長い浜
長い浜
むかし、ある村に、はての見えない長い長い浜がありました。その浜はどこまでも続き、浜のはてを村人の誰も見たことがありませんでした。
何人もが浜のはてを探しに挑戦したことがありましたが、誰も見つけることできず帰ってきました。
あるとき、一人の少年が、よし自分が浜のはてを探しにいこうと思いたち、数日の食料と水を持って旅に出ました。
少年は長い浜を歩き続けました。しかし、いっこうに浜のはては見えません。そして、少しずつ少しずつ食料を食べました。
そして、数日たったある日、少年は浜で大きな宝石に似た石をたくさん見つけました。エメラルド、ルビー、サファイアなどに似たいろいろなきれいな石が浜に散らばっているのです。
少年は、村人に持って帰ろうと、宝石に似た石をポケットいっぱいに詰め込み、再び歩き続けました。
その夜、少年が寝ていたら、たくさんの流れ星が見えました。
流れ星はどんどんどんどん多くなり、しだいにこちらに向かってきます。
そして、浜に小さな流れ星のかけらがどんどん落ちていくのです。
浜に落ちた流れ星は、大きな光をはなち、しだいに光がいろいろな色に変わりました。流れ星のかけらは昼間に拾った石とそっくりでした。
この浜は流れ星の落ちる浜で、宝石に似た石は、流れ星のかけらだったのです。
少年はポケットの石をたしかめようと思ったら、キラキラした砂になっていました。
この浜は流れ星によってどんどん長くなる浜だったのです。少年は、これ以上、浜のはてを探すことをあきらめました。
そして、たくさんの流れ星に願いを込めて、再び、村へと帰ったのでした。
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