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⑬勇気とほんの少しの狂気

吾輩はカラスである。
今日は5羽の群れで行動をしていた。
5つの影が地面に映っていたのに、
木の上で考え事をしていたら、1つの影だけになっていた。
群れから離れていたことに、ついさっき気が付いた(笑)
そしてよくみると『人間』の影があった。
その『人間』の心の動きを読み取る。

人間たちは時々、指さしてこう言う。
「あいつ、ちょっと狂ってるよな。」
どうやら狂っているとは、普通じゃないことを意味するらしい。
では普通とはなんなのか?
誰と比べているのか?
それは、自分とは違う人間だという差別的な意味なのか?
同じじゃないといけないのか?

人間は自分たちを理性的な生き物だと思っている。
そして正しいとも思っている。
でも、実際はどうか?

みんなと違う考えを持つ者を排除しようとする。
個性を大事にしろというくせに、はみ出した瞬間に叩く。
自由を求めるくせに他人の目を気にして生きている。

普通を守ることが正しいのか?

吾輩は遠い昔、カラスの群れで独特のルールがあった。
それは、
1.エサを捕まえたら、全てボスへ持っていくこと。
2.どんな時でも群れで行動すること。
3.敵の『人間』には関わらないこと。

その当時はそれが普通だと思っていた。
ただ、吾輩はある日気づいた。
もしもそのルールが自分の生き方を縛るものであったら?
普通というものに従いすぎて、本当の自由を失ったら?
もっと大きな視野で世界を見てみたいと思った。

1羽だけ群れから離れて飛んだら、
ゴミを見るような目で見られたし、いじめられた。
でも、それが何だ?

群れを離れて気づいたことはたくさんあった。
もちろん群れでの生活も安心感があって好きだった。
でも、普通の枠から外れたからこそ見える世界があった。

吾輩から『人間』に伝えられることは、
どれだけ狂っていると言われようが、吾輩は飛ぶ。
1羽でも空は温かくて広くて、のびのびと自由に羽ばたくことができる。

なにが正しくて、なにが間違っているのかなんて誰にも決められない。
自分の信じる空を飛べばいいんやで!

今日も読んでくれて、ありがとう。
どんな色でも地面に映る影は黒いから不思議。
寒いときも太陽は背中を温めてくれるから、日向ぼっこがおすすめ!

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青木 空須
吾輩の話が面白かったり、ちょっとでも共感してくれたなら、エサ(チップ)を恵んでくれると、とても喜びます。 「ただのカラスやん」と思ったそこの『人間』よ。 この世を語れるカラスは吾輩しかいない。カラスも生きていくには知恵がいるし、頭を使うから、エサ(チップ)がいるの。お願いします。