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別冊 MUSIC LIFE 80's

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about 80's Music... ファントマ、ミュートマ、SONY MUSIC TV、ベストヒットUSAで形成された“昭和40年男”のお気に入りから厳選した記事などをひとま…
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2024年6月の記事一覧

サイエーンス!

長い間、カセットデッキについていたドルビー・ノイズリダクション・システムやドルビーサラウンドのドルビーとこの人を同一人物だと思っていた友達がいた。 トーマス・ドルビー(THOMAS DOLBY) ロンドン出身とプロフィールに書いてあるが、エジプトのカイロで生まれたイギリス人、父はロンドン大とオックスフォード大の教授。 ホンダ・シティのCMソングに起用されていた「彼女はサイエンス(SHE BLINDED ME WITH SCIENCE)」や「HYPERACTIVE!」は聞いた

7インチ盤専門店雑記574「Sexy Girl」

グレン・フライの「セクシー・ガール」ですが、80年代の彼は非イーグルス的な音にご執心でした。もちろんイーグルス的な音は好きなのですが、この時期のソロはもっと好きだったりします。ジャック・テンプチンとソングライティング・コンビを組んでいた時期で、グレン・フライよりも彼の色が濃いかもしれません。ちょいとレトロなテイストがいい味付けになっております。 さて、ヘッダー写真の「セクシー・ガール」の7インチ・シングル、ご覧の通り見本盤です。状態も悪くありません。…キレイにとっておいたん

昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その11

a-ha「テイク・オン・ミー」80年代に入りマイケル・ジャクソン「スリラー」など《ミュージックビデオ》の良し悪しがレコードのセールスに影響するようになり、日本では米ヒットチャートのMVを紹介する「ベストヒットUSA」が1981年に放送開始し、米ケーブルテレビ「MTV」も日本でも放送されるようになり国内では洋楽大ブームとなりました。さて、アニメと実写を合成した映像が斬新なMVが話題となり世界的に大ヒットした、a-ha「テイク・オン・ミー」実はヒットしたのはリアレンジ版で、先代版

【名盤伝説】“Something About You / Angela Bofill” ソウルフルなのにキュートなボイスが魅力の歌姫

MASTER PIECE キューバとプエルトリコがルーツの両親のもとにニューヨークで生まれたアンジェラ・ボフィル。1978年にアルバム『Angie』でデビュー。ジャズテイストでありながらソウルフル、しかもコケティッシュな歌声で注目されました。そんな彼女の1981年にリリースされた3枚目のアルバムです。 Narada Michel Waldenプロデュースだけに、全編ダンサブルでメロディアスな曲調で、R&Bファンだけでなく、多くのアダルト・コンテンポラリー・フリークから支持さ

Michael Jackson「Thriller」(1982)

香港出張からの帰路、マイケル・ジャクソンの映画「Thriller 40」を機内で観ました。あとで分かったのですが、これは昨年12月に公開された映画だったようですね。この映画の存在は全く知りませんでしたし、知っていたとしても興味なかったでしょうね(笑)。マイケルのアルバムは、もはや私の興味の対象外…。でも約4時間強のフライトは退屈だし、音楽映画だし、観てみるかって感じ拝見致しました。 でも実際に観て、マイケルが強い信念の下、このアルバムを制作したことが分かり、このアルバムに対

一人ではないひとり

フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)が、解散したというニュースを見つけた。 リーダーのミック・フリートウッドが、以前のインタビューで「今後演奏する予定があったとしても、フリートウッド・マックとしてではない。バンドはもう終わりだと思う。」と語るなど、事実上解散状態だったが、最近のインタビューでスティーヴィー・ニックスがバンドの終わりを宣言したようだ。 2018年にリンジー・バッキンガムが解雇された後、バンドはクラウデッド・ハウスのニール・フィンや、トム・ペティ

“Snakeman Show”

[RADIO DAYZ] 番外編 ラジオの枠を超えた伝説の"スネークマンショー" 1976年から78年にかけてラジオ大阪、東海ラジオ、ラジオ関東で音楽番組「スネークマンショー」は放送されていました。放送作家の桑原茂一、ラジオDJの小林克也、声優の伊武雅刀らによる謎の集団「スネークマン」が進行するもので、当初は曲間にコメントをはさむだけのアメリカンなDJスタイルでしたが、コメントがだんだん悪ノリして、単なる曲紹介にとどまらず、シニカルなギャグが炸裂するようになり大人気になった

7インチ盤専門店雑記567「ロイヤル・ガーデン・ブルース」

理由も分からず、「何か好きなんだよな、コレ」という盤が結構あります。ブランフォード・マルサリスの「ロイヤル・ガーデン・ブルース」もそんな一枚です。80年代のブランフォード・マルサリスはスティング絡みで語られることが多いわけですが、もちろんそこで知って「何者?」となったわけです。でもフツーは調べがついたとしても、そこまでで、ではソロを買ってみようかとなるのはよほどのことと思います。インターネットが無い時代、ちょい聴きもできないわけで、文字情報から判断したと思いますが、この盤にた

映像もアレンジの一部か

ボズ・スキャッグス(BOZ SCAGGS)とボビー・コールドウェル(BOBBY CALDWELL)の「HEART OF MINE」。同じ楽曲でもそれぞれ頭に浮かぶ光景、映像が違うのは私だけだろうか? 勝手なイメージだが、ボズのバージョンは夜の遊園地のメリーゴーランド、ボビーのバージョンは都会の夜景と観覧車という具合なのだが、アレンジ、楽器の構成もあるが、記憶に刻まれた映像の力もあるかも。 80年代がMTV時代と言われただけに、ビデオクリップやCMの映像が刷り込まれているのか

昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その10

カジャグーグー「君はTOOSHY」電子楽器の登場によりポピュラーミュージックのサウンドが変化した以上に、80年代は従来の型に捕らわれない様々なジャンルやバンドのスタイルが進化しました。シンセポップの源流の一つである「ニューロマンティック」これはサウンドというよりは《ビジュアル》を重視したアイドル的な要素を全面に出したアーティストを指し、80年代MTVブーム黄金期を支える要因の一つとなりました。中でも見た目だけでなく演奏テクニックも兼ね備わったカジャグーグー「君はTOOSHY」

父の日によせて

「Don't Stop Believin'」ジャーニー "Journey"(1981年) 「Don't Stop Believin'」は、ジャーニーのキーボード・プレイヤー、ジョナサン・ケインがまだ売れないミュージシャンだった頃、父親に言われた言葉。夢を追いつづける息子へ贈った応援のメッセージだ。 「どんな若者にも夢があり、育った場所が運命の場所でないかもしれない」 それをモチーフにスティーヴ・ペリーとニール・ショーンと三人で仕上げた。スティーヴの私生活での経験とつながっ

昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その9

ティアーズ・フォー・フィアーズ「シャウト」80年代に入りデジタル技術を取り入れ進化し続けた電子楽器でありますが、従来、人の手で演奏されてたものを電子楽器で代替した「シンセポップ(当時の日本ではエレポップといわれてました)」というジャンルとして沢山のヒット曲が誕生しました。中でもティアーズ・フォー・フィアーズの「シャウト」は、その最先端電子楽器を使用したばかりか、今では当たり前に行われている音楽制作スタイルを用いた先駆けの楽曲となったのです。 ミュージックワークステーションの

あれから40年・・・

アルバム「シンクロニシティー "Synchronicity"」の発売40周年を記念して、7月26日にCD6枚組のスペシャル・エディションが発売されるポリス(The Police)、オリジナル発売時のトレーラーがYouTubeで公開されている。 そのポリスのフロントマンは、みなさんご存じのスティング。 本名はゴードン・マシュー・トーマス・サムナー。熱帯雨林の保護活動家、国際的な人権保護運動家という側面を持つ。 1951年10月2日イギリス・ニューキャッスルの牛乳屋の家に生まれ

ドモアリガット…

「ドモアリガット」 80'sフリークなら一発でわかるこのフレーズ。 おなじみスティクス "Styx"の83年の作品「ミスター・ロボット "Mr. Roboto"」だ。 このスティクス、元々は72年デビューのプログレバンド、“アメリカン・プログレ・ハード”と評される。 プログレのバンドといえば超絶テクニックを前面に出し、凝りに凝りまくったサウンドだが、「ミスター・ロボット」を聴けばわかるように、スティクスはかなり野暮カッコよく(どういう表現だ)聞きやすくて、プログレというには