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“新クトゥルフ神話TRPG”シナリオ執筆ガイドライン2024年秋版
不特定多数の人に読んでもらうことを念頭におき、正しく読みやすい日本語で書くことを心掛けましょう。
『新クトゥルフ神話TRPG シナリオ集 ビブリオテーク13』などの既刊に収録されたシナリオもぜひ参考にしてください。
基本のフォーマット
1行26字。最大800行まで。
大見出しの上下1行ずつは空白の行にしましょう。ほかの見出しの場合、上の1行を空白の行にしましょう(どちらも行数の制限に含みます)。
シナリオの項目と内容
シナリオのタイトルと概要
シナリオ本編とは別に、概要(導入から結末までの流れ)を400字程度で書いてください。この概要は文章量の制限に含みません。
リード(5行程度)
ここからがシナリオの本編となります。
キーパーがプレイヤーを募集する時に使うような、物語の概要を書いてください。
物語の雰囲気、探索者の役割を感じさせるもの。「戦闘を避けるべき」「戦闘をためらってはならない」などのメッセージが必要ならそのことにも触れておくとよいでしょう。
【例】
舞台は現代の日本の平凡な田舎町。季節は真夏。探索者が謎の人物から災いを予言する言葉を聞いたところから物語は始まる。事件の解決には、過去と現在に起きた出来事の調査も大事だが、状況によっては敵との戦闘もありえるだろう。
【例】
舞台は現代のアメリカ。季節は夏。探索者はドライブ中に立ち寄った村で、忌まわしき儀式を目撃する。周囲に頼るもののない状況で、探索者たちは知恵と勇気で大切な人を救わなければならない。
1. はじめに
必要なルールブック/ソースブック、プレイヤー人数や想定するプレイ時間、シナリオに適した職業や技能のことなど。
必要と思われれば、シナリオのトーンも書きましょう。『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』181ページ「トーンを決める」を参考にしてください。
【例】
このシナリオは“新クトゥルフ神話TRPG ルールブック”と“新クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2020”収録の「年少探索者の創造とプレイ」に対応しており、作りたての探索者3~4人向けにデザインされている。プレイ時間は探索者の作成時間を含まずに4時間程度だろう。
このシナリオはややコミカルなトーンで進行することを想定しており、キーパーは積極的な行動を取るよう探索者にうながすとよい。
戦闘が得意な探索者が複数いることが望ましく、大学生の探索者がいれば導入がスムーズだろう。また、〈ナビゲート〉の値が高ければ役に立つこともあるだろう。
2. キーパー向け情報
キーパーしか知らない真相などを書きましょう。この項目で、読者にシナリオの全体像を最初につかんでもらい、これから先の本文の理解を深めてもらうとよいでしょう。
3. プレイヤー向け情報(必要な場合のみ)
シナリオの背景などに、探索者やプレイヤーがゲーム開始時に知っているべき情報が多い場合、ここに書くとよいでしょう。この項目はなくてもかまいません。
4. 主なNPC
ゲームに登場する主なNPCのことを書きます(背景、人物像、シナリオとの関わりなど)。必要ならば、NPCの能力値や技能などもここにまとめておきます。
重要なNPCの場合は、「容姿の描写」「特徴」「ロールプレイの糸口」も簡潔に書いておくとよいでしょう。
【例】
ベティ・スロックモートン(18歳)、操られるフラッパー
STR 35 CON 50 SIZ 45 DEX 50 INT 50
APP 75 POW 35 EDU 45 正気度 32 耐久力 9
DB:-1 ビルド:-1 移動:8 MP:7
近接戦闘(格闘)25%(12/5)、ダメージ 1D3+DB
回避 25%(12/5)
技能:運転(自動車)50%、芸術/製作(ダンス)40%、図書館 60%、魅惑 60%
呪文:支配、手足の萎縮、ナーク=ティトの障壁
5. シナリオの導入
探索者が、これから起きる出来事に関わるきっかけを書きます(怪異との遭遇、調査の依頼など)。探索者の動機付けのアドバイスなどもまとめておきます。
※「導入」以降の本文は、シナリオの内容に応じて項目を分けて書くとよいでしょう。大きな事件や、場面、場所に応じて、項目を分けるとわかりやすくなります。
結末
シナリオの最後の項目です。事件をどのように締めくくるかのアドバイスなどや、後日談なども。探索者が獲得する正気度ポイントなどの報酬もここにまとめます。
その他
かっこ(常に全角です)
かっこを使い分けて用語をわかりやすくします。
技能など→〈 〉;〈正気度〉ロールにもこのかっこを使います。
計算式→[ ]
呪文関連→《 》
魔道書、書籍、映画タイトル→『 』
固有名詞
固有名詞(人名・地名)には最初に使う時に読み方を書いておきましょう。【例:山田太郎(やまだたろう)】
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