【シャニマス】Star n dew by me にみる八宮めぐると『きらきら』
アイドルマスターシャイニーカラーズの話をします。
Star n dew by me、良かったですね。
これは2019年10月31日〜11月10日にかけてゲーム内で開催されていたシナリオイベントで、八宮めぐるを中心にイルミネーションスターズ3人の物語が描かれました。
この記事はその感想を残しておくものです。
※この記事は2019年にはてなブログで投稿した同名記事を一部加筆修正したものです。
https://chitori.hatenablog.com/entry/2019/12/25/234213
note上の表示に合わせ一部見出しや空行の調整など行っていますが、基本的に内容はそのまま転記しています。
八宮めぐるは僕がシャニマスで最も熱をあげているキャラだと、今はそう思います。
パッション溢れる友達思いの元気キャラ(ハーフ)、そんな程度の認識しか持っていなかったオタクの喉元に突きつけられた暗く冷たい刃、pSRカード[チエルアルコは流星の]の登場から約半年……
このイベントによってめぐるはシャニマス随一の感情破壊キャラになったといって差し支えないでしょう。
さてこの記事について、重要そうなポイントをいい感じにまとめられたらと思ったのですが、時系列順に書いていったほうが結局わかりやすい気もしたので、話を追いながら各章ごとに感じたことを吐いていきます。
あえて他の人の感想は見ないで書いてるんですが、感想にしても考察めいた部分にしても被ってるところは結構多いんじゃないかと。
つい予防線を張っちゃいますね。オタクなので。
念のためですが、こちらは完全にネタバレを含んだ感想になります。
またイベントコミュのほか、以下のネタバレを大なり小なり含みます。
pSRカード【チエルアルコは流星の】八宮めぐる
pSSRカード【夏に恋するピチカート!】八宮めぐる
sSRカード【アイムカミングスーン!】八宮めぐる
sSSRカード【ああひかりよ】八宮めぐる
sSSRカード【はじまりのエピローグ】櫻木真乃
イベントシナリオ『Catch the Shiny tail』
以上が前置きになります。やっていきましょう。
オープニング:秋うららの物語
バラエティ番組の企画の一環で、自然豊かな田舎?の高校の学園祭にゲストとして呼ばれたイルミネの一向。
ロケ地に向かうバスの中で学校について話しています。
早速死の話ですが、イベント告知でこのシーンの一部音声が流れて来た時既に、『八宮めぐる』『学校』の組み合わせからこれはヤバいことになるなと直感した人は少なくないでしょう。
イベントが始まり予感が確信に変わるのはそう、『寝癖』のキーワードの登場です。
これはもうこのイベントシナリオを読む上で必修と断言できるのでさっさと話してしまいますが、【チエルアルコは流星の】のコミュで、かつてめぐるはその出身や異国の特徴色濃い風貌からかうまく周囲に馴染めなかった、と言うエピソードが明かされます。
映画で同じような境遇の役柄を演じる機会を得て、悩みながらも夢中に役と、自分と向き合っていたのに、その仕事の話がおじゃんになり大変に落ち込みますが、のちに彼女なりの答えにたどり着き、プロデューサーの奮闘もあって晴れやかな気持ちで立ち上がる……
というのがこのカードのコミュの大体の筋です。
このシナリオはめぐるのキャラクターを掴む上で極めて重要であるばかりか、サウンドノベルとしての品質がかなり高く、行間の表現や暗喩の使い方には舌を巻きました。
そんな【チエルアルコ】の話に現れるモチーフの一つが『寝癖』だったので、僕らはこのオープニング冒頭の会話から覚悟を決めることになります。
戻りましょう。
転校や進級についての話の中でめぐるは「初登校の気持ちはいつだって春……!」と語っています。
【アイムカミングスーン!】のコミュでは、ランニング中に真乃に教えてもらってせっかく名前を覚えた渡り鳥たちが春になっていなくなるのを惜しみつつ、新しい花や動物が見つかる喜びを励みにトレーニングを続ける様子が描かれていました。
この時は自然の移り変わりと自分の学校生活を重ねていたんでしょうか。
戻りましょう。
高校の女子生徒会長さんから校内を案内されがてら学園祭について話す中で、灯織から「いろんなクラスを手伝ってそう」と言われるめぐる。
運動部の助っ人をしょっちゅう買って出るめぐるらしい返答ですね。うん…。
第1話:ガクエンサイGOGO!
