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「IT重説」で時間を大幅節約

こんにちは (株)キュービック不動産広報課です。

賃貸仲介のあり方を大きく変えたインターネット。これまでは対面でのみ行うことのできた重要事項の説明を、テレビ電話などで行う「IT重説」のしくみが広く活用されるようになっています。その経緯や今後の可能性について、社長に聞いてみました。


 

賃貸住宅の契約に関する大切なポイントのひとつが「重要事項説明書」です。

賃貸に際しては、家賃のほか敷金、礼金、手数料など数万円から数十万円の費用が発生し、変更や解約もそう簡単にはできませんから、契約前に住まいを借りる人に対して、住まいの概要、金額などさまざまな情報を記した重要事項説明書を示した上で、口頭でも説明しなければなりません。

借りる人はその内容に納得した上で、契約を結ぶことになります。また、説明を行うのは、宅地建物取引士でなければならず、説明前に宅地建物取引証を提示する必要があります。

不動産取引にまつわるトラブルを防ぐため、契約前の重要事項の説明は、法律で義務付けられています。

 従来、重要事項の説明は対面で、つまり住まいを借りる人と宅地建物取引士が直接会って行わなければならないとされていました。遠隔地に電話をかけたり、書類だけを送ったりするのは無効でした。

 今ではインターネットを活用し、テレビ電話・テレビ会議システムなどを通じて重要事項説明を行うIT重説が普及しています。賃貸に関しては2015年からの実証実験を経て、2017年からは正式導入となりました。

 もちろん、IT重説についても一定のルールがあります。まず、事前に重要事項説明書を仲介業者から、住まいを借りる人に送らなければなりません。

説明開始前にはカメラに向かって宅地建物取引証を提示する必要があります。また、音声だけ、映像だけで説明を行うことはできません(映像と音声の両方が必要)

IT重説から大きな恩恵を受けるのは、本州から来道する転勤族の方々でしょう。異動の内示から引っ越しまでの時間は短く、引っ越しの準備の合間に赴任地を訪れて下見し、説明を受ける時間を確保するのは困難ですが、IT重説なら時間と交通費を節約できます。

IT重説が普及したのは、すでに物件情報、画像などをネットを通じて伝達できる環境が整っていたからだとも言えます。どんな物件かイメージがわかない状態では、どんなに詳しく言葉で説明されても、契約を結べないでしょう。

 当社では、賃貸物件の3分の1ほどが、IT重説で成約しています。遠隔地はもちろん、旭川市内の方々も、スケジュールを合わせやすいIT重説を選ぶことが少なくありません。

なお、賃貸住宅のIT重説が順調であることから、2021年4月からは売買取引についても本格運用が始まりました。

今後、安全な電子契約のしくみが普及すれば、計約の段階もIT化されるかもしれません。(2021.8月号より)