
『ジェシー・ジョンソンズ・レヴュー』40周年__Funkatopia③
ジェシーは、自分がギターを弾いたり、作曲したりしたのにクレジット表記されていないたくさんの曲があるという話を続けたかったようですが、どうにか本題の『ジェシー・ジョンソンズ・レヴュー』へ移りました(25:25)。
ソロとしての初仕事でのレーベル選びの話から始まって、アルバム収録曲を1曲ずつじっくりとインタビューが行われて聞き応えありました。
ソロ活動
Vertex Effectsのインタビュー(26:04)では、このアルバムや曲はどんなコンセプトだったのか?という質問に、アルバムを完成させなければと怖くて必死で、これといったコンセプトはない、というような答えでした。
Funkatopiaのインタビューも含めてですが、プリンスの庇護のもとから飛び出すと、レーベルとの契約から始まり、レコーディング環境を整えたりやり方を覚えたり、すべて自分でやらなくてはならないし、お金もなくて苦労したようでした。それでもセルフプロデュースにこだわります。
この時期、スー・アンが励まして助けてくれたという話などもありました。コーラスにも参加して助けてくれているのですが、クレジットのことまでは手が回らなかったようです。スー・アンのほかに、“Can You Help Me”のバックヴォーカルにはジャーメイン・ブルックスが加わっているとのことでした。
女の子の歌ばかり
印象に残った話題は、Mr.クリストファーさんが、このアルバムの曲は女の子についての曲ばかりで明快でいいですねと質問したところでした。
ジェシーは、本当?と聞き返していて、そういう意識はとりあえず持っていなかったようでした。
周りにプリンスやモーリスのようなすばらしいミュージシャンがいて、プリンスのように尖っていない、モーリスのようにピンプじゃない、自分はどんな曲を作れるか、そんなところを探っていって直球な女の子のことを歌った曲ができたということかもしれません。
“Just Too Much”については、セリフ語りのところで「Corny」で恥ずかしい、と言っていました。Cornyは、「センチな」「陳腐な」という意味のようです。
初心者としての感想ですが、このアルバムは、いくつかのPVも含めて等身大のかっこよさを感じました。ジェシーは男前なのに、わりとクールに装って、でも、なかなかにトキメク曲を作っていると思います。とってもキュンキュンときめく曲がたくさんあると思います。
私はシーラ・Eの“The Belle of St. Mark”が大好きですが、これもジェシーが作ったものです(この曲の代わりに“Shortberry Strawcake”にジェシーがクレジットされましたが、後から表記を消されたとジェシーは言っていました)。今回、クレジット表記の件では何度もフェアではないと訴えていたジェシーですが、“The Belle of St. Mark”の曲名は出てきませんでした。それは偶然かもしれませんけれど、プリンスとシーラのコラボからあまりにもハッピーな雰囲気が溢れて出てくる曲なので、もしかすると文句を言う気になれなかったのかもしれないと妄想しています。
横道にそれましたが、私はジェシーの作るときめいた感じの曲が大好きです。いくつかのタイプの恋の曲が入った『ジェシー・ジョンソンズ・レヴュー』は一般的にどのような評価なのかわかりませんが、個人的にはとても気に入りました。中高生の頃にリアルタイムで聴きたかったと思いました。
その他メモ
35:05 プリンスやモーリスとスタジオに泊まり込みでがんばった、という楽しい思い出(?)
41:49 “ジャングル・ラブ”のデモをプリンスに聴かせて、レコーディングした
42:58 レコーディングの仕方を覚えなくてはならないし、リードヴォーカルにも苦労していたが、どうにか“I Want My Girl”ができた。スー・アンにとても助けられた
48:14 このアルバムでプロデューサーとして目指した音
1:03:06 謝辞の中に書かれた「attic」とは
1:05:29 プリンスのところに泊まり込んでレコーディングしていたら、プリンスと付き合っているんじゃないかと彼女に疑われた
1:30:31 “Just Too Much”のベース