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八奈見杏奈の元ネタなんて


 最近NFで覗き見していいなと思ったアニメが、『負けヒロインが多すぎる!』だ。この作品の原作は、雨森たきび氏が書いたライトノベルらしい。
 そこには八奈見杏奈という、やたら毛量があり青い髪を持つ女子高生が第1ヒロインとして登場する。“八奈見”と聞いて考えてしまうのだけれど——あまりメジャーな苗字じゃないからな——何か出典元があるのではないかと。
 
 最初、こう考えていた。もしかしたらこれは、響きが似ている“八神”ではないだろうかと。“八神”といえば思い出されるのが、私が大好きな作品でもある高橋留美子氏の『めぞん一刻』に登場する“八神いぶき”である。主人公の大学生・五代裕作の所属は教育学部であり、ヒロイン・音無響子の母校である女子校で教育実習を行うことになる。その時、五代の担当の先生の受け持っていたクラスの委員長が、八神いぶきである。彼女は、五代に熱をあげ、あの手この手で五代を落とそうとする。本作きってのトラブルメーカーである。結局、八神は五代を落とすことはできず、彼女はこの恋を引きずっていくのかいかないのかどうやら……というふうに作中では描かれていた。
 失恋したという状況は、八奈見・八神の両者同じと言えるので、個人的な期待も合わせて、八神→八奈見説を立てた。
 Wikipediaによれば原作者の雨森氏は、40代前半からライトノベルを書いて各賞に応募しているとされている。現年齢は40代半ば〜アラフィフではないかと推測されるので、1980年代後半に『めぞん一刻』を見て、あるいは読んでいたかもしれない。したがって、八神→八奈見説もなきにしもあらずな気はする。


 しかし、アニメ界で八奈見といえば、挙げなければいけない人物がいる。それは2021年に惜しまれつつ天国へ旅立った声優の八奈見乗児氏である。八奈見氏が演じた代表的なキャラクターといえば、『ヤッターマン』のボヤッキーである。同作で八奈見氏は、「ポチッとな」という名台詞をアドリブとして生み出した。実は、もう1つ八奈見氏がアドリブで生み出したものがあり、それが「全国の女子高校生のみなしゃ〜ん」である。
 八奈見杏奈は、本作では語り部的な役割をしているのではないかと、私は思う。故に、彼女と同世代という意味で、アニメの中から全国の女子高生に向けて何かメッセージを伝えているのではないかと考えた。そのような共通点が、2人の八奈見にはある、そう考えれば八奈見乗児氏に由来していると考えるのも妥当だと思う。

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