番組の企画はオニゴッコバラエティ。
イルミネ3人が学園祭内に用意されたミッションを遂行しつつ、『宝物』の入った小箱をオニから守るよう逃げ回る、というものです。
ミッションの内容は学園祭の出し物に絡んだもので、「射的で景品を取る」「脱出ゲームをクリアする」など3人が楽しみながらお祭りを盛り上げられるようなものになっていました。
校内のラジオ放送を聞いての流れで283プロ社長のモノマネ?をする真乃。
ですゾ1発目。
ミッションを進める中で手に入れたおもちゃの光るマイクはこのシナリオのキーアイテムです。
モノ自体が直接関係あるわけではないですが、おもちゃのマイクといえば思い出すのが去年のクリスマスイベントとその報酬pSSRカードである櫻木真乃の【はじまりのエピローグ】でしょう。
事務所のクリスマスパーティーで代表として乾杯の挨拶を任される真乃ですが、自分が選ばれた理由がわからず悩んでいました。
パーティーの買い出し中、そんな真乃を元気付けながら灯織とめぐるがおもちゃのマイクを差し出して一緒に練習しようと話す一幕があります。
このあたりで真乃が抱えていた気持ちがのちのイベント『Catch the Shiny tail』のシナリオに関わってきます。
かなーりざっくり説明すると、乾杯の挨拶の件や自分がイルミネのセンターであることに疑問を持ち、2人の方がすごいのにどうして自分が、と悩む真乃に、灯織とめぐるは
「無理に『真ん中』とは考えなくてもいいから、私たちの隣にいてほしい」と声をかけます。
その言葉に今はセンターである理由がわからなくても、自分の居場所を見出す真乃……という内容です。
シャニマス、シナリオ同士のネットワークが深すぎてかなり話があちこちに飛んでしまっていますが、
とにかくイルミネのコミュの中では「そばにいる」ということが頻りに強調されます。
それはこの『Star n dew by me』でもそうで、今度はめぐるの番です。
先を見ていきましょう。
3人でミッションをこなして学園祭を楽しみながら嬉しそうな真乃。
こういう細かいところでも過去シナリオを思い出させます。
ここで話が動き出します。
隠れていたオニに捕まりそうになった真乃を助けるため、
足の速い自分が囮になるべく、あとで合流しようと言い残してオニを引き付けながら駆け出すめぐる。
『宝物』は実は真乃が持っていたので無事に守りきりましたが、
無情にも校内放送で『八宮めぐるさんがオニに捕まりました』『ここで脱落です』と告げられます。
第2話:Who are you?
放送を聞いた真乃と灯織は、3人で学園祭を終えるためにめぐるをオニから取り戻そうと企てます。
生徒の協力もあって「校長室がオニの拠点かも」という情報を掴み、めぐるがいるかもしれないと1人で校長室に向かう灯織。
誰もいない校長室に入って呼びかけてみると、ロッカーから物音がします。
確信が持てないながらもロッカーを開けてみると、やはりめぐるが出てきて一安心ですが……
オニになっちゃってました。そういうルールらしいです。
めぐるが灯織と真乃に敵対する、という構図になってしまいました。
10秒待つから逃げて!のやり取りを何度か繰り返した末に校長室から逃げ出す灯織を見送り、めぐるは困ったように薄く笑った後、無言でロッカーを閉めます。
▼
タイトルの『Who are you?』は単純に考えればロッカーを開ける灯織の気持ちですが、
やはり思い出すのは[チエルアルコ]です。
コミュの1つ、『異邦の青、浮遊する』と掛けていると考えてしまうのは僕だけではないでしょう。
真乃と灯織から1人離れることになる様子はまさしく浮遊で、
めぐるに昔のことを思い出させています。
この構図を中心として、めぐるの持つ弱さとイルミネの絆が演出されます。
ところで「ロッカーに閉じ込められる」ってシチュエーションから不穏な想像をしてしまうのは思い過ごしであってほしいですね……
(追記:最近の研究からそんなことはなさそうな雰囲気がしています。よかった~)
第3話:みなそこで息を止めて
校長室でプロデューサーと今後の動き方について相談しているめぐる。
特にミッションを邪魔する(2人が学園祭を楽しむのを邪魔する)ことには抵抗があるようです。
一方で、真乃と灯織はめぐるを取り戻す方法がわかるまではあまり動かないことにして、3人揃ってからまた模擬店を回ろうと話します。
優しさしかない。
