フィリピン移住ビザの取り方・渡航篇2.- DON'T FORGET THE DOUBLE CHECK!!!!!!!
<前回までのあらすじ>
SRRVビザ取得のため、マニラ1か月滞在の計画を立て、トラブルを切り抜けて、フィリピン退職者庁に書類申請までこぎつけました。
しかし、そこから、落とし穴が・・・
1.マニラでコンドミアム視察&ポーカー三昧
11/3(土)マニラ入り
11/5(月)日本大使館とOFFICE OF CONSULAR AFFAIRSから「犯罪履歴書」の承認獲得
11/8(木)フィリピン退職者庁(PRA)に申請書類提出完了
とここまで順調に来ました。
PRAの担当者の説明によれば、ここから審査に入り、2週間ほどでビザが発行されるとのことです。
「2週間後くらいにまた連絡をください」
とまあ、笑顔で言われて、握手をしたわけです。
ここまでは想定内。
帰国まで3週間ありますから、その期間をポーカーとコンドミアムの視察に充てる計画でした。
宿泊先から歩いて5分の所にリゾートワールドがあるので、ポーカーはそれこそ何時でもOKです。
コンドミアムは、渡航前に ‘Lamudi.com’ ‘Zipmatch’ ‘My property’ といったフィリピンの不動産売買サイトにアクセスして候補物件をピックアップしておきました。
マニラに着いた後に、不動産会社にメールで問い合わせ、何件か内覧の予約を入れました。
*フィリピンの不動産売買は日本と進め方が全く違います。
これはまた改めて書きたいと思います。
こんな感じで、内覧のある日はマカティやオルティガスに出かけ、ない日は午後からリゾートワールドに行ってポーカーに打ち込む。
当に夢描いていた理想のフィリピン生活です。
2.雲行きが怪しくなる
申請後、11/19(月)、PRAに進行状況の確認メールを入れました。
すでに滞在後3周目に入っています。
計画では、4週目の最終週にビザを手に入れて、めでたく帰国する予定です。
翌日に返事があり、
「今、進行中なので、2,3日後にまた連絡をください」
とのこと。
その時は「まだ早かったか」と思い直し、翌々日に再度メールで連絡を入れることにしました。
フィリピンに限らず、海外では遠慮していると返事が遅れるので、大事なことは正確にアプローチしていくべきです。
すると、金曜日に返事が。。。。。。。。。。。
「来週月曜日にわかりますので、連絡ください」
これはまずいです。
最終週月曜日の確認では、何かあった時にビザの発行が間に合いません。
こちらの問い合わせが、PRA内でたらい回しになっている可能性もあります。
そこで、直接電話を入れましたが、担当はデクスターという人物で、
「今、不在だから月曜日に連絡してください」
と、らちがあきませんでした。
3.責任回避来る
こうなると、もう一刻の猶予もありません。
来週末までに確実にビザを発行するように、PRAに念押ししなければなりません。
それができなければ、移民局に滞在期間延長申請を出す必要があります。
そこで、11/26(翌週月曜日)昼にPRAを直接訪問しました。
残す営業日はあと5日間!
PRAのオフィスで、デクスターを呼んでもらいました。
出てきたのは温厚そうなおじさんです。
申請書類を見せ、滞在期限が迫っているので、すぐにビザを発行してほしい旨を説明しました。
ところが、書類に目を通したデクスターは衝撃の発言です。
「SRRVの発行は移民局がやってるんだ。書類は送っておいたけど、まだ返事がない」
「は?(そんな話は聞いてない)では、移民局に問い合わせて頂けますか?」
「う~ん、直接移民局に行って聞いた方がいいと思うんだ」
口あんぐりです!
先週から問い合わせているのに、移民局に確かめもせず(力関係でできないのかもしれない)、尚且つ、こちらが押しかけてきて初めて事情をゲロりました。
しかも、こちらに丸投げです。
多分、直談判に来ていなかったら、そのままにほっておかれたでしょう。
4.移民局で直接交渉
どうにもなりそうもないし、PRAをあきらめて移民局へ向かいました。
時間が惜しい。
「移民局で門前払いされたどうしようか?」とかなりのプレッシャーです。
移民申請でやりあってる外国人でいっぱいそうだし。
移民局はPRAのあるマカティから遠く離れたイントラムロスの外れにあります。
イントラムロスは16世紀にスペイン人によって造られた古い町並みが残る観光地区です。
時間があればゆっくりと見て回りたいところですが、今回はその余裕がありません。
オフィスが閉まるのは午後5時なので、その前に話をしないと打ち切られてしまいます。
渋滞に阻まれながらも、Grabで移民局へ直行しました。
辿りついたのは4時過ぎでした。
予想通り、ごったがえすフロア。
滞在ビザの延長申請、海外渡航用のビザ発行、色々な人がいます。
そこをかき分け、辿り着いた受付で事情を説明します。
「SRRVの申請を3週前に出したけど、まだ発行されてない。PRAにここへ行けと言われた。滞在のタイムリミットが迫ってる」
などなど。
こちらの真剣さが旨く伝わったのか、受付の女性が奥のオフィスに直接入れてくれました。
そして、紹介されたのが、こわもての女性課長です。
この人に事情を話せという。
どうやらこの人が責任者のようです。
PRAと受付で話した内容を繰り返します。
内心、ここで「関係ないわ!PRAに行きなさい!!」と一喝されたらどうしようとドキドキです。
だって、恐そうなんだもん。
こちらの言葉使いも、「BOSS」「MOM」と敬語連発で、なんとかうまくとりなそうと、下手に出まくりました(情けない。。。)
「レイモンド!」
女性課長の鋭い声が響き渡ります。
慌てて飛んでくる若い男性職員(こいつがレイモンドか)
その後、女性課長はタガログ語でレイモンドを叱責します。
内容はわかりませんが、たぶん、
「何で発行が遅れてるの!」
「いやあ、申請者が多くて・・・・」
「言い訳はいいわ。明日までに発効しなさい!!」
という具合に、フィリピン人らしい言い訳をするレイモンドを一喝します。
フィリピンはもともと女性の社会進出が盛んですが、まさにそれを体験しました。
権威と能力を持った人物が男女を問わず強いんです。
これで一安心です。
でも、レイモンドがまたサボるかもしれないので、彼の携帯電話番号を聞いておきました。
5.やっと発行される
翌日、午前中にレイモンドに確認の電話を入れました。
もし、手続きがさらに遅れているようなら、次は日本大使館に訴えるつもりでした。
ところが、レイモンドは課長の怒りにビビったのか、手続きを進めていて、午後にはビザをPRAに届けると約束しました。
よかった!
翌日、デクスターに連絡を入れると、確かに届いているとの返事。
「午後に取りに行くよ」と答えたのは11/28(水)、滞在期間の切れる3日前でした。
PRAに行き、晴れてビザが添付されたパスポートを受け取ります。
デクスターはけろっとして、
「移民局と話したのか。賄賂とか要求されなかったか?」と聞いてきます。
「いや、払ってないけど?」
「うん、そいつはよかった」
今や、政府職員の賄賂に厳しくなってる事情はわかるんですが、それなら、お前がもっとしっかりプッシュしてくれよ、という気持ちでした。
6.まとめ
今回のトラブルで学んだことがいくつかあります。
①フィリピンでは問い合わせたら、返事が来るだろうと待つのではなく、積極的にフォローアップすること
②善は急げ。直接聞いてみて、初めてわかる事項も出てきます
④交渉事はできるだけ責任者と直接行うこと。
責任のない人では対応があまくなります。
もちろん、責任は取ってくれません。
まあ、とにかく、フィリピン社会の現実を学びながら、SRRVビザが取れたので良かったとしましょう!!