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ミステリ研時代の話その二 私は何を課題作に選んだか

・はじめに
 以前下記のように私のミステリ研時代の話を少し書きましたが、今回は「私が読書会で具体的にどの作品を課題作に選んだか」を思い出しつつ書いていきたいと思います。過去記事は以下です。

・横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』
 確か夏合宿でまとめて三作くらい行ったときの作品の一つだったと記憶しています。この作品は私の金田一耕助シリーズ最偏愛作品で(一番良いと思うのは何か、だったら『獄門島』です)、人の感想を聞きたかったので選んだ覚えがあります。評判はおおむね良かったですが、なかなかにドロドロしていて突っ込みを入れられました。

・エリザベス・フェラーズ『猿来たりなば』
 一読して、「これは素晴らしい!」と思ったので取り上げました。感想はどなたも高評価で、このときはサークルOBの方もいらっしゃっていて、動物にまつわるミステリを色々紹介してくださった記憶があります。参加人数も大変多かったです。

・連城三紀彦『戻り川心中』
 これは高校時代に読んでいて、叙情性とミステリとしての完成度が大変高いと感じていたので選んだ一作です。参加者の評価もこれも大変高く、やはり表題作と「桔梗の宿」が人気でした。参加者は20人くらいいた気がします。

・アン・クリーヴス『大鴉の啼く冬』
 現代英国謎解きミステリで良いものを見つけたな、と思って選んだ作品。残念ながら読んできてくれた方は少なかったと思いますが、そのときは「英国ミステリについてのイメージは?」という質問を投げかけた記憶があります。

・三津田信三『首無の如き祟るもの』
 「謎解きミステリとしてとても優れてるよね」という話をして選んだ作品です。読書会の枠が余ったのでおまけみたいな感じで行った記憶があります。正直な話、どんな会だったかあまり覚えていませんが、おおむね評価が高かったのではないかと。

・雑記
 こうして思い返してみると、「ものすごくマニアック」とか「知られざる名作」のようなものはほぼなく、王道を行っているような感じを持ちます(ミステリ読者としては)。
 他の人の課題作も大変面白いものが多く、色んな視点を読書会で身につけたような気がします。
 読書会の傾向として、「みなが認める名作」よりも「賛否両論わかれそうな作品」のほうが盛り上がる傾向が強いと感じました。名作でやると、「これ良かったよね」「だよね」という確認で終わってしまうこともあるので……(読者の実力不足と言われればそれはそうなのですが)。

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