結局めぐるはあれこれ考えるのをやめてとりあえずオニとして2人を追いかけ回すことにしました。
校長室を出て行く前にプロデューサーに「もしまた胸がぎゅうってなったら……」と言いかけ、「ああ、少しだけ戻っておいで」と返されます。シャニマスのプロデューサーさんはほんとイケメンです。
この「ぎゅうっ」の正体はなんでしょうか。
これはちょっと深読みが過ぎるかもしれませんが、pSSRカード【夏に恋するピチカート!】にこんな一幕があります。
ダンスのレッスンでトレーナーから「感情表現が足りない」「恋のトキメキを思い出してもっと想いを込めなさい」と指摘を受けためぐるは、
自分はそういうのは分からない、恋ってどんな感じなのか、とプロデューサーに質問します。
これに対して、(選択肢の分岐の一つで)プロデューサーは「ドキドキする感じ」と返し、めぐるにドキドキしたことがあるか訊き返しました。
めぐるは「ステージに立つ時」と答え、
「舞台袖でね、真乃と灯織が横にいて、出番を待っている時がいちばん……!」
「すっごくワクワクなのに、時々、心臓がぎゅーってするの……」
と続けます。
そしてプロデューサーが「その時の気持ちで踊ってみたらいい、先生は恋みたいな強い想いでって言いたかったんじゃないか」といった助言をする、というものです。
これを踏まえると、めぐるが感じた「ぎゅうっ」は真乃と灯織への「恋にも匹敵するほど強い想い」と表現できるかもしれません。
戻りましょう。
真乃と灯織を見つけためぐるは吹っ切れたように悪役を演じて2人を追いかけます。
めぐるから逃げる中で、真乃は「廊下はお静かに」の貼り紙に従い、わざわざ息を止めて静かに廊下を渡ります。
この指示自体がミッションの一つで、報酬として『風紀委員の証』カードを手に入れた真乃は、そのカードの効果で追いかけてきためぐるの足を止めることができました。
めぐるも効果に従ってゆっくりと廊下を渡り、その間に灯織と真乃は逃げていきます。
他のアイテムの効果でめぐるを取り戻せるのでは?と考えた2人はミッションをこなしてアイテムを集めることにする、とここまでが第3話の流れです。
タイトルについて、このシーンの様子から『皆そこで息を止めて』と捉えられますが、
やはりチラつくのは【チエルアルコ】です。
コミュの1つ『同調の水、されど』で、映画の仕事が無しになった後日、めぐるとプロデューサーは別の仕事に向かう途中でアクアリウムショップを見かけます。
水槽の中で1匹だけ他とは違う色合いの熱帯魚が隅の方にいるのに気付いためぐるは、その魚の気持ちに思いを巡らせ……というストーリーです。
『水底で息を止めて』ですね。
このカードの話だけでももっとしたいですが置いておきます
第4話:ううん
撮影を中断してお昼休憩に入ります。
控え室になった教室で真乃と灯織が弁当を食べ始めたところで、めぐるが合流してきました。
ひとしきり再会の喜びを表現した後、元気がなさそうな灯織に「自分のことは気にしないで学園祭を楽しんでいい」と伝えるめぐる。
真乃と灯織はめぐるを取り戻そうとしていることをバラしてしまい、
めぐるは動揺しながらも「方法が見つかったら嬉しいけど……わたしのことは後回しでいいから」と前置いて生徒のために学園祭を盛り上げることを優先するよう話します。
そんなめぐるに対して灯織がこう。
そんでこうでこう。
2回の「ううん」の演じ分けが本当に……
1回目は自分の中で噛みしめるような、2回目は何かを心に決めて2人に語りかけるような、そんな印象です。
どんな気持ちが込もった言葉なのか考えると実際泣けてきます。
この1シーンを切り取っただけでも、シャニマスのコミュが単にストーリーをなぞるだけの読み物ではなく、明確な意図を持った演出の積み重ねで作り上げられたドラマであることが伺えると思います。
このあとめぐるは元気なそぶりを見せ、
せっかくの機会だから全力で競い合おう、2人と約束します。
第5話:invent laughter
灯織と真乃がスタッフに呼ばれて打ち合わせに行った後、
入れ替わりでプロデューサーが昼休憩に訪れます。
自分のことを心配するプロデューサーを逆に元気付けようと、
目を閉じさせている間にプロデューサーの弁当を山盛りにしながら、心境を語るめぐる。
「どんな時でも役に立てることがあるはず」「居場所は自分で作るもの!だよね!」
