知らないイオンで映画を見た

 在宅勤務が続くと、とにかく何でもいいから外出したくなる時がある。

 最近知り合いから「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」というアニメの劇場版がとにかく凄いという話を聞いていて、平日に急に何でもいいから外出したくなったので見に行くことにした。ただその頃には地元埼玉では軒並み上映が終わっていて、さらに新宿の映画館は席が空いていないという事態になっていた。
ただもう何としても見たくなっていたので、とにかく同じ埼玉県内で上映している劇場を探してみた。すると、まったく行ったことない市のまったく行ったことのないイオンシネマで、唯一仕事終わりに見に行ける時間の回を見つけた。予約した時点では一つしか席が埋まっていなかった。

 仕事と並行して急いで準備して、使ったことない電車を乗り継いで降りたことない駅で降りて、乗ったことないバスに乗って1時間ほどかけて知らないイオンに着いた。仕事終わりにこういうことをする余裕があるのは在宅のいい所だ。中学生の時、放課後自転車を走らせて地元のイオンに行ってた時のことをなんとなく思い出していた。

 上映まで1時間ほどあったので夕飯を食べることに。入口付近にはケンタッキーとかマックとか色々店があったけど、自分はフードコートを目指した。イオンと言えばフードコートだ。最近はフードコートでもかなり色んな種類の店があって、海鮮お茶漬けとか見たことない店もあったけど、悩んだ末石焼ビビンバを選んだ。イオンと言えばフードコートだし、フードコートと言えば石焼ビビンバ。全然珍しくないけど専門店とか行かないので普段食べないもの、なのでフードコートに来ると高確率で石焼ビビンバを食べてしまう。ちなみにそこの石焼ビビンバは全く美味しくなかった。

 これまたイオンあるあるで、とりあえず乗ったエスカレーターで映画館とまったく反対側に出てしまった。映画館に向けてイオンの中を移動する途中、なんかこれはこれで悪くないなと思った。基本的にどこのイオンも店のレイアウトは一緒だけど、入ってる店は違うので「なんか知らないイオンだなぁ」という事は分かる。
自分は知らない街の住宅街を歩いてる時の「まったく知らない景色だけどどこか懐かしい感じ」が好きなんだけど、これは逆に「めっちゃ懐かしい景色だけど全く知らない感じ」が楽しかった。

 レヴュースタァライトの映画も噂通りかなりすごかった。数年前にテレビシリーズを見た程度なのでうろ覚えだったけど、演出と音楽の素晴らしさで一気に引き込まれて、まったく余韻を残さない終わり方にあっという間の90分間だった。

 映画館の外に出ると、飲食店が早く閉まる影響でほどんどシャッターが閉まっていて、帰り道が分からずかなりパニックになった。とりあえず女子高生についていったらなんとか外に出られた。帰り道は全部知ってる道だったのでめちゃくちゃつまんなかった。

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