大人なのに…悲しい現実
病院で働いていた14年間に感じたこと。
大人の方が命を大切にしていない!
なぜ、そう思うのかと言うと…助産師なので基本的にはお産など「命」の始まりへのお手伝いがほとんどなんだけど、助産師ってそれだけじゃない。あまり知られていない業務の一つかもね。いわゆる、中絶の処置にも携わるんですよ。
妊娠したけれど何らかの理由でどうしても産めないという場合、人工妊娠中絶になります。本人、パートナーの同意が必要になるんだけど、未成年の場合は親の同意もね。
その中絶する年齢が意外と高いんですよ。
私のイメージもあるんだけど、中絶って若気のいたりみたいな感じじゃない??もちろん、そんなケースもあるけど実際の臨床では大人が多かった…
40代の女性の割合が圧倒的に多い!
既婚者でお子さんもそこそこ大きくて手が離れるくらい。そんな大人の女性が中絶という選択をしているんです。
大人だし、そもそも親だし「命の大切さ」は知っているはず。それに避妊の知識もあるはず。なのに?????
彼女たちは、子どもが大きいのに今さら妊娠なんて恥ずかしいと言います。また夫以外の男性と遊びでつい…そんな声もチラホラ。
なんだかテレビの世界みたい…そう思ったこともあるけれど現実です。
彼女たちは安易に中絶を選んでいるとは思えないし、たくさん悩んで決めたことだと思う。でも、小さいとはいえ妊娠がわかった時点で「新しい命」は生きてるんだよね。
そのことを知ってるのかな?きちんと受け止めてるのかな?と疑問に思う。
ずっと罪悪感に苛まされることはないと思うし、きちんと向き合って決めたのなら前に進んでほしい。けれど、何回も繰り返す人もいて…そんな人には本当に悲しくなっちゃう。
40代になると子育ても一段落していたり、金銭的にも余裕があったりして「処置」するのはある意味、簡単なのかもしれない…
(若い子が妊娠したけど下ろすお金がなく、迷っているうちにお産になったケースもあるし)
彼女たちの選択は苦渋の決断だったと思いたい。
そして声を大にして言いたい!妊娠するって奇跡の連続なんだよ~そんな小さな命をもっと大切にしようよ。あなたの子どもに命の大切さを教えてあげられるのは親なんだから。
子どもへの性教育だけじゃなくて、大人への性教育も必要な時代なのかなぁ…むしろ大人から始めるべきだと思う。避妊方法だけの性教育じゃなくて、もっともっと「根っこ」の部分ね、「いのち」のこと。
そんなことを伝えられるようになりたい。