「だから、拒んだりしない、選んだりしないっ」「そのことをちょっとだけ忘れてたみたい」
一見ポジティブな発言ですが、周囲に馴染むためにこれまで彼女がしてきた努力が垣間見え、痛々しいほどです。
人の役に立つことで自分の居場所を作ってきた、と言うのだから、
その話を無言で聞くプロデューサーの気持ちも推して知るべしというもの。
オススメのがんもどきをめぐるから貰ったプロデューサーはしかし、
「がんもどきなんかなくても」と前置きしたうえで、
「ずーっとめぐるを応援してるから」
「心の中でいつもいつも大声でな」
イケメンすぎ。
うん
▼
ストーリーの続きです。
休憩が開けたあとの3人は、全力で競い合うと約束した通り、
一方はミッションをこなしながら逃げ回り、他方は真剣に2人の居場所を考えて追いかけます。
ですゾ2発目。
2人の居場所にあたりをつけて勇んで教室に飛び込んだもののニアミスでした。
真乃と灯織は家庭科室の「たこ焼き50個用意せよ」のミッションをクリアし、「宝物と引き換えにオニと交渉できる」チケットを手に入れます。
(たこ焼きっていうのもね、イルミネのコミュによく出てくるんですよね)
どうやって使うのか考えているうちにめぐるがやって来ます。
6話に続く。
▼
5話のタイトル『invent laughter』は直訳「笑顔を発明する」で、
自分の居場所を作るために笑顔にならざるを得なかっためぐるの様子をそのまま表しているとみていいでしょう。
試しにググってみるとどうやらニーチェの『The Will to Power』からの引用のようです。
ざっと訳して
「人間が唯一笑う生物である理由を、恐らく私は一番よく知っている……耐え難く孤独な人は笑顔を発明せざるを得ない」
という感じでしょうか。
原書を見てみたらさらにこう続いていました。
「最も不幸で物悲しい生き物はやはり、最も陽気なのだ」
第6話:魚と虹のワルツを
チエルアルコおじさんを即死させるタイトルです。
再三触れてきた『チエルアルコ』が人工言語エスペラント語で『虹』を意味しているところはもはや全員がご存知のことでしょう。
「ワルツ of 魚 and 虹」なのか「ワルツ of 虹 with 魚」なのかわかりませんが多分後者がしっくりくる気がします。
こじつけるとワルツは三拍子なのでイルミネと絡めているのかも。
このタイトルについてはもうちょっと考えたいです。
▼
めぐるが2人に追いついてくると、真乃がめぐるを引き付けながら逃げていきます。
追うめぐる。
追い詰められたところで真乃が交渉チケットを発動。
校内放送が流れ、めぐるが解放されたこと、そして宝物の正体が『光』だったことが告げられます。
校内の照明は全て落ち、
「学園祭はあと10分で終了となります」「ご来場のみなさま、校門までお急ぎください」のアナウンス。
灯織が合流して3人は残りの10分で状況を何とかできないか考えます。
灯織、頼りになる。
運動場のミッション「光り輝くライブを成功させよう」に懸けて、
最初に手に入れた光るマイクを持って運動場に向かいます。
この、イルミネが常々人に届けようとしてる『光』を一度奪った上で、
本人たちからまた届けさせようとする作りが涙腺をボコしてきます。
スタッフが有能すぎる。
一番足の速いめぐるに先に行くように頼む真乃と灯織。
2人も驚く全速力で走って行くめぐる。
なんとか間に合っためぐるがステージに立ちます。
もし、もし万が一シナリオを読んでいない方がいたら、
めぐるの万感の想いが込もったここでのMCは是非ともゲームで確認してほしいです。
▼
このイベントの報酬カード【ああひかりよ】のコミュ『たいようのしずく』で、学校の生徒会長の視点からこの話が補完されます。
それと、【夏に恋するピチカート!】にも『太陽のしずく』のタイトルのコミュがあります。
このあたりの話はまた後でします。
エンディング:呼吸のソルフェージュ
ライブが終わったあと無事学園祭は続行し、
後夜祭の花火を見ながら控え室で3人が話します。
灯織からのお礼に
「ちょっとは役に立たないと!戻って来た意味がないもんねっ」
と返すめぐるですが、そこに真乃が語る言葉、
これが最もめぐるの心を打つものになります。
「私、あんまり意味とかは考えてなくて……」
「めぐるちゃんはたくさんすごいところがあるけど……」
「すごいめぐるちゃんじゃなくて、めぐるちゃんが好きだから」
