見出し画像

欲しいもののこと

街が少しずつクリスマスの雰囲気を纏い始めた11月の終わり。

この時期になると私は毎年必ず憂鬱な気持ちになる。
それは、ずっと欲しいと願ってはいるけれどなかなか手に入らないある能力について考えてしまうからだ。

それは

さりげなく贈り物が出来る。

という事。

元来私は人に贈り物をする事が大好きで、クリスマスだけでなく、お誕生日やハロウィン、別にイベントでなくてもちょっとしたお礼など、相手の方の喜ぶ顔に想いを馳せながら選ぶ作業がたまらなく好きなのだ。

けれど、年齢を重ね私だけで無く相手の方も大人になると、

〝ほんの気持ち〟
を受けとってもらうのが難しくなってしまった
様な気がする。

だから相手の方の負担にならずに、大袈裟にならず
感謝の気持ちや好意を伝えるには

さりげなくというのがすごく大事だと思うのだ。

小さな頃は魔法使いに憧れた。
不思議な力を持ち箒にまたがり空を飛ぶ。
それだけでなく、もしも魔法が使えたら私は
思った時に目の前にいる人が必要としているものをさりげなく、
贈る事ができたりするのではないかと思って。

だから私は

さりげなく贈り物が出来る、能力が欲しい。


#文章 #エッセイ #79 #贈り物

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?