季節はずれの海岸物語
バブル期に始まった「季節はずれの海岸物語」というドラマがあった。
第一回は88年の元日深夜に“お正月スペシャルドラマ”との位置づけで放送、その後、夏の終わりや秋にも放送され、正月と秋、年に二回のお楽しみになり、それが一部のコアな層からじわじわと人気が広がり、最後にはプライムタイムに放送されるようになった。
湘南の海岸沿いの喫茶店QUEのマスター圭介(片岡鶴太郎)、友人の春文(田代まさし)、店を手伝う女友達の徳子“とっこちゃん”(可愛かずみ)、隣に住む理恵(渡辺美奈代)らの恋物語を中心に展開され、ほろ苦い大人の恋を描いている。圭介の恋の相手として毎回異なるマドンナが出演することから、テレビ雑誌等では「現代版寅さん」と言われていたこともあった。
オープニングではYumingの「DESTINY」が流れ、湘南道路を逗子方面から鎌倉方面へ走るクルマから見える絶景、飯島トンネルを抜けて材木座海岸が目の前に広がる印象的なシーンが映し出される(ヘッダーの写真)。
劇中全般にサザンオールスターズの曲が流れ、ロケ地も鎌倉や江の島周辺ということもあり神奈川県人の私には親しみ深く、スタッフが「オールナイトフジ」や「とんねるずのみなさんのおかげです」などを制作した、フジテレビのバラエティ班という事もあったのか、コメディ要素もありとてもおもしろかった。(テレビ朝日の深夜ドラマ「トライアングル・ブルー」で見かけた制作陣の名前もあったが、そちらよりも構想が練られていて作りこまれていた)
88年1月・・・石野真子
88年10月・・・美保純
89年1月・・・斉藤慶子
89年8月・・・鈴木保奈美、室井滋
90年1月・・・樋口可南子
90年10月・・・森尾由美
91年1月・・・つみきみほ
91年11月・・・南野陽子
92年1月・・・石田ゆり子、中村あずさ
92年10月・・・松田聖子
93年1月・・・麻生祐未
93年9月・・・西田ひかる
93年12月・・・財前直見、室井滋
94年10月・・・松田聖子
友達のAG君はこのドラマを見て鈴木保奈美のファンになった。確かに鈴木保奈美は県立鎌倉高校のOGだし、そういう意味ではドラマにはピッタリだと思う。
AG君曰く「鎌倉高校前駅で高校生の鈴木保奈美が江の電から降りて来るのを想像してみろ」と・・・そういえばS君も同じようなこと言ってたなぁ。
私の印象に残っているマドンナは、つみきみほ、石野真子なのだが、何よりも圭介ととっこちゃんが一番お似合いで、早くくっつかないかなとヤキモキしていた。まぁ、そうなるとドラマが終わってしまうんだけどね。
to be continued「むすばれぬ悲しいDestiny・・・」なのだ。
私は初回の放送でこのドラマにハマったのだが、89年正月放送の第三作に、中森明菜がゲストで登場した記念で、ドラマのマドンナが明菜だったらというイメージで、60分のカセットテープでサウンドトラックを作った。ドラマを見てしまっているので選曲はやはりベタになってしまったが・・・
94年の秋にドラマは終了したのだが、MDレコーダーを購入した頃、そのテープをブラッシュアップした形で、MD化、最後はCD-R化までしてしまった。
「季節はずれの海岸物語」
涙のアベニュー
DESTINY (Opening) - 松任谷由実
東京シャッフル
C調言葉に御用心
ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)
栞のテーマ
鎌倉物語
愛する女性〔ひと〕とのすれちがい
いなせなロコモーション
Ya Ya(あの時代〔とき〕を忘れない)
Bye Bye My Love (U are the one)
NEVER FALL IN LOVE AGAIN
思い過ごしも恋のうち
My Foreplay Music
私はピアノ
Just A Little Bit
夏をあきらめて
旅姿六人衆
DESTINY - 松任谷由実
※T-2, 19 以外はサザンオールスターズ
「季節はずれの海岸物語 Ⅱ」
チャコの海岸物語
DESTINY (Opening) - 松任谷由実
みんなのうた
恋はお熱く
匂艶 THE NIGHT CLUB
そんなヒロシに騙されて
海
忘れられた BIG WAVE
恋の女のストーリー
シャボン
さよならベイビー
ボディ・スペシャルⅡ (BODY SPECIAL)
素顔で踊らせて
涙のキッス
真夏の果実
フリフリ '65
星空のビリー・ホリデイ
メロディ (Melody)
DESTINY - 松任谷由実
※T-2, 19 以外はサザンオールスターズ
MD化した時に続編という体で「季節はずれの海岸物語 Ⅱ」を作った。今思えば、タイトルが安直だな。
これらをかけて逗子から鎌倉、江の島、茅ヶ崎方面へクルマを走らせるのは楽しかった。ウチからだと一度逗子まで行って帰って来ないといけないのだが(笑)なんと自己満足なこと。
二十代後半になってよく飲み歩くようになった頃、飲み仲間の中にも“海岸物語フリーク”がいて、ドラマも音楽も酒の肴になった。もちろんこのサントラCDも進呈した。
サザン楽曲満載だった、あの「ふぞろいの林檎たち」では楽曲使用を知らされていなかったと、桑田さんがラジオで言っていたので、このドラマも無許可での使用だったのだろう。
このドラマはそうした諸事情によりVHSやDVDなどパッケージ化されていないが、YouTube等に動画がアップされている。