めぐるは泣きます。僕も泣きます。みんなも泣きますよね。
俺もがんもどきなんかなくたってずっとめぐるを応援してるよ……
泣きながら抱きついて、誤魔化すような泣き笑いでですゾ3発目。
今普通に書きながら泣いてます。
オープニングでめぐるが「誰かだけ特別扱いはしたくないしっ」と言っていたのを覚えているでしょうか。
所感:『きらきら』の話、最後に
イベントシナリオのエンディング後の様子が【ああひかりよ】の『それはもうきらきらな』で描かれています。
無事に仕事を終え学校を後にする直前、イルミネと生徒会長さんが話すシーンです。
このコミュでは後夜祭で告白に成功した生徒会長さんとの会話の中で、めぐるの『特別』についての思いが語られます。
告白の結果を報告するも、アイドルに恋愛の話をしてしまったことを申し訳なさそうにごにょごにょする会長さん。
「特別は恋に限りませんし……」「特別があればいいってものじゃないですから……あの……」
とフォローを入れる会長さんに、めぐるは
「えへへ、そうだね!」と肯定しつつも、
「でも、特別があるのもとっても素敵だと思うんだ……!」
と返します。
ここまでのシナリオを見てきたこちら、もう完全に保護者ヅラです。保護者ヅラ号泣。
本当に良かった。
このコミュタイトル『それはもうきらきらな』ですが、3話の感想で紹介した【夏に恋するピチカート!】の『それはまだ純白な』と対応してそうですね。「心臓がぎゅー」のくだりです。
「それはもう」って最初は強調の意味だと思ってたんですが、そう考えると「もう」は「既に」のニュアンスで捉えた方が良さそうです。
純白だった(=恋を知らなかった)めぐるが、実は既に恋と同じくらい特別なきらきらした想いを見つけていた、
みたいな意味が込められたタイトルだと解釈しました。
3話のところでは深読みかもって書きましたがこれは流石に意図して関連づけてるやつですね……
きらきらって言葉はめぐるのコミュでよく出てくる気がしますが、
【ピチカート】の『太陽のしずく』でも出てきていました。
プールでの撮影の合間に「きらきらするでしょー!」と水しぶきをあげるめぐる。
【ああひかりよ】の『たいようのしずく』では、会長さんがイルミネのことを
「まるで太陽みたい」「とってもまぶしい子たちだったから」と表現します。
▼
イベントのタイトル『star n dew by me』ついて考えてみると、
あ、今シメに入っています。楽にしてください。
考えてみると、
「star」は星、「n」はandの略、「dew」はしずくって意味なので、
そのまま訳せば「わたしのそばの星としずく」ですね。
ところで、ここでまた【ああひかりよ】の話ですが、『よみちのみちしるべ』のコミュでの会話を見てみましょう。
生徒会長がイルミネを太陽みたい、と称していたことを真乃からメンバーに伝えると、
「そんな大げさな存在じゃないと思うんだけど……」「どっちかっていうと星だもんねー?」と2人は話します。
それからめぐるが「できれば夜の太陽にもなりたい」と言い出し、
3人で月とか蛍とかスマホのライトとか夜を照らすものを挙げていきますが、 ここで注目したいのがこの発言です。
星と太陽を言い換えられるとすると、「星としずく」は先に挙げた【ピチカート】での発言も踏まえて別の表現ができそうです。
上でもあげた通りめぐるは「太陽が眩しい時の水しぶき」を「きらきらする」と表現しています。
つまり、『Star n dew by me』はこう訳すのが適切だと思います。
『わたしのそばのきらきら』
最後にもうひとつ、これは皆さんもお気付きの通りかと思いますが、
このタイトルは明らかに『Stand by me』と掛けていますよね。
既に触れた通りイルミネのコミュや曲では「そばにいる、隣にいる、一緒にいる」といった表現を強調します。
冒頭に挙げたスティーブン・キングの『THE BODY』や––無意味に勿体振りましたが御察しの通り––それを原作とした映画『Stand by Me』にあるような、一生を通しての特別な存在がめぐるにとっての真乃と灯織であることが、このシナリオでは描かれていました。
この映画の同名主題歌『Stand by Me』の歌詞を引用しておきましょう。
ピンとこない人も聞いてみれば覚えがあると思います。
こいつをいい感じに訳してこの記事を結びます。
長々とお読みいただきありがとうございました。