「ふり」オ・ウン
僕の名前は「ふり」
ある日 僕は自分に自分を紹介した
僕が僕を知ってるふりをして
僕が知らない僕を
実は知っているけれど知らないふりをしていた僕を
僕の名前は「ふり」だから
しばらく「ふり」でないふりをしてたんだよ
いや ちょっと「ふり」のふりをしていたんだ
小さなカメラの前ではかわいいふり
大きなカメラの前では純粋なふり
もっと大きなカメラの前では真剣なふり
カメラも社会もうまくいっているふりをしていた
僕はたしかに学校に行ってたのに
月曜になるときまって転校生になった気がした
アンニョン、僕の名前は「ふり」です
挨拶するたび
自分の名前は元気[アンニョン]を装っている気がした
友達にはいい子のふり
先生にはもっといい子のふり
家族にはわるい子のふり
いい子のふりをする力がなくなって
夜ごと鏡の前で涙をながした
肩がタオルみたいに濡れていた
濡れたタオルみたいに床のほうを向いていた
「ふり」は「まね」になり「演技」になるのさ
最後には僕になってやる
タオルが濡れた身体で言った
肩をそびやかそうとしても無駄だった
すでに床にくっついていた
僕は大丈夫なふりをして外に這い出た
今日も僕に知らないふりで通り過ぎた
もう明日のためにいい子の
ふりをすることを考えながらベッドにはいるんだ
反省するふりをして
変化するふりをして
毎日始まる終わり
毎日終わる始まり
僕の名前は「ふり」です
僕は毎日繰り返す
翻訳:吉川凪