今週の良かった新曲感想【2/26~3/4】(Part2)
どうもです。
毎週恒例の新曲感想記事。2/26~3/4リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に自信をもってオススメできる曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に。ではどうぞー。※今回ボリュームが凄いので、記事を2つに分けております。Part1の方も是非。
#1『SKINDEEP』/ DEXCORE
名古屋発V系メタルコアバンドのシングル。約1年ぶりとなる新曲で、サブスクも解禁はいつも通り数ヶ月後にリリースされるかと思います。
リリックもサウンドもスクリームもブチギレまくってて、DEXCORE史上最も真っ直ぐで攻撃力の高いメタルコアに仕上がったなと。リフとかどことなく10年代のメタルコア全盛期を象徴するバンド達の魂も感じますね。クリーンも最小限かつメロディの圧力が全く下がってないと云うか。ライブでは寧ろシンガロングを迎えてより強くなりそうです。
#2『HOUKOU』/ a crowd of rebellion
2022年に結成15周年を迎えた、新潟発のメタルコア/スクリーモバンド。昨年はBa. 中尾佳介が正式加入した新体制初のミニアルバム『ALVA』リリースし、それ以来初となるシングル。3月3日の主催フェス『咆光祭2024』を以ての無期限活動休止も発表され、活動休止前最後の音源となりました。
Tr.1「HOUKOU」はリベリオンらしい疾走感溢れる激情的に泣けるメタルコアで、"これだけでしか生きれなかった"、"これだけでしか救えなかった"と云う赤裸々な想いが突き刺さってしまいましたね。"またね"って…。Tr.2「孤℃狗」は治安悪く殺意高めのカオスな展開ながら、クリーンパートではライブを意識したフレーズがしっかり組み込まれているの流石だなと。最後にライブを観たのは昨年の3月、どうかそのまま解散だけはしないで欲しいなと…大好きなバンドなので帰りをいつまでも待ちたいと思います。
#3『The God I Fear』/ Another Story
東京中心に活動を行うラウド/スクリーモ系ロックバンドの新曲。昨年3月に新体制になって活動再開してリリースしたニューEPに続く、5ヵ月連続リリースの最後となる第5弾。
今のアナストが持つ全てがぶち込まれた1曲で、あの頃のバイブスを感じさせる原点回帰感もありつつ、更にダークにヘヴィにテクニカルに進化。緩急を引き立たせるシンセも良いですね。Vo. KeiGoの金切り声に近いハイスクリームは唯一無二で、デスコアに接近してるブレイクダウンも驚きでした。
#4『HEX』/ Another Now
オランダは北ブラバント州アイントホーフェン出身のメタルコア/ポストハードコアバンドの新曲。5月22日に2ndアルバム『HEX』をリリースする事も合わせてアナウンスされました。
ヨーロッパ圏らしいシンセブレンドはいつも通り、どこか不気味なサイバーパンク気味の世界観を魅せてきた1曲。珍しくクリーンが無く、ハイスクリームを多用したり、ラスト長めのブレイクダウンだったりと、デスコアっぽいアレンジにも驚かされました。もう1stアルバムとは全く違う作風になりそうで期待が高まりますね。
#5『OVERDOSE』/ AVRALIZE
南ドイツ出身のプログレッシヴ・メタルコアバンドの新曲。3月22日にArising Empireよりリリースのデビューアルバムから先行リリース。
切なげで哀愁漂うメロディが印象的な1曲で、プログレ要素は控え目かと思いきや中盤からしっかりDjentDjentしてきてブチ上がり。グルーヴィーで浮遊感あるサウンドを貫く様なエネルギッシュな叙情系メロシャウトも素晴らしいですね。ブレイクダウンも忘れずに最後にあって一安心。
#6『Sunspear』/ Sunspear
アメリカ北カリフォルニア州ノースカロライナ出身のメタルコアバンドの記念すべきセルフタイトルの1stアルバム。昨年からリリースされた3曲を含む全10曲を収録。
硬派すぎる1枚。シンセ等を全く使ってない訳では無かったですが、どちらかと云えば時代に逆行したスタイルで、どこかポストハードコアの流れも汲んだメロディックメタルコアをプレイしてますね。重戦車の如くサウンドの凝縮されたアグレッシヴな質感が逞しい一方で、Djentリフも時折垣間見え、ピロピロフレーズも際立つテクニカルな一面は美しいですね。Tr.10「Compromise」とかギターソロ泣き散らかしてて最高でした。この辺りのバランス感覚はツインボーカルにも現れており、獰猛なスクリームと対照的に伸びやかな高音を響かせるクリーンボーカルがかなり魅力的で、スケール感あるドラマティックな展開美に間違いなく一役買っていると思います。フィーチャーリングゲストは多いんですが、フックが弱い気がしないでもないので、もう少し聴き込んでいきたいなと。ギリ名盤入りは難しいか…?
#7『Venom』/ Ankor
スペインはカタロニア出身のオルタナティブメタルバンド。2022年6月からDr. Ra Tacheに代わってEleni Nota(ex-Nervosa)が加入した新体制では、これで5曲目。
新体制後はメタルコアに接近してますが、今回もその例に漏れず様々な要素を取り入れた独自のメタルコアスタイルとなっており、緊張感を煽る予測不可能な展開が最高でした。オシャレでクールなEDMの雰囲気を盛大に取り入れつつ、ツインペダルを駆使したブラストビートで畳み掛ける終盤が特に気に入っています。
#8『In Death』/ Aphasia
アメリカニューヨーク出身のプログレッシヴ・メタルコアバンドの新曲。2021年リリースのデビューアルバム『Rebirth』以来の完全新曲はコレでやっと3曲目。
Invent Animate系の影響を感じるアンビエント要素があり、どこか陰鬱としたセンチメンタルな雰囲気と、浮遊感溢れるフレーズが印象的な1曲。プログレはこの系統が個人的にはアツいですね…ドイツのTravellerもですが、メリハリと云うか綺麗だけど瞬発力もある展開がとても好み。
―――以上、2/26~3/4(Part2)はアルバム1枚、シングル7枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。Part1未読の方は以下から是非お願いします。
その他何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!
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#ライブレポート
【3/4 tayori 1st Live "春を待つ"@SHIBUYA PLEASURE PLEASURE】
2人組ユニット"Islet"で作曲活動を行っていたraku(Gt)・tazuneru(Ba)と、ボーカルisui(倚水)のコラボレーションをきっかけに誕生した3人組ユニットtayori。初の単独ライブに行ってきました。数年前Isletの時からファンだったので参加を決めましたね。この日はメンバー3人に加えて、サポートドラムで志雄 (Rides In ReVellion)が参加してくださいました。
SHIBUYA PLEASURE PLEASURE初めて来たんですが、ライブハウスと云うより劇場の様な箱で、ステージ高いし、座席もフカフカでドリンクホルダーまである快適空間でしたね。いつも通りビール片手。
入場に時間が掛かったのか20分押しで開演。暗転すると倚水さんの白いワンピースを始め白衣装統一されたメンバーが登場し、1曲目はtayoriとして初リリースされた「風のたより」でスタート。歌声が会場に響いた瞬間、色んな想いがこみ上げてきて気づいたら涙してましたね…。倚水さんの優しく透き通った歌声は生歌でも健在で、会場の空気が一変する程でした。続けて衣装にもピッタリなサウンドを奏でる「白昼夢」、ライブタイトル曲であり、Isletと倚水の出逢いの曲でもある「春を待つ」まで続きました。倚水さんも緊張している様子は全く無く、両手でそっとマイクスタンドを握りながら時に目を瞑って歌う姿が印象的で。楽器陣もそれを見守りつつ、観客とも笑顔でアイコンタクトを取りながら演奏してました。温度感を保ったまま次は「花がら」が披露され、ステージを照らすオレンジ色の温かいライティングが楽曲の世界観をより一層引き立ててくれました。本当に綺麗だった。
MCなど休憩時間は無さそうな雰囲気でライブは進み、朗読ナレーション(歌詞の一部だった様な違かった様な…)が流れた後「ビビッド」を披露。リズミカルなメロディが楽しく、身体でリズムを刻みながら演奏してるメンバー姿に釣られる様に身体を揺らしてる観客が多かったと思います。クラップも煽ってくれて楽しかったですし。続いて、rakuがアコースティックギターに切り替え、tazuneruもシンセを弾き始め「夢遊」と「鯨の背中」を披露。素朴で優しい音色をベースにした、幻想的でドラマティックな世界が拡がり、身体が軽くなる様な不思議な感覚にさせてくれましたね。椅子に掛けながら歌う倚水さんの姿に見惚れてしまった人も多そうです。
時間感覚が殆ど無いまま進んできたライブも中盤に差し掛かり、流れたのはIslet時代の大自然を彷彿させるSE曲「Evanence」、メロディに合わせて倚水さんによるバンドメンバー紹介