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味なことやる・・・

前回は「とんでもない飛行機野郎 ゲイリー・ニューマン、大冒険の巻~インド・スパイ容疑編」(そんなタイトルじゃない)をお届けしましたが・・・

そのゲイリー・ニューマン(Gary Numan)は、自伝「(R)evolution: The Autobiography」の中で、あのフレディ・マーキュリーにビッグマックを奢ってもらった思い出と、クイーンのメンバー全員が分別のある素敵な人たちだったこと、そして「ちょっとした騒ぎになった」と振り返っている。

1981年2月、ゲイリーは東京に滞在した際、クイーンの公演を見るために自費でチケットを購入。自分が日本で有名になっているとは知らず、一般の観客席に座っていたが、PARCOのCMに出ていたのと、やはりあの風貌は存在感抜群で、周りに人だかりができたことで騒ぎになり、会場のスタッフからバックステージに案内されたそうだ。

僕は、自分が日本でそんなに有名になっていたことを知らなかった。
イギリスでここ一年くらい有名になっていただけで、まさか日本で騒ぎになるとは思ってもいなかった。
結局、会場のスタッフが僕をバックステージに連れて行き、バンドに紹介してくれた。
クイーンのメンバーに事の顛末を説明すると、彼らは本当によくしてくれた。

UK無料雑誌「ウィークエンド」より

公演後、クイーンのメンバーはゲイリー・ニューマンを高級寿司店に招待したが、大好きなクイーンのメンバーと食事をする緊張と、高級寿司が『洗練されすぎていて』、あまり食べていなかった。「洗練されすぎていて」というのは・・・まぁ、簡単に言うと寿司が苦手だったのだ。
後から来たフレディ・マーキュリーが、その様子を見て心配してくれたそうで、何を食べたいのか尋ねたフレディに、ゲイリーは『マクドナルドが食べたい』と言ったそうだ。

しばらくすると、フレディ・マーキュリーがやって来て、“食べてないだろう、どうしたんだ?”と言ったんだ。
僕は“僕のことは気にしないで、ここにいることにただ驚いているだけなんだ。僕はクイーンの大ファンだからとてもうれしいんだ。”と答え、彼は僕に何を食べたいかと尋ねた。僕は“マクドナルド...でも心配しないで、後で食べるから”と答えました。

UK無料雑誌「ウィークエンド」より

すると、15分後にリムジンが来て、運転手がマクドナルドの袋を持って店の中に入ってきたという。なんとフレディが頼んでくれたのだ。少し離れたところで、フレディは店主と静かに言葉を交わし、いくらか渡していた。それはとてもスマートで、地に足が着いた感じだったという。
「ゲイリー・ニューマン、高級寿司店でビッグマックを食らう!」
憧れのクイーンと東京の高級寿司店でマクドナルドを食べている現実に感激と衝撃を受けたゲイリーのお言葉。

他のバンドはリムジンに駆け寄ってもいつも無視していた。でもクイーンは違っていた。彼らは全員を楽屋に招待し、誰とでもしゃべり、何にでもサインしていた。あれは、支えてくれる人たちへのもてなし方を教えてくれるお手本だった。僕は可能な限り、それを見習うことにしている。

UK無料雑誌「ウィークエンド」より

話に出てくる“他のバンド”というのは、どうやらニューウエィヴ・バンド「ジャパン」を指しているようで、ジャパンのメンバーを追いかけて来日していたところ、相手にされず、一人で東京の街で途方に暮れていたそう。その時にクイーンの来日公演があるのを知って日本武道館へ向かったのだという。

異国でのピンチで出会った救世主、クイーンの振る舞いが、ゲイリーにとってお手本になったようだが、やはりゲイリーはちょっと変わっているよね。


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