、それに対してまずやってみて、得られた結果と自分の理想の差分をフィードバックとして得て、それを改善につなげていくみたいなことを自然にやれる子なんだろうな、ということをブログやインタビューでのエピソードからなんとなく感じ取っています。
これと負けず嫌いな性格が組み合わさることで、ぼくたちの想定をはるかに超える早さで進化し続けているというのが、一人のケロオタとしての勝手な見解です。
本記事では主に歌唱面での成長について取り上げましたが、それでもなお歌の伸びしろはまだまだあります。
ビブラートやロングトーン、母音や子音の取り扱い、そもそもの発声に至るまで、今のケロには不得手だったり出来ないことが少なからずあると思います。
でもこれらも必ず自分のものにするだろうと確信しています。
また、アンジュルムのハロプロ!Tokyo散歩にてケロが「ダンス部に入りたい」と言っていたことをかみこから暴露されており、竹もそう言われたと発言しています。
これを知った時ほんとうに嬉しい気持ちになったのを覚えています。
懸命に努力しダンスに対して真摯に取り組む姿勢が認められ、より高いレベルで研鑽できる場/ダンスを披露する場が増えることを祈っています。
さて、第二覚醒期は現在 2023 年 5 月現在でも継続していると考えていますが、何かがきっかけで第三覚醒期に突入するかもしれません。
ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE「アンジュルムより愛をこめて」がきっかけになるのか、新加入する後輩がきっかけになるのか、はたまたまったく別の要素なのか。
今はまだ分かりませんが、何がきっかけであれ川名凜ちゃんが今後もとてつもない進化を見せ続けてくれるというのは間違いありません。
一ファンとして見逃すことが無いようずっと応援していこうと思っています。
長文になりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事によってケロンヌの成長に注目してくれる人が一人でも増えればとても嬉しいです。
それでは!
くみん🐸