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己道我道「あっ!ご、ごめんね……」
1:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:43 ID:me1t0gakuen
己道「痛くなかった?怪我してない?」
アーク「……」
十秒再生「……記録」
ミカ・ザ・ナイト「……」
鬼委員長「……これは…………」
己道「あ、あれ……?」
2:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:45 ID:me1t0gakuen
アーク「……己道我道。もう一度聞くが、先ほどの謝罪は僕に対して言ったということでいいんだな?」
己道「うん。ぶつかっちゃったから……その、本当にごめんね?」
ミカ「ッヒィ……!っんふっふはははは!ダメだごめん!面白すぎる!」
鬼「こらミカ、あまり笑ってやるものではないですよ。……それにしても、あの己道が謝るなんて……」
十秒「ほんと、いくらフィルムがあっても……いや、うん。面白がるのはやめにしよう。これは明らかな異常だ。えーと……己道君。何か心当たりは?」
己道「こ、心当たり?……ご、ごめん。なんの?」
十秒「……ううん、なるほど。これは思ったより深刻そうだぞ」
3:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:47 ID:me1t0gakuen
十秒「己道君。いくつか質問していいかい?」
己道「え、うん。なに?」
アーク(素直に応じた……)
十秒「電柱にぶつかったら、まず何をする?」
己道「よ、避ける?……以外にある?」
十秒「……例えば、僕が君の『どうしても欲しい!』ってものを持ってたら、どうする?」
己道「う~ん……どこで買ったか聞く、かも。売り物じゃなかったら、残念だけど……」
十秒「そうか、じゃあ、最後に。キミってずっとそうだったっけ?」
己道「え、うん。……違うの?」
4:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:51 ID:me1t0gakuen
ミカ「えーっ!つまり、この己道は元のあの……あの己道を憶えてないってこと!?」
十秒「どうもそうみたいだ。今の己道君には、自分が異常な行動をとっているって自覚もないらしい。」
鬼(電柱引っこ抜いたり他人の物を強奪する方が異常なのでは?)
十秒「今はアーク君が分かる限りで本人情報の確認をやってくれてるけど……」チラ
アーク「では次の質問だ。好きな食べ物は!?」
己道「え、えー……クリームあんみつ?」
アーク「ふ、ふふふ……!すごいぞ再生!この己道なんでも答えてくれる!データが!データがどんどん!」
十秒「……趣旨変わってるな?」
5:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:53 ID:me1t0gakuen
アーク「すまない。滅多にとれないデータがじゃんじゃか出てくるものだから取り乱した」
十秒「もう、今の己道君に聞いても本当かどうかわかんないんだから……で、どうだったの?」
アーク「ああ。身長、生年月日、名前、住所、下校途中のパン屋で毎回買うパンの種類まで完璧に暗唱可能。特に思い出すのに苦労する様子もなかった。本人と見ていいんじゃないか?」
十秒「……なんで君がそんなことまで知ってるのかはこの際置いておいて、なるほど。じゃあコピー人形とか別人が成り代わってるって線は薄いと見ていいか……」
鬼「であれば、今日の朝から今までに何かされた、と考えるのが自然でしょうけど」
ミカ「あいつになんか出来る奴なんている~?」
アーク「任せろ。いくらか心当たりがある」
6:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:05 ID:me1t0gakuen
誇大演者「うひゃひゃひゃひゃ!!!これがあの己道我道サマ~~~!!???」
己道「どうも……」
十秒「ついさっきこうなってるのが分かって……何か知らない?」
ミカ「アンタならコイツの領域真似っこしてなんか出来んじゃないか、って」
誇大「ンだよオレがやったってか~?そりゃオレが最初にやりたかったよこんなおもしれ―コト!だが残ァン念、なんも知りませ~ん。ブシュ~」
アーク「校内で見かけたりはしなかったか?」
誇大「ああ~?……ああ、そういや朝に見たな。相変わらず自分以外なんも興味ありませ~んって顔で廊下歩いてたぜ。こ~んな目して。こ~んな」
十秒「また大げさに……でも、朝までは普通だったってことか」
誇大「ってかンな事どうでもいいからよ~、我道チャンあっちでお兄さんと一緒に遊ばない?ジュース奢ったげるからサ♡」
己道「ご、ごめんなさい……遠慮します……」
誇大「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!おんもしれ~~~~~~~~~!!!!!!しばらくネタ元にゃ困んねーな!!!!!」
アーク「あの己道がおもちゃにされている……」
鬼「……次に行きましょうか」
7:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:15 ID:me1t0gakuen
煌輝えりあ「ええ~~~っ!己道さんが……普通だ!」
己道「こ、こんにちは……」
えりあ「こんにちは~っ!すごいすごい!己道さんと普通におしゃべりしてる!」
ミカ「己道の場合、普通なのが普通じゃないっていうか……」
アーク「えりあ、この現象は君の仕業では?」
えりあ「う~ん……よく分からないけど、わたしの"日常"が広がるのは私の周りだけだから……確か、教室にいた時からこの調子だったんだよね?」
鬼「ええ。えりあは、30分ほど前はどこに?」
えりあ「零華ちゃんと自分の教室でおしゃべりしてたから……うん、やっぱり私の影響じゃないと思うなあ」
十秒「……なるほど。逆に煌輝さんの"日常"の中にいても変わらないってことは、遠距離からの能力によってそうなってる訳ではない、ともいえるね」
えりあ「……己道さん、今度一緒にお茶しましょう!こんな機会なかなかないと思うし……!」
己道「うん、僕で良ければぜひ」
ミカ「……やっぱ慣れないわ~、僕って言う己道」
鬼「かなり不気味ですね……」
十秒「……うん、次に訪ねる人が決まった。行こう、みんな」
8:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:26 ID:me1t0gakuen
正式正義「で、僕を訪ねてきたって訳か。」
鬼「まさか……会長の矯正が成功したと?」
正式「出来るならとっくの昔にやってる。何度言ってもああだから我が永遠の宿敵なんだ。なあ、己道我道?」
己道「いやあ~、ご迷惑をおかけしていたようで……申し訳ない」
正式「……目の上のたんこぶとは思っていたが、いざこうなると張り合いがないというか……不気味だな。それで、私に何かしてほしくて来たのだろう?」
十秒「はい。今までの話から恐らく、この異常現象は"己道くんの体のどこかで『異能』が働き続けている"ことが原因なんじゃないかと……それも、『領域』を破るくらいに強力な」
正式「……なるほどな。それをいちいち探すより、私の力で引きはがした方が早いだろう、という訳だ」
十秒「お察しの通りで。すみません、会長を便利道具みたいに」
アーク「まて。"『領域』を破って作用し続ける異能"?そんなの僕のデータにはないぞ?」
ミカ(出た)
正式「ああ、そうだろうな。しかし私の方で原因には大方見当がついた。犯人……と言うのは悪いが、それももう少しでここに姿を現すだろう」
アーク「それはどういう……」
正式「じきに分かる。少し下がっていてくれ。……己道、少し痛いぞ」
己道「……ッ!」
正式「負罰蓋正!!!」
9:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:33 ID:me1t0gakuen
十秒「……己道君の身体から何か剝がれて……、これは……」
ミカ「……シール?変な柄の……」
コンコン ガチャ
「すいませーん、忘れ物……あ、さっきの嫌な人」
正式「ああ、これだろ。大事な書類だ、秋空千貼くん」
千貼「はい。ありがとうございまーす」
アーク「キミが……己道普通化事件の……犯人?」
千貼「え。なんですかそれ」
正式「キミ、帰り際にこの男にシールを貼りつけたりしなかったかい?」
千貼「ああ、しましたー。ぶつかったのに謝りもしなかったのでムカついて」
正式「紹介しよう。彼女の能力は『強いる転心』。貼り付けた相手に問答無用で柄に応じた"心変わり"をもたらす能力らしい。」
ミカ「あー。たしかに、リサイクルマーク?みたいなシール……」
鬼「察するに、効果は"性格反転"ってところでしょうね」
千貼「えー。急にバラされた……転校ゼロ日目なのに……」
アーク「転校……なるほど、だから僕のデータになかったのか!想定外……データに抜けがあったわけではなかった……!」
ミカ「よかったね、データオタクくん」
己道「…………ぅ゛………………」
鬼「あ、己道が目覚めます」
十秒「……さて。」
10:以下、名無しにかわりまして名都学園がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:39 ID:me1t0gakuen
己道「ここは……」
十秒「……大丈夫かい?いやあ、実は己道君そこの廊下で突然倒れてさ、安全のためにこの正徒会室に……あ、これダメっぽいな」
ミカ「ダメっぽいって何」
己道「………………」
己道「………………………………」
己道「絶対的自己実現領域!!!!!!!!!」
11:以下、名無しにかわりまして己道我道がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:40 ID:0n0m1ch1gad0
ミカ「えっ、ちょ」
9:以下、名無しにかわりまして己道我道がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:33 ID:0n0m1ch1gad0
鬼「な、どうなって」
6:以下、名無しにかわりまして己道我道がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 16:05 ID:0n0m1ch1gad0
誇大「あ?お前らさっき」
4:以下、名無しにかわりまして己道我道がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:51 ID:0n0m1ch1gad0
アーク「データに」
2:以下、名無しにかわりまして己道我道がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:45 ID:0n0m1ch1gad0
己道我道「……」
1:以下、名無しにかわりまして己道我道がお送りします:20‐‐/‐‐/‐‐(金) 15:43 ID:0n0m1ch1gad0
己道「知らん!!!!!!!!!!!!!!!!!!」バキッ
アーク「なんでッ!???」ドシャア
完
十秒「なんかすごい記録が録れてる……」
えりあ「己道さんとお茶、楽しみだな~♪」
本当に完