禍話リライト:忌魅恐NEO「初対面なのに怖い話のことを解説してくる人の話」

 今回は、なんかこう…心霊的な解説とか急に言い出すやつはよくない!!!!!っていう。良くないぞそれはっ!!!!!っていう話ですね。ふざけるなあっ!!!!!っていう。

 かぁなっき氏が仲間内で車座になり怖い話をしているときに、流れで「怖い話の解説」の話題になった。

 そもそも「怖い話の解説」とは難儀なものである。
 結局はその人が持つ独自のフィルターを通して怪談の内容を曲解しているだけの時がままあるからだ。

 最も、話を聞いて不安になってしまった人を安心させるような、少し前向きな内容を最後に追補するのは別に良いだろう。
 何事も気にし過ぎるのが一番良くない。怖い話を聞いてしまった聞き手の不安をある程度解消する必要がある、という判断の基に、「大丈夫だよ」と聞き手に言い聞かせるようなことばを怪談の最後に付け加えることは、別に悪いことではない。

 問題はそれ以外だ。
 往々にして、怖い話に余計な一言を付け加えたがる連中がいる。
 何にでもスピリチュアルに結び付ける奴。やたら気が滅入るような怖いことを言って脅したがる奴。よく分からない独自の専門ワードを連発する奴。

 九十年代の心霊番組や怪談本には、余計な言葉を付け加える「解説」や「解説役」が配置されることが世の常だった。
 幽霊が見えます、聞こえます、別世界と私は通じています―そのように主張する人々が、怪談の最後に尤もらしい言葉を付け加えたり、心霊スポットでこれ見よがしに手を合わせたりする。
 当時小学生だったかぁなっき少年は、そんな連中を見聞きする度に(お前如きに何が分かるッ…!)と感じていたという。

 例えば同じ怪談や同じ心霊スポットの話をしていても、その「解説役」毎に言っていることが全然違うことがままある。
 その場所や話の中に怪異が実在するとして、果たしてそんな多種多様な内容になるだろうか?
 結局はその人の尺度で勝手に計っているだけじゃないか?
 特に分かり辛い独自のワードを連発するような形式の解説。もはやあれは厨二病をこじらせた人が訳の分からないことを言っているのと同じではないか。
 そんな解説がテレビ番組ならともかく、本に掲載された怪談に文章の形でくっ付いていたりすると、もう完全に冷めてしまう。
 あれは本当に意味のない文化でしたよねえ…。

 そんな持論を参加者の一人であるMさんに語ると、Mさんは
「ああ~…解説は良くないですよね。結局あれって、その人の…まあ、”それってあなたの感想ですよね”みたいなことじゃないですか」
 と同調してくれたのだが。
 かぁなっき氏はその様子がどうにも引っかかった。
 Mさんはその言葉をやたらと実感の籠った口調とシリアスな表情で、忌々し気に吐き出すのだ。

(あー…なんか周りにズレた解説をしたがる奴がいたのかな?)
 Mさんはかぁなっき氏よりすこし年上の方だそうで、かぁなっき氏の世代より「心霊ブーム」の感覚を引きずった人間が多かったことは想像に難くない。
 なので、もしかしたら「オカルトに自信がある解説したがり君」がMさんの周囲にいたのではないか―そう推測し、かぁなっき氏はMさんに水を向けてみたのだが、返って来たのは意外な言葉だった。

「そのね、これ…怖い…お化けなのかな?何なのかちょっとよくわかんない話なんだけど…」

 Mさんは非常に真面目な人で、変な冗談を飛ばしたりするタイプではない。そのMさんが真面目な顔で、こんなことを言っている。
 ということは…。
 かぁなっき氏の怪談センサーが光った。

(ぜったい怖いやつだ!)

「え~!どんな話か教えてくださいよ!」
「ああー…良いけど、いや…ちょっとよくわかんない話なんだよね…」
「あ、ここで話すの抵抗あるならもう、全然あとで…もう、アフターとかで良いですよ!聞かせてください!」
 Mさんがその場で体験談を語るのに抵抗がある素振りを見せたので、場を改めて二人きりで話を聞くことにした。

 最も。
 かぁなっき氏はサシでMさんから体験談を聞いた後に、
(なんでこれ人がいっぱいいるときに聞かなかったんだろう…)
 と後悔することになるのだが。

 当時大学生だったMさんは、学内のとあるゼミに参加していた。
 そのゼミは大学院に通っている生徒も参加するような規模で、後輩に対して先輩が積極的に絡んでくるような空気感の場だった、という。

 …かぁなっき氏はMさんから「これ以外のゼミの情報は伏せさせてほしい」と言われたそうだ。
 そのゼミが文系のゼミなのか理系のゼミなのか、大学はどの地方にあるのか、そういった細かい部分は出来るだけ言わせないでほしい、と。

 ある年の夏の入り口、そろそろ夏休みが始まる頃。ゼミ生のみんなで小さな集まりを囲んだ。女の子も含めた少人数でお菓子などを食べつつ楽しく話をする、「飲み会」と言うほどでもない規模のささやかな集まり。
 歓談を続けるうちに、会話は「ゼミのみんなでどういう思い出作りをしようか」という内容になっていた。
 ベタにキャンプ?それとも旅行とか?
 そんな話をしていると、集まりの中にいたAさんが急にこんなことを言い出した。

「あの、まあ…不謹慎?かもしれないんだけど、このゼミの身内…ほら、FとかKとか。あいつらと一緒に、ラジオ番組みたいなものを録音して後で聴く、って遊びをやってるんです」

 やや唐突な話題展開だったが、
「ああ~」
 場にいた皆は仲が良かったのか、その話題をさほど疑問に思わず受け入れていたという。
「やる!俺もやったことあるわ、それ」
「俺も似たようなことやってたな~。あれさ、喋ってるときは良いんだよ。すっげえ楽しいから。でもさ、後で聴くとクッソつまんないのね!あれ」
「わはははは!わかるわ~!」
 Aさんはみんなの同意を眺めつつ、
「ははは。うん、だから、そういうことを…なんか怪談ラジオ番組みたいなのを、やってるんですけどね」
 と、一言付け加えた。
「えーそうなんだ」
「怪談?面白そうじゃん」
「でもあれさ~、後で聞くとき超恥ずかしくない?なんかわからないんだけど」
「わかるわかる、なんかめっちゃハズいよね」
 そこで話はひと段落し、皆の会話はまた別の話題へと流れていった。

 後日。
 ゼミのみんなでAさんの家に遊びに行く機会があった。
 何かしらのタイミングで、MさんとAさんが二人きりになる時間があったという。恐らくは、宅飲みの途中でみんなが追加のお酒やつまみを買いに行ったのではないか、とかぁなっき氏は推測しているのだが。
 兎も角、その二人っきりになったタイミングで、Mさんは目の前の押し入れの襖が中途半端に開いていることに気付いた。
「あれ?Aくん、なんか押し入れ開いてるけど」
「あ、本当だ。これ建付け悪いんですよね…」
 襖に手をかけてみるが、確かに襖はガタついていてちゃんと閉まらない。
「一回バッ、って開けてから、こう…勢いよくピシッて締めたらちゃんと閉まるんじゃない?」
 お酒が入っていたこともあって、Mさんは人の家の押し入れに干渉することに全く抵抗がなかったという。少し腕に力を入れて襖を開けると。

 目立つ場所に、ケースに入ったカセットテープが一本置かれている。

「ん?何だい、これ」
「あ~…前に話しましたっけ?ほら、怪談ラジオみたいな遊びやってて」
 Mさんの頭のなかに、少し前の集まりで聞いた「ラジオみたいな遊び」の話題がぼんやりと浮かび上がってきた。
「そういや言ってたね。へ~、これがそれ?」
「はい、それです、それ」
 普通だったらここで話が終わりそうなものなのだが。
「聞いてみます?」
 Aさんはやけに乗り気な様子でそう勧めてきたのだという。
「う~ん…どうしよっかなぁ」
 MさんはMさんで、アルコールが頭に回っている。その場のノリに流されるかたちで、
「じゃあ聞いてみよっかな~!」
 Aさんの申し出を了承した。
「あ~じゃあ、それ貸しますから!」
 Mさんの返答を聞いたAさんはカセットテープを手に取ると、妙に積極的な態度のままMさんのカバンにそれを放り込んだ―そんな記憶が朧げに残っている。

 数日後。Mさんは大学の構内でAさんとばったり会った。
「あれどうでした?」
「え?」
「ほら、カセット貸したじゃないですか」
 そこで数日前の出来事を思い出した、が。
(いけね!忘れてたわ!)
 酔っぱらったときのノリで借りたものだから、Mさんはカセットテープを貸してもらったこと自体をすっかり忘れていたのだそうだ。
「あ~…ごめん!ちょっと忙しくてね…その…バイト的なサムシングが忙しくて聴けてないのであるよ…」
 若干怪しい言い訳で誤魔化してその場を乗り切った。
(借りた手前だしなあ…家帰ったら早送りでも何でもいいから聞かないと…)

・ ・ ・

 帰宅したMさんは、早速Aさんから借りたカセットテープを聞いたのだが。
 その内容がおかしかった、という。

 カセットテープをラジカセに入れて再生ボタンを押すと、いきなり音声が流れ出した。聞こえてきたのはAさんの声でも、集まりでAさんが名前を挙げていたFさんやKさんの声でもなく、とある芸能人の声だったという。
 バラエティ番組の中でその芸能人が自らの心霊体験談を語っている様子を、そのままカセットに録音しているようだ。音源は恐らくネット上に違法アップロードされた番組の映像ではないかと思われた。
(え?ナニコレ?)
 狐につままれたような心持のままテレビの音声を録音したものを聞いていると、タレントが話し終わったタイミングで、ぶつり、と音声が途切れる。どうやら映像の再生を手動で止めているらしい。
 無音になって間もなく、今度は全く聞き覚えの無い声による解説が挟み込まれた。

これは、あのぉ…地縛霊の仕業によるものと思いますねぇ。これは丁寧に供養しないとねぇ、良くないことになるんじゃないですかねえ。

 そう語り終えると、今度は何かを操作しているような音がかすかに入る。どうやらマトモな準備をしていないらしく、次の音声を流すのに微妙に手間取っているようだ。
 しばらくの間があって、別の芸能人が語る体験談の音声が流れ出す。

 …事前にAさんから聞かされていた内容と全く違う。
(いや、随分と奇抜な番組構成やねえ…)
 どこかから引っ張って来たであろう芸能人が語る怪談の音声が流れる。それに対して何者かが解説を挟み込む。カセットテープの中の「番組」は、ずっとその構成を繰り返す。

 聞き進めているうちに、あることに気付いた。
 体験談に付け加えられた解説がやたらとネガティブなものばかりなのだ。

これはねぇ…浮遊霊がこう…家に居座っちゃってる状態ですねぇ。ですから、ちゃんとした処理をしないと、障りがあるでしょうねえ…。

(…なんかさっきから嫌なことばっかり言ってるな?何これ?)

 それだけではない。
 さっきからずっと、強い違和感を抱いている。
 勿論、「番組」そのものの構成がおかしいのはもう前提として、そこではないところに何か猛烈な違和感がある。

 そもそもこの解説をしている奴は誰なんだ。AでもFでもKでもないし。
 そういえば、さっきから引用されているテレビ番組の音声もおかしいんだよ。なんかこれ…微妙に古い気がする。体験談を語る芸能人も、自分の世代だと何とかギリギリで分かるような人たちばかりで―
 そこでMさんは気付いた。

(…これ、喋ってるの死んだ人たちばっかりだな…?)

 恐らく、元になった番組の中では、今も生きている芸能人が自らの体験談を喋っているパートが存在するのだろう、と思う。
 このカセットテープはその番組の中から、わざわざ死んだ芸能人の体験談だけを抜粋して録音しているのだ。
 各々の死因はバラバラだ。
 普通に病気で亡くなった方もいれば、事故に遭って亡くなったというニュースが記憶に残っている方もいる。
 共通点はただ一つ。
 死んでいることだけ。

 …Mさんが子供の頃に絵本かなにかで読んだ話が、急に記憶の中から蘇ってきた。
 幽霊や妖怪の類を全く信じない学者だか侍だかが、百物語のような怪談会に参加する。
 その人が怪談会の参加者が話す怪談を聞いた後に、「いや、そんなことあるわけないだろ!」と周囲にツッコむと、自分以外の参加者が全員、すうっ、と消え失せてしまう。
 つまり、その学者だか侍だか以外は、みんな幽霊だったのだ!というシンプルな小話。
 …あの話が、今の状況に妙に一致しているような気がする。
 読んだ当時も、そして大人になってからも大して恐怖感を感じなかったその小話が、その時は怖くて仕方がなくなった、という。

(怖い!めちゃくちゃ怖いよこれ!なんなんだよ!)

 しばらくすると急に音声が途切れ、少しのあいだ無音が続いた。
 突然の静寂に身構えていると、何の前触れも無くざらざらとしたノイズが流れ出した。
(うわっ!急になんだよビックリしたあ!)
 一瞬の驚きの後に、どうやら「番組」のなかで”芸能人パート”が終わったらしい、ということが朧気ながら分かってきた。いま流れているのはまた別の”体験談”のようだ。
 しかしその”体験談”がまた奇妙なもので、確かに遠くで何らかの人の声がしているということは辛うじて判別できるのだが、風の音などのノイズがあまりにも激しく、話の内容を聞き取ることができないのだ。
 今までの流れから言えばこれも怪談を話している音声なのだろうが、どんなに耳を澄ましてもどういう話なのか全くわからない。
 もはやほとんど雑音同然の音声に耳を傾けているうちに、一つの推測がMさんの脳裏に過ぎった。

(これ、隠し録りじゃないの…?)

 何らかのタイミングで、怖い話とかありませんか?と誰かに話を振る。
 相手が語り始めたところで、ポケットなりカバンなりに隠しておいたカセットレコーダーの録音ボタンを押す。
 これは、そうやって録音された音声ではないか?

 雑音に塗れた音声が急に途切れた。どうやら”体験談”が終わったらしい。
 そしてまた解説が挟み込まれる。

いやぁ、これは○○先輩に警告してあげた方が良いと思いますよぉ。とても良くないことが起きる前兆ですよ。

 ○○先輩は大学院浪人的なことをしていて、ゼミに長く在籍していた人だった。
 彼は少し前に突然死のようなかたちで亡くなっている。
 先輩が亡くなったのは、確か…夏の入り口辺り、ちょうどゼミでAから「カセットテープに吹き込んでいるラジオ」の話を聞かされた頃だったはず―
 あのときのAさんの言葉を思い出す。

《あの、まあ…不謹慎かもしれないんだけど》

 そこでMさんは耐え切れなくなり、ラジカセの停止ボタンを押した。
(もう無理だよ…ちょっと待ってよ…え?最後とか隠し録りだったよな?なんなんだよこれ…)
 そこまで考えたところで。
(あ)
 急に、とても嫌なことを思い出した。

 Mさんには特定の科目の授業が始まる前にだけ行う、ちょっとしたルーティンがあった。大学の構内にある、人気ひとけのない空間で休憩してから授業に向かうのだ。
 そこは大学の中でもあまり知られていない穴場で、たいていMさん以外の生徒はいないか、あるいはいても一人か二人、という状況だった。
 Mさんはその落ち着いた環境で授業前に煙草やコーヒーを嗜むのが、とても好きだった。

 その日もMさんはいつもの場所で一服していた。
 すると、急に前からAさんがやってきた。
(ん?あいつ煙草も吸わないしコーヒーも飲まないのにどうしたんだろう…)
 そんなことを考えている間にも、AさんはMさんの方にどんどん近づいてくる。そのままの勢いでMさんの眼の前―異常に近いところまでやってきて、そこでAさんはやっと立ち止まった。
(…いや近いなオイ!こいつこんなに人との距離詰めてくるタイプだったっけ??)
 異常なまでの至近距離にうろたえていると、Aさんは出し抜けに
「なにか怖い話知ってますか?」
 と尋ねてきた。
(は?)
 正直なところ、かなり困惑した。
 何故Aさんが急にここにやってきたのかもわからないし、質問の意図もだいぶ不透明だ。
 これが夏、一般的に怪談に適しているとされるような季節だったら多少は納得できたかもしれないが、今は夏でも何でもない。サシでいきなり差し込む話題としては季節外れも良いところだ。
 脳裏に様々な疑問が過ぎったが、
「え、どうしたの?いやあ、なんにも知らんよ?」
 そう答えると、Aさんは
「ああ、そうですか」
 とだけ言って。

 ひょっとして○○先輩もAに同じように質問されて、うっかり怖い話を喋っちゃったんじゃないだろうか。
 その話を聞くAの手元にはテープレコーダーが忍ばされていて、それで○○先輩は―

(いやいやいやいやいや!気のせい、気のせいだって!!)
 あまりに怖い想像をしてしまったので、慌てて頭の中で取り消した。
(いやね!?だいたいね!?俺、別にAから恨み買われるようなこと、別にしてねーし!?FとかKとかにも!つーかFとK、結局カセットの中に出てきてねえし!なんなんだよ!!!)

・ ・ ・

 借りたものは返さなければならない。しかしこのテープ、返すためにはAに会わなければいけない。
 嫌すぎる。
 まさかAの家に直接返しに行くとか、絶対嫌だし。

 そう考えたMさんは、大学の授業でAさんと顔を合わせた際に、それとなくカセットテープを返却したという。
「どうでしたか?」
「…いや、怖くてさあ、途中で聞くの止めたよ…」
 そう答えたMさんに対して、Aさんはこう返したという。

「そうですか。その方が良いですよ」

・ ・ ・

 カセットテープの一件以来、MさんはAさんから距離を置いていたという。

 やがて月日は経ち、春。ゼミで卒業生の追い出しコンパが開催された。
 その二次会。
 酒が十分に回って浮かれた面々で満たされた広間の片隅、数人の女子とAさんが楽しそうに盛り上がっていたという。
 ふざけているのか何なのか、Aさんはまるで別人のような声で喋っている。Aさんがそんな声で喋っているのを見たのは、間違いなく初めてのことだった。確かにそのはずだった。
 しかし、Mさんはその声に聞き覚えがあって―

(あーっ…この声ってカセットの…)

・ ・ ・

「…ただね、これね、誓って言うんですけど。…まあ俺が思うには、ですけど、…でも本っ当にAの恨みを買うようなことはしてないんですよ。それは○○先輩も一緒です。あの人がAになんかちょっかいかけてたとか、そんな記憶は全くなくて。だから、これ…最悪ですよ?…最悪の可能性なんですけど、なんかの実験みたいなことだったんじゃないかって…」

 だから大学の名前も地方も言えないんですよね、とMさんは話を締め括った。

 もしも、不自然なタイミングで「怖い話はないか」とせがまれたら。
 せがんできた人が、怪談を集めているような趣味があるだなんて聞いた事がないような人だったら。
 …もしかしたら、迂闊に体験談を話すのは控えた方が良いのかもしれない。


◇この文章は猟奇ユニット・FEAR飯のツイキャス放送「禍話」にて語られた怪談に、筆者独自の編集や聞き取りからの解釈に基づいた補完表現、及び構成を加えて文章化したものです。
語り手:かぁなっき
出典:"禍話インフィニティ 第四十六夜"(https://twitcasting.tv/magabanasi/movie/794825908)より
禍話 公式twitter https://twitter.com/magabanasi

☆高橋知秋の執筆した禍話リライトの二次使用についてはこちらの記事をご参照ください。