「やあ、アリアルさんだよ」を分析してみる(妄想編)
令和になってからこれまで、現在の合成音声界隈は近年稀に見る盛り上がりを見せているといっても過言ではない。今回は、その中から。
やあ、アリアルさんだよ。
という台詞を分析していこうと思う。たった一文である。しかし、これがまあ合成音声界隈の人間に「ウケた」のである。割とガチで。
なぜウケたのか?今回は、それを「出鱈目」でっち上げながら「個人の勝手な妄想」で分析していく。
これまでの合成音声、基本的な活動拠点は「ニコニコ動画」であったと私は考えている。
YouTubeなどの他プラットフォームでは、一部の鬼才以外は話題にすらならなかったというのが現実である。まあ、それはいつの時代も同じだが
そして、そう言った合成音声はPCに取り込んで出力するものであり、まあ「有料」であった。無論、今もそれは変わっていない。それが普通なのだから、変わらなくて当然であった。ここに反発する人は少ない筈だ。
しかし、この頃はその「有料」の壁をぶっ壊して「無料」で使える物も出てきた。しかも、これは中々に高性能であり、その気になれば誰でも動画が作れてしまう。これはえらいことである。
それまでの無料で使える物というのは、少なくとも「主役級の活躍」は出来なかった(※1)だろう。ゆっくり劇場?知らない子ですね……
さて、本題に戻ろう。先に話した「無料で使えるもの」の中から、CoeFont(コエフォント)(※2)なる存在が現れた。そして、この「CoeFont」から生み出されたのが、今回の最重要人物「アリアル」である。
何だ、ただのデキる女か。
いや違う違う。それではnoteが終わってしまう。ただまあ、今の私のように。普通の人であれば彼女の容姿と声を一見一聴した限りでは「近未来的でイカすクールな見た目、中性的ながら女性らしさをしっかりと残した芯のある声、ステキ!!」となってしまうかもしれない。
しかし、そうはならなかった。
漫画やアニメやゲーム、それに限らずドラマや映画でも「デキる人間」は「何かしら欠点を持っている」に違いないのだ。そして、この「アリアル」も例外ではなかった。
彼女はまあ、仕方がないといえば仕方がないのだが。出てきてから割とすぐに「デキる女風ポンコツ女子」とされてしまった。実は私もそうだと考えていた
出かけた先で財布を忘れるも当たり前、携帯の充電をしていなくて連絡がつかないのも当たり前!風呂に入ってすぐに何も着用せずに居間に戻ってくるのも
やはりポンコツだった。
そして極め付けがこれである。
「やあ、アリアルさんだよ」
もうデキる女なんてイメージは吹っ飛んじまったわけで、これ以降は完全にネタキャラとして定着してしまった。(※3)
さながらポケットモンスターのロケット団、ムサシとコジローとニャースの如く、出てきたら「あ、コイツこれから何かやらかすわ」と想像できるキャラ付けがされた。そして、コレの尻拭いをするのは彼女の妹「ミリアル」と、親愛なる隣人「アベルーニ」である。
彼女の口調も引っかかる。彼女が使用されている動画では彼女の口調は基本的に「天才少年」の様で、尚且つ「百物語の最後の方の語り手」の様な、とにかく回りくどい話し方をしてくるのである。「ふむ、これは〇〇だね」「私はこれを〇〇だと思うんだよ、どうだろう□□」
いや、ラブコメで一回は出てくる流行りのリケジョかよ〜!!
と叫びたくなった。
まあ、何はともあれ。こうして形成された彼女のキャラクター性も中々魅力があるものである。とどのつまり。何故「やあ、アリアルさんだよ」がウケたのか。
ギャップ萌え。
これである。ただ、これだけでは少し物足りない。というか、ここまで話しておいてたった六文字で片付けてしまうと言うのはわざわざここまで読んでいただいた方々に失礼であるし、私としても納得がいかない。なので、ここからはもう少し違うアプローチで「出鱈目」でっち上げたいと思う。
が、しかし。
流石に長くなるので、続きはまた次の機会に。
次は「妄想やギャップ」等とは切り離し「言葉」に重点を置いていこう。
※1 琴葉姉妹などの様な所謂「ソフトウェアトーク」という存在を好む人であれば、棒読みちゃん(ゆっくり)と言った等を「単体で」主役にすることは考えにくいからである。結月ゆかりとゆっくりの絡みは7days to die やskate3などの実況でもあったが、特に後者の方は作者が立ち絵も書けて歌えて動画も作れるというハイスペックであった。勿論個人差もある。というか、ゆっくり自体が無料とも言い切れないと私は考えている。
※2 「 https://www.yellston.com/ 」を見ていただきたい。非常に安価で「自分の声」を作ることもでき、最低価格でも中々の仕上がりをしている。
※3 ネタキャラが定着された彼女であるが、結果的に「やあ、アリアルさんだよ」は「ニコニコ大百科」にも項目が作られることになった。これは大事なことだが、彼女のこの発言は公式では「言っていない」し、大百科での彼女の口調も公式ではない。流石合成音声、自由度が高い。