ふるまん
あげまんではない、ふるまん
ふるちんの女性版だ
その言葉を聞いたのは、地元のストリップ劇場
いわゆるマナイタの後、満足げなおじさんが舞台から降りてきた時に言った言葉
にいちゃん、ふるまんだぞ、ふるまん、ゲヒヒ
下品な笑い顔の後ろで、舞台の上からお姉さんが言った
Hey、ぼく、カモーン
…いやだ、絶対にいやだ
色んなイヤダが頭をかけ巡るが、特にあんなくそじじいの後が一番いやだ
腹に力を入れ、NOと言おうとした刹那
僕の後ろにいた猛者がピンク色の舞台に上がっていった
そもそも、俺はなんでこんな所にいるんだ
飲み会の帰りに上司に強制的に連れて来られたが、断ることもできた
興味があったことは認めなければならない
が、想像しているものとは違った
上司は言った
"ここは道場なんだ"
道場!何の?
"お前も舞台に上がる勇気があるか?"
ある訳ないだろ、このばかくそじじい
"俺は次に行くぜ"
毎日職場で顔を合わせる俺の前で、このじじい正気か?
しかもイクがかかってる
果たして上司は舞台の上でまったく元気にならず、お姉さんに苦笑いされていた
上司はお姉さんに頭を下げていた
しょうがねえな、じゃあ次俺が行くか、ゲヒヒ、とふるまんおじさんが言った
確かに道場だ
やはりイクがかかってるが、上司と違いおじさんはイッていた
了