いとうさんへ 2020/12/30
今年最後のお手紙を書いています。
いとうさんはどんな気持ちで年末をお過ごしですか?
宮崎は、今日は風が強く午後からは気温がうんと下がってきました。
お隣の鹿児島は雪の予報だそうです。宮崎はどうかな。
ちょうど10年前のことになりますが、息子が大学受験勉強をしていた大晦日の夜にめずらしく雪が舞いました。
とても静かな夜で、いまでもあの日の冷たい空気の匂いを覚えています。
声をかけたくても我慢して見守っておりました。思い出と音楽や匂いってリンクしますね。
私は冬の冷たい空気の匂いが大好きです。
大晦日は明日なので、まだ一年を振り返るには早すぎます。もう少しやっつけなくてはいけない仕事も残っていますし、大掃除もお雑煮の準備もまだです。今年はとうとう葉書での年賀状を諦めてしまいました。だからいとうさんにもどなたにも届きません。ごめんなさい。
そのかわりに年が明けて桜の花が咲く頃に大好きなみなさんに「春の便り」を出せたらいいなと、これもまた言い訳ですがそんな風に思っています。この便りはいとうさんにも届きます!
先日のお便りのweworkでのキャラクターワークの展示の話、とても羨ましい気持ちで読ませていただきました。あぁ、行きたかった!
来年は絶対ご一緒したいです!
キャラクターに関わる仕事をしている私たちは、いつも誰か(?)を育てていますよね。今年もたくさんのキャラクターとの出会いがありました。私がデザインを担当したキャラクターもいくつか生まれました。
この子は中国の四川省成都市青羊区のキャラクターです。ここには青羊宮という寺院があるんですって。なんでも老子が青い羊を連れてここを通ったらしいです。中国の自治体からのお仕事は珍しいのですが、デザインコンペからスタートし、最後は着ぐるみになって巣立って行きました。
ちょうど日本では緊急事態宣言が出たころにお話をいただき、日本中がなんとなく、しん、としていた夏のはじめに完成しました。
しん、とした中で生まれた元気な子だったので、そのことがとてもうれしかったのです。あぁ、この仕事してて良かったな、とつくづく思ったのでした。でも、青ではなく黒い羊が選ばれたのは謎です。
この他にもいくつかありますが、現在進行形で、今まさにお産中の子たちもたくさんいます。そうだ、その中に私たちの工場のある新富町のキャラクターも含まれているんです。
名前は「おとみちゃん」
普通の女の子です。でもどんどん成長するキャラクターになる予定。新富町の子供達と一緒に作っています。コンセプトも、お洋服のデザインも、着ぐるみの製作も子供達と一緒にやるんです。先日、子供達とのワークショップをオンラインでやりました。
ディスカッションのお題はこの2つ。
「おとみちゃんに何を着せたい?」
「おとみちゃんと何をしたい?」
子供達の想像力は無限ですね。着せたいもののナンバー1は、パーカーでした。やりたいことのナンバー1は、一緒に動画配信でした。youtuberになってほしい、とか、町のことを紹介して欲しいとか、一緒にミュージカルに出たいとか、ラグビーや水泳もやりたいとか。
来年の春に誕生するおとみちゃんのこと、どうぞウオッチしておいてくださいね。参加した私もとても楽しくて、はしゃぎすぎました(笑)
お正月に向けてますます冷えるらしいですね。
南国宮崎も実は寒いのです。
ビタミンと睡眠をたくさんとりましょう。
そして2021年は、私たちの飛躍の年ですよ。楽しみですね。
それでは、今年も本当にお世話になりました。
ご家族揃って穏やかなお正月をお迎えくださいね。
かのうひろみ