突然のブーム
Tommy James & The Shondells、バブルガム・ポップ、サンシャイン・ポップなどと呼ばれたムーブメントの代表格でもある。
1966年、デビュー曲「Hanky Panky」がビルボード1位に、つづく1967年から68年にかけて「I Think We're Alone Now」、「Mony Mony」が大ヒットする。
さて、後から出てきた二曲のタイトルに聞き覚えはないであろうか？そう、80'sフリークならお馴染み、「I Think We're Alone Now」は、Tiffanyのデビュー曲、「Mony Mony」は、Billy Idolの代表曲である。
なんと、このカバー二曲が、原曲のヒットから20年後、1987年の11月にコラボする現象があったのだ。
1987/11/14
１. (－) I Think We're Alone Now(Tiffany)
②. (３) Mony Mony "Live"(Billy Idol)
③. (６) (I've Had)The Time Of My Life(Bill Medley & Jennifer Wanes)
４. (－) Little Lies(Fleetwood Mac)
⑤. (↑) Heaven Is A Place On Earth(Belinda Carlisle)
⑥. (７) Breakout(Swing Out Sister)
⑦. (８) Brilliant Disguise(Bruce Springsteen)
８. (２) Causing A Commotion(Madonna)
９. (10) It's A Sin(Pet Shop Boys)
⑩. (↑) Should've Known Better(Richard Marx)
1987年11月14日のビルボードチャートでTommy James & The Shondellsのカバーがワンツーを記録。
Tiffanyは2週連続の1位。Tiffanyは最初、この曲の歌唱を嫌がったようだが、アレンジをダンス・チューンに変更し、彼女と彼女の友人たちに聞かせたところ、友人たちが踊り出し、Tiffany自身も気に入ったというエピソードがある。
さて、翌週のチャートは・・・
1987/11/21
①. (２) Mony Mony "Live"(Billy Idol)
②. (３) (I've Had)The Time Of My Life(Bill Medley & Jennifer Wanes)
③. (５) Heaven Is A Place On Earth(Belinda Carlisle)
４. (１) I Think We're Alone Now(Tiffany)
５. (７) Brilliant Disguise(Bruce Springsteen)
６. (－) Breakout(Swing Out Sister)
⑦. (10) Should've Known Better(Richard Marx)
８. (４) Little Lies(Fleetwood Mac)
⑨. (↑) I've Been In Love Before(Cutting Crew)
⑩. (↑) Faith(George Michael)
11月21日、Tiffanyに替わって、Billy Idolが1位を獲得。
この「Mony Mony」、最初のバージョンは、1981年にミニアルバム（EP）「Don't Stop」に収録され、シングルもリリースされた。その時は目立ったチャート・アクションはなかったが、1985年のRemixコンピ盤「Vital Idol」のプロモーションを兼ねて作られたこのライブ・バージョンが1987年にリリースされ、大ヒットした。
たまたま偶然のタイミングで起きた“Tommy James & The Shondellsブーム（作者の“Ritche Cordellブーム”と呼ぶべきか？）、American TOP40のDJ、Casey Kasemは原曲もかけ『二週連続で同じバンドの違うカバー曲が1位になったんだぜ！』みたいなことを言っていた。
ちなみにTommy James & The Shondellsの曲では「Crimson & Clover」も、ジョーン・ジェット姉御(Joan Jett & The Blackhearts)によってカバーされている。
その「Crimson & Clover」の原曲も1位を獲得したが、Tommy James & The Shondellsは、1970年を最後にチャートから遠ざかる、80年代にTommy Jamesが、ソロで奇跡の復活、「Three Times In Love」、「You Got Me」、「You're So Easy To Love」のヒットを放ったものの、その後は新譜リリースなどの目立った動きはなく、アメリカ国内のライブを中心に地道に活動しているようである。