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【ダイソー】完全ワイヤレスイヤホン SKELETON【レビュー】


確かに安っぽいが、それ以上の旨味を秘めた無線イヤホン

SBCまでしか対応していなく、解像感が低いように思えるのだが、特定領域や一部ジャンルを良く鳴らしてくれる妙な旨味を感じた
特にボーカルやギター等の中音域が良く、カントリーソング等の音の少ない局面で独特の良さを発揮していた

インパクト大な、クリアパッケージにクリアな本体とケースの組み合わせ

音質

何故か良いと感じてしまう部分がチラホラと

耳の縁に引っ掛けて使うと本当に楽な装着感だが、やはり解像感は落ちる
しかし、そうすると声の優先順位が上がるという特徴もある
基本的に、ここでは奥まで押し込んで固定した場合の印象を書いていく

この機種は昔ながらのシャワーヘッド型のインナーイヤーではなく、AirPodsに類似した形式だ
このタイプはシリコン製のイヤーピースを使わず、軽い装着感で比較的強めの低音を出すことができるにも関わらず、開けた広い音を感じられる
この低音と開放感の組み合わせの両立は、他の形式では中々味わえない

間違いなく根本的な解像感といった音質は悪いのだが、開けて明るく、妙に量感のある音と、高低音がそこそこ出ているのが意外で、それが解像感の低さを誤魔化している
一瞬、万単位のイヤホンよりいい音なんじゃないかと思うような部分が多々あり、そこが独特の旨味に感じる
とにかく低音質の嫌味が無く「何故か聞けてしまう」イヤホン

エージングに懐疑的な層もいると思うが、個人的には「低価格製品・高硬度コーティング振動板・数十分程度のごく短時間のバーンイン」では効果を感じている
この機種も例に漏れず、ボーカル部分の明らかに悪い部分と、重低音の輪郭がぼやけて他の領域に悪さをするということがそれで抑制された
慣れによる脳内補正がないように、IE 100 Proと交互に試したが、最初にあった悪印象がかなり緩和された様子
ピンクノイズの再生を試してみるのも手

高音

しっかりと粒が立っていて、それでいて涼しい高音域
ただし、一部の複雑な楽曲で高めのボーカルは少しカサついて聞こえることもある
だが1DD+1BAにありがちな嫌味な歯擦音はなく、刺さるような感じでもなく、一定以上高い音がかなり豊かに感じる

中音

音がやや近く、他のバランスが良いとされるカナル型イヤホンより良いと感じる瞬間がある
特に弦楽器やトランペットやピアノといった楽器が非常に心地よく鳴る

ボーカルの解像感は残念ながら低いものの、半開放型故に悪い反響をして曇っている等がなく、明るい印象があり、下手な数千円の機種よりも良く聴こえる場合がある

この特性がボーカロイドと相性がいいらしく、ザラザラとした電子音感を抑制して生々しく聴かせてくれる
低解像度というウソがリアリティを生んでいるようだ
また、低音寄りの男性ボーカルも結構良く聴こえる

低音

意外と出ているのに締まりが非常によく、モワモワとしてボーカルを邪魔したり、息苦しくしたりしない
決して主役ではないのだが、音が広い半開放型と、この輪郭が整った低音の組み合わせは気持ち良さに大いに貢献している

重低音

壮大さを表現するような重低音はやや弱い
煙たさはあるものの、すぐ涼しい風に流されていくような感じ
しかしある程度キレのいい重低音は最低限表現されていて、ちゃんと役に立っている様子

用途

音がスッキリしっかりで、装着感も軽くて疲れにくい
周囲の音を取り込みつつ、ゆったりとした曲を聴くに良い
音のバランスはやや中高域寄りで、低音に振った派手な曲とかでなければ結構スピード感のある曲も聞ける

遅延はガッツリあるので、ラジオ系の動画を画面を見ず聞き流すには良い
声が少しだけ手前にあるので、BGMに潰されにくい

半開放型故に自然な広さの音なので、環境音系をケーブルやシリコンイヤピの圧迫感に邪魔されず聴くのにも悪くない

高額なAirPods系の装着感が自分に合うか調べるのにもいいかもしれない

装着感

有線でEarPods形状の物もダイソーで売っているが、角が当たらないのでそれより装着感はいい
インナーインナータイプは、シリコンの圧迫感が苦手な人の最後の砦となる

しかしカナル型よりは安定性において人を選ぶと思うし、外を歩くにはやや問題があるように感じる
そこでこんな裏技を紹介したい

禁断のAirPods用製品

同じイヤホンコーナーに置いてあるこの製品を装着してしまうのだ
開口部のサイズが合わなくなってしまうが、耳の縁に引っ掛けて使う状態よりはしっかり音質が確保でき、落ちにくくなるのでスポーツイヤホンに早変わりする
これでも安定するかどうかに相性があると思うが、安定感が飛躍的に向上する

走りながら使うとどう足掻いても落としてしまうリスクがあるので、数万のイヤホンを落とす前に、1000円と100円のイヤホンに犠牲になってもらってもいいかもしれない
しかし、ケースには入らなくなってしまうので出し入れにひと手間必要になってしまう

ビルドクオリティ

触った感じ安っぽくてプラスチッキーな筐体だが、スケルトンにして中身の金属や基盤の深みのある色と、チップや印刷やはんだが生み出す複雑な図形を見せて誤魔化すという解決策

黒い樹脂で隠されてしまっている部分は、恐らくケーブル等が多く「美しくない」と判断されて隠されているのだろう

昔の半透明スケルトンブームから一転して、超クリアなスケルトンが流行っているようだ

中の「技術」が見えると何故か高級感を感じる

タッチパネルの反応は素早いとは言えないが、反応ミス自体はかなり少なく、ちゃんと使えてしまう
設計が原因で生じた強いストレスみたいなものは全然無い

USBC端子は下の画像で「R」表記の右辺り
まさかの角についていて、しかも斜めに刺さるという妙な仕様はあるものの、特に接続に問題はなく、スマホにも使ってるAnkerのPD充電器が使えた

圧倒的情報量

蓋のヒンジ部分は少し心配に感じるが、乱暴に使わなければまあ大丈夫だろうと思える程度

どんな人におすすめ?

有線派が金をかけず、そこそこの作業用無線イヤホンとしてその辺に置いておきたい感じ
例えば料理をしたり、プラモを作ったり、少し室内を歩き回るような作業で音楽を聞きながらしたい人向いている
接続自体は意外にも安定しているので、多少動き回っても平気だった

装着感はとにかく軽く、ケーブルが邪魔だと感じたり、寝る前のDACと有線イヤホンの後片付けが面倒な場合にいい
高級なイヤホンの断線を恐れながら使うのを避けたいというシーンや、外の音を聞きながら穏やかな曲をラジオのように聞き流したいシーンがあるときにおすすめ

ただし、ノイキャンは無く音漏れもするのでその点は注意

総評

「インナーイヤー型や無線持ってないなら、安いんだから買っておけ」という感じ
耳は痒くなりにくく、痒くなってもスッと外してすぐ戻せる
全体的な解像感等で3000円クラスの有線に勝てる要素は少ないが、部分的に勝っているように感じてしまう部分もある
音が明るいので聞き心地が良く、重低音に脳を毒されていなければ良さを見出だせる可能性が高い
使い分け候補の1つとしてオススメの一品

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