サイドワインダーC4 ミリタリー【レビュー】
購入前の注意点
LEDの世代差と過放電疑惑
まず初めに、このライトは世代によってLEDの性能が大きく異なる
初期モデルのLEDは非常に暗く、実用性に難があるので避けたほうがいい
海外フォーラムによると、初期モデルの一部に過放電問題を抱えている個体があるらしく、どうしても怖いならAmazonで1万出して買うのが安牌
しかし、放出品はほぼ新品が半額以下で手に入るので一長一短だ
価格と放出品の状態
現在軍放出品として出回っているのは、3000円から4000円前後のものが多いのだが、新品で倉庫に放置されていただけのもあれば、実際に使われて傷んでいるものもある
この手の軍放出品の商品は1枚の写真を使い回していることが多いうえに、画像と違うバージョンを混ぜて売っている人も多い
なので、状態とバージョンについてあらかじめ言質を取っておく必要がある
世代とモデルの見分け方
正面の画像を見て、よく出品されているものと間違い探しゲーム
反射によって見え方が多少変わってしまうが、正面から見てLEDが四角に見えると、C4LED搭載の明るいモデルである可能性が高まる
そして、発光体を囲んでいる反射板にも注目
このC4モデルは鏡が採用されていて縁取りがギラギラしているが、旧型モデルは樹脂製レンズがはめ込まれていて、やや暗く映りがち
ただここで見分けるのは写真の撮り方次第な部分もあるので、LEDが四角く見えるかに注目するのが確実
発光していないと見分けにくいが、3つのサブライトの中央がカメラ越しに薄紫に発光していたらIRライト搭載のミリタリーモデルで、緑に発光していたらタクティカルモデルとなる
ここが一番分かりやすい
ヒンジが本体と同色だったら旧モデルで、黒い丸になっていたら新モデルだ
そして、電源ボタンの刻印からライト構成を察することができる
ニコイチ修理されていてパーツが混ざっている可能性もあるかもしれないが、分解は難しそうでまず無いと思うのでここを判断基準にしたい
レスキューモデルはディフューザーレンズが搭載されていたり、廉価版のブートは間違えないと思うので、あえて触れない
機能レビュー
メインライト性能とパワーソース
ボタンを消灯時に押すと全てのライトは必ず弱から始まり、長押しすると段階的に強くなる
そして、無点灯状態でダブルクリックをすると比較的ゆっくり点滅する
昨今の目眩ましに使えたり、山奥を昼にできるような爆光タクティカルライトと比べると光量は低く、明るさでは100均の充電式COBライトにも劣る可能性すらある
しかし、それこそが実用・市街地サバイバルライトとしての性能を高めていた
単3電池2本という日本でも入手しやすい電池が使えて、なおかつ微光スタートで電池を節約しやすいので、高いスタミナを得られている
微光でも室内で探しものをするには十分な光量があるにも関わらず、100時間以上動作するという
最大にすると5.5時間まで点灯時間が落ちてしまうのだが、緊急時は微光かその次くらいまでにしておけば、2日以上は点けっぱなしでも余裕がある
光量に対して指向性はやや強くて遠くまで照らしやすく、周囲を見える程度にまで照らす拡散光も十分にある
そういった特性のおかげで、夜中に探しものををしようとタクティカルライトを点灯したら真昼のような明るさになって眩しいみたいなことにもならず、静かに優しく照らしてくれる
普段はエネループのような充電池を使いたいところだが、防水ライトのような密閉される環境ではガスが発生し、爆発する恐れがあるので大人しく単3アルカリ電池を使おう
通販で買えば安いし、充電池よりスタミナはある
カラーLED
スイッチを引き出しながら回すことで使用するライトを変えられる
一見摩耗によってスイッチが駄目になりそうな仕組みだが、内部は非接触センサーという凝った構造になっているので、接点が摩耗するということはない
ミリタリーモデルは赤青IRの構成となっている
IRは専用のスコープを持っていないとぶっちゃけ無意味
スマホのカメラ越しに見て楽しもう
赤色ライトは「諸説あり」の要素も多いのだが、暗所に慣れた目を維持しやすく、入眠を妨害しにくい明かりであるとのこと
確かにメインライトの微光より、赤色ライトの最大光の方が目に刺さる感じは少なく、しっかり照らせる割には入眠前に使いやすい
また、メインライトの倍以上の点灯時間があるので、本当に電池に困ってるときは赤色を積極的に使いたい
明るい場所でも見やすい色として赤が使われているので、日中の誘導としても使える
青色ライトは暗所で出血部位を探ったり、一部の汚れや液漏れや傷を見つけやすい
拡散しやすく、手元を均等に照らす場合に有効
暗い場所でも見やすい認識灯として使われる色でもある
あらかじめそれぞれの色に意味を付与しておき「こっちに来い・こっちに来るな」みたいな合図として使うのもいい
操作性・機能性
最大の特徴は、首振り機能でスティックライトとしても、L字ライトとしても使えるところだ
タバコの箱を細長くしたくらいの大きさで、よくある丸型ライトと比べると幅広に感じるが、転がらないので置いて作業できる
L字状態では正面を照らすこともできるし、棒状にして腰より下で持って楽に照らしてもいいし、逆手で持って足元を照らすのも手首が楽な万能選手
クリップ付きの丸型ライトをキャップに付けてヘッドライトとして使うなんていう使用例があるが、今時ラッパーでもキャップをしているのは少数派かもしれない
一方、サイドワインダーは腰のベルトやリュックの紐に装着し、首を曲げて角度調節できるし
棒状のままキャップに装着してもいいという自由度が魅力
曲げた状態で立てて置くと、やや斜め下に向くのでデスクライトにもなる
別売専用アタッチメントでヘルメットにも対応し、蓄光素材ワンドを取り付ければ拡散光化して誘導棒にもなる
紐を通す穴もあるので、脱落防止ストラップを付けてみたり、テントで吊るして室内灯にしてもいいかもしれない
クリップは少し硬いので、ジャージみたいな生地に挟むのは苦労するかも
幅もあるのでモールシステムに直接取り付けられないのは残念
鉄製クリップなので、放出品を買う場合高確率で赤錆が浮いているはず
その場合は硬い布で表面のサビを擦り落とした後「ワコーズ CHA-C チェーンクリーナー」で念入りに浸してから磨いてやるとサビが落ち、残りも黒錆化して目立たなくなる
シールチェーン対応品など、樹脂に優しいクリーナーを使わないと本体を痛める可能性が高いので注意
特によく流通しているクレ55-6はNGで、ゴムや樹脂を侵食する可能性が高いし、残っているとホコリを吸着してゲル化することもある
55-6は全鉄製品の洗浄剤くらいに思っておこう
鍵穴等の内部にアクセスしにくい繊細な部位に使うべきではないのも、ついでに覚えておきたい
電池ボックス
本体側面の「+」マークを見ることで、どちら側でプラスを奥に入れるかが分かる
電池の「+」と、本体側面の「+」刻印が近くなるのを意識しよう
両方バネなのでそこで判断してはいけない
電池ボックス内中央に注目すると蓋紛失防止ワイヤーが出ている穴があるが、実はここにネジ切りがされていることを意識して操作するとスムーズ
たまにワイヤーが収納されず困るかもしれないが、焦らず蓋にあるダイアルを右回転させてやれば奥に入るようになる
逆に左回転させてやればワイヤーは外れるようになっている
蓋を押し付けダイヤルを回し続けていくと、その穴にネジが沈んでいき密閉されるという構造だ
濡れる可能性がある場合、隙間ができないように注意しよう
総評
そもそもサイドワインダーは市街地戦ライトなので、家の中や周辺で非常に役立つ
裏を返せば、山奥で周囲を完璧に照らすというのには向いていない
だからこそ、一般人でも非常に役立つものだった
自由な持ち方・置き方・挟み方で明かりを確保できるので不便が少なく、寝る前にイヤホンを探すときとかに赤色ライトで照らしたりと日常生活でいい仕事をしてくれる
緊急時はそのロングスタミナで電池を節約し、L字ライトとして胴体に取り付ければ夜間に両手を使った作業を助けてくれる
タクティカルライトほどではないが、微光でも目が開けられないほど眩しいので、目眩ましとしても十分に使える
カバンに入れたり、枕元に置いておきたい正にお守りだ
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