打鐘(ジャン)の響く街
名古屋市の中村区。
コテコテの下町、ストリップ、ポルノ映画舘、ソープランド、古びた銭湯、山ほどのヤクザ事務所、美味くて安い名古屋飯のお店がわんさかとある。
中村区というのは名古屋駅の西側と東側があり、東側は駅前、西側が駅裏とか新幹線口とか言う。
通りで言えば東が栄に向かう広小路通り、西が中村公園に向かう太閤通りとなり下町は太閤通り沿いで駅裏になる。
太閤通の太閤とは太閤秀吉出生の地を冠したものであるし、中村区の中村は勘三郎の中村屋を生み出した土地だ。
その中村公園と豊国神社のすぐ横に名古屋競輪場がある。
もちろん僕も昔から競輪の大ファンである。
僕が若い頃の名古屋競輪場はそれはそれは大盛況でしたが、やはり時の流れには勝てずファンの年齢層が上がるだけで入場者数は下がる一方です。
競輪もプロスポーツということにおいては勝負事に変わりはないのですが、そこには人間の義理や人情や師弟関係、地元意識、様々な暗黙の掟がある特殊な世界です。
スジとかラインとか、今のご時世には似つかわしくないものが脈々と受け継がれている世界なのです。
名古屋には黒須修典という競輪の名指導者おり、黒須道場からは数々の名選手が生まれました。
その昔、名古屋競輪場の北門から東に続く道、南へ向かう参道はオケラ街道と呼ばれ、門前の自転車なんてあっという間に盗まれた。
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