瞳は口ほどに・・・
Bette Davis “べティ・デイヴィス”
1908年4月5日 米・マサチューセッツ州生まれ
「フィルムのファーストレディ」と呼ばれた伝説の女優
"Bette Davis"
この名前を聞いて何を思い浮かべるだろうか?音楽好きな人ならピンと来るかな?
キム・カーンズ(Kim Carnes)の「ベティ・デイビスの瞳(Bette Davis Eyes)」
原曲はジャッキー・デシャノン(Jackie DeShannon)とドナ・ワイス(Donna Weiss)の共作で、ジャッキーの1975年のアルバム「ニューアレンジメント(New Arrangement)」に収録されていた。ジャッキーが古い映画の中で見たベティ・デイヴィスの強い印象を詩にしたそうだ。
ドナ・ワイスがプロデューサー ジョージ・トービン(George Tobin)を通じてキム・カーンズにこの曲を聞かせたが、最初はピンと来なかったという。プロデューサーがヴァル・ギャレイ(Val Garay)に替わった時、ドナ・ワイスがキム・カーンズに強引に売り込みをかけ、半ば強制的に歌わせたそうだ。
キム・カーンズは元々はカントリー系のシンガーであったが、キーボードプレイヤーのビル・クオモ(Bill Cuomo)の協力を得て、原曲のオールドジャズ調からエレクトリックなアレンジに変更した。
結果はご存じのとおり、世界中で大ヒット。1981年ビルボード年間チャート1位に輝き、翌年グラミー賞最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞を獲得、キム・カーンズはカントリーのスターからポップス界の大スターとなった。
べティ・デイヴィスにまつわる話はそれだけではない、"Bette"という綴りを見て気がつかないだろうか?
読みは違うがベット・ミドラー(Bette Midler)。彼女の母親がベティ・デイヴィスの大ファンだったことから名付けられた。
名前を女優からとったが母親は娘をシンガーにしたかったという、しかし娘は女優志望だった。
ブロードウェイでミュージカルなどに出演していたさなか、名前から幸運をもらったのかベット・ミドラーは映画「ローズ(The Rose)」の主演が決定、主題歌も歌うこととなった。ご存じのとおり映画も曲も大ヒット、ベット・ミドラーは女優・シンガーと見事に二つの夢をかなえた。
ベティ・デイヴィスは、80'sミュージックシーンにふたつの恩恵を与え、1989年の10月6日、天に召された。享年81歳、1987年の「八月の鯨」が最後の映画出演だった。