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アトランタ・ブリスーーFunkatopiaでのインタヴュー
#WDPDTW 読書会に続いて、Funkatopia でもアトランタ・ブリスのインタヴューがありました。-iii<
読書会はインタヴューメインではなく時間が限られていますが、Funkatopia では2時間以上たっぷりインタヴューが行われました。読書会で聞いたものと重なる部分もありますが、新しいこともたくさん聞けました。ジャズのこと、マイルス・デイヴィスや、他にもたくさん、プリンスや他のミュージシャンとの思い出や音楽についてたっぷり話してくれました。
思い出せるところだけ、ラフなメモを書きます。
ミネアポリスに来て、アトランタ・ブリスと命名される
最初に参加したレコーディングは“Mountains”でした。エリック・リーズから連絡を受けて、アトランタからミネソタへ飛び、プリンスのバンドに入るオーディションを受ける予定だったのが、直前に「ごめん、オーディションじゃなくレコーディングになった」と言われたそうです。2日目には、プリンスがトランペットを吹く真似をしながら、アトランタ・ブリスと命名した。バンドに二人も Matt がいたら分かりにくいからと。
Small Club アフターショーの話(エリック・リーズとともに)
WDPDTW読書会のインタヴューでも話題になっていたアフターショーですが、さらに詳しい話が聞けました。
エリック・リーズが出ていなくて、ボニー・ボイヤーはキーボードを弾いていなかったということと、「Small Club」というキーワードから探してみると、1988年8月19日(8月18日の Lovesexy ツアーのライブの後のアフターショーなので、1988年8月18日となっていることもありました)のアフターショーが見つかりました。こうした音源のことはぜんぜん詳しくないですが、きっと名盤として有名なのではないかと感じました。そんなショーが山ほどあるのでしょうけれど、聴いてみると、ともかくカッコ良すぎる演奏でした。
エリックがいないということで、ホーンはトランペットのみなので、ちょっと珍しい音です。
この話をしている間に、エリック・リーズがインタヴューに飛び入り(1:07あたりから)して、びっくりしました。ジェシー・ジョンソンとエリックはいつも少し辛口風味で楽しいです。
エリックは、君がウソばかり話さないよう参加するよ、といった感じで登場しました。アトランタ・ブリスは、エリックは具合が悪かったから出演しなかったと話していたのですが、エリック本人は「この時は腹が立っていたから」休んだ。ストライキで無断欠席した。そして、この日は珍しくボーナスで100ドルが出演した各メンバーに出たそうで、「こういう時にボーナスが出るってことだよ」とエリックはおこでした。次の日の朝、エリックは一番早く楽屋入りして、そこにプリンスが来ると、穏やかに「調子はどう?」みたいな挨拶をされて、二人の関係は普通に戻っていたようです。
エリックは、このような話などをしたあと、ご飯を食べに行くからといって、さっさと退出しました。アトランタ・ブリスとは学生時代からの知り合いだということも分かり、演奏や音楽ではもちろん、本当に仲の良い二人なんだろうと感じました。
Prince 公式YouTubeチャンネル(訂正を追記しました)
WDPDTW読書会でも、Funkatopia でも、Small Club が公式YouTube にアップされているというチャット情報がありました。インタヴュー中に細々と確認されはしませんでした。
この情報を聞いて、まず、そんなのあったかな?と引っかかり、後で探してもなかなか見つけられませんでした。あれこれ探した結果、どうやら、公式チャンネルがアフターショーの動画自体をアップロードしたのではなく、「リリース」というセクションの中に Small Club というリストができていたということではないかと思います。
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![](https://assets.st-note.com/img/1730186745-T673MOlCpbKPfVySQr2mIExD.png?width=1200)
このセクションは自動生成されるらしいのですが、オフィシャルなリリースもそうじゃないものも入り混じっています。自動生成するなら、公式にアップロードされるものからだけ収集したほうがいいのに、中途半端な機能です。
(追記1)ここから訂正です!
ノーベル賞な Google の YouTube が「中途半端な機能」を提供しているという私の思い込みが間違っていたようです。↓のページに説明がありました。
アーティストの中には「自分の曲が無断でアップされてる!?」と思い込んで驚く方もいるようです。また、アーティストのファンもそのアーティストへの思い入れが強いあまり、善意のYouTube警察になってしまうケースを見かけたりもします。
後半の「アーティストへの思い入れが強いあまり、善意のYouTube警察になってしまうケース」を地で行っていました。早とちりでした。
YouTube のチャンネルは Prince で、ミュージックビデオは Princevevo で、音源は Prince Topic となっているでしょうか?
斜め読みしかしていないので、また勘違いしていたら困りますが、かつてブートとして出回っていた音源について、エステートが著作権を主張して(当然の権利ですよね)、そこから正々堂々と収入を得ているのじゃないかと思います。チャットからの、プリンスにSmall Clubがアップされてるという情報はまったく正しかったです。
プリンス公式YouTubeチャンネルのリリースページについての訂正はひとまずここまで。(追記終わり)
一見、公式にこのアフターショーがアップロードされたと思ってしまうようなデザインは問題あると思います。何が公式リリースされているのかわかるファンには問題ないですが、ファンの中の何割くらいがそういうファンなんでしょう。KIDさんの本やサイト、PrinceVaultといった信頼できるソースを頼る習慣があればいいでしょうが、だれもがそうではありません。公式チャンネル内から聴きに行けたらオフィシャルだと思ってしまうこともあるでしょう。問題なのは、そもそもPrince公式チャンネルの管理がなって(以下略)……。
公式のディスコグラフィーをきちんと整えるのはエステートの大事な仕事だと思うのですが、せっかく作りかけた Prince Discography Annotated が、途中で放置されているのはかなり問題あると思っています。
途中までとはいえ、公式のディスコグラフィーとして立派なのですから、さらに、プリンスファンがきちんと正しい方法でこのカタログを全て聴けるようにすればいいのに、非常に残念です。まずは基本的なところからコツコツ取り組んでほしいと思います。
(追記2)Small Club は、当初のリリースは公式ではなくとも、今は公式チャンネルで正しく配信されているっぽい。
ただ、ディスコグラフィーについては、配信の状況が変わっても、プリンスがリリースしたものの一覧と、2016年以降の正式リリースの一覧が必要なのは変わりありません。それ以外の流通してしまったものは、外部の人がリストを作れば十分な気がします。ただ、それぞの曲が YouTube にあるときに、プリンスから届けられたものか否かが区別されているとベターです。そこ、よろしくお願いしたいです。
急にインタビューに戻りますが、過去のとある楽しい出来事の話題になり、そのころにスマホがあったらいい写真がとれただろうね、というコメントから、ライブ会場へ Dot recorder(小型のレコーダー??) が持ち込まれる話になりました。1:56:00 あたりからです。アトランタ・ブリスは、サウンドボードから僅かなスキにテープが盗まれたことがあったとか、各会場でスタッフはサウンドボードにおかしなケーブルが繋がれていないかを確認するのが仕事だったといったことを話していました。Mir. Christopher さんからもブートに関してコメントありました。
YouTube をみると、エステートは、こうした音源からの収益をどんどん得ているのでしょうか。かつて、プリンスの違法アップロードは瞬く間に削除されていた時代がありましたから、ブート音源の収益を取り込む能力も当然のごとく獲得しているかもしれません。おそらく、dotted line に名前を書かせるような手続きさえすれば、あとは音源は制作済みですから、効率の良い技かもしれません。以上、想像で書きました。
ストリーミングのことをあまり意識していませんでしたが、時代はどんどん動いているのかもしれません。エステートの収入が増えて、ヴォールトの整理が進んだり、入手困難盤の再リリースなどに繋がることを切に願います。(追記終わり)
日本
脱線してしまいました。
1:30:00過ぎから、日本のことが話題になりました。ヨーロッパでのアフターショーはアメリカでの演奏と違うし、日本での演奏もまた一味違う。どうしてかという質問がありました。日本の聴衆は落ち着いていて、音楽をよく聴いている。スタジアムで雨が降っていたとき、みんな傘をさしていたのが、演奏が始まると、後ろの人が見えなくならないように、傘を下ろしていったんだ。全員が。日本のタクシーはシートに白いカバーがかけられているんだよ。日本ってそうなんだよ。プリンスも何か感じていたかもね。
と、日本人の心配りに感心したようでした。傘が一つ残らず下ろされたのは、どこのライブだったのでしょう?
アトランタ・ブリスの語り
書ききれませんでしたが、アトランタ・ブリスは、あんな曲やこんな曲の話、プリンスや他のミュージシャンとの思い出を、わりと淡々と喋るのですが、その場のことが想像できるような話がたくさんあり、とても良かったです。じわじわ感動しました。もっとキーワードだけでも拾ってメモしたかったのですが、あとは聞き直して楽しみます。
販売中の未発表音源のこと
2:15:59あたりから、Atlantabliss.comで買える音源について説明してくれました。Space in Time は、70年代にアトランタ・ブリスが作曲したもので、サックスはエリック。エリックはフェンダーローズのキーボードも弾いてるとのこと。アトランタ・ブリスは、普通のトランペットの他に、エレキ・トランペットも吹いている。5/4拍子、6/4拍子、11/4拍子になった(カウントとれないと思って聴いていましたが、無理もありません)。
もう1曲の Rainforest は、昔の仲間との共作と言っていました。
円安とは言っても、せいぜいコンビニスイーツ1個半くらいの値段で買えてお買い得で、おすすめです。