わたしの小さな旅〜長野へ。
仕事が片付いたら長野へ行こう。
そう決めたのは私でした。
きっかけは長野の小川村にあるこの素敵な場所に行きたかったからで、
予想を遥かに超える素敵な思い出をたくさん作ることができました。
また、次の日に、せっかくだから松本へ立ち寄ってから帰ろう、というおまけのような旅も、
実に忘れ難い時間となりました。
松本というところは
歩いても、飲んで食べても、泊まっても、
あらゆるところで民藝と出会える街なのです。
蔵の街、とも言われているようでした。
以前もこのnote上で、大好きな民藝について書いたことがありましたが、
柳宗悦の民藝運動に感銘を受けた丸山太郎さんという方が、故郷である松本での民藝運動の中心的存在を担い、
無名の職人がこしらえた生活の雑器の美しさを信じて諸国の工芸品の収集を重ねられたそう。
彼の収蔵品の数々を集めた松本民芸館と、実際に購入できる店を創立されたことが、今の民芸のまち松本の原点となっているということ、
歩くほどに腑に落ちてきました。
丸山氏の店、ちきりや工芸店。
色とりどりの手吹きのグラスが美しい店頭。
86歳になられる丸山さんの娘さんは、とびきり可愛い方です。
質素だけれど一つ一つに人の温かみがあり、長い伝統の中で磨き上げられてきた職人の技が光るものたち。
使えば使うほどにその親しみは増していくばかりです。
また、街じゅうの椅子がここのものではないか、と思うほどにたくさん座らせてもらった、
日本人に寄り添う形の松本民芸家具。
バーナード.リーチのデッサンを元に、何年も苦心して形にされた椅子は、どんな崩れた座り方をしても身体がすっぽりと安定しました。
いつの日か…うちに迎えられたら。
民藝の他にも、若い作家のクラフト作品を扱う店や、引き継いだ実家の扱う品々を守りながら、そこに新しい風を吹かせ、伝統との融合を試みていらっしゃる後継者の方にも出会えました。
松本の町に守られてきた伝統が、このように若い力を得てさらに進化を遂げるのも楽しみです。
急に、そして変に観光地化され過ぎず、安いお土産店等に侵食されませんように。
そう願いながら、上高地へ車を走らせました。
上高地へは自然保護の観点から、自家用車で入ることができない決まり。
7kmほどのところに停め、バスかタクシーで行くことになります。
上高地で山歩きをしてみたかった気もありましたが、相方の同意を得られず😅
美しいと聞いていた河童橋に向かいました。
河童橋そのものは週末で人も多く、自粛明けの京都の伏見稲荷神社にも似た状況ではありましたが、
少し目線を外し歩き出すと、世界は一変します。
目の前に広がる、手つかずの自然。
水の透明感に、せせらぎの音も相まって、
息を呑むほど、という言葉も平板に感じるくらいの勢いで、美しさが胸に迫ってきました。
人に癒され、
物に和み、
そしてそのあと
自然に心を鷲掴みにされる旅となりました。
思い出たちにたくさんの力を頂いて、
長野より確実に3〜5°Cは高い、蒸し蒸しが過ぎる関東へ戻った私たち。
旅に肩の力を抜いてもらえた分、
また日々頑張れそうだと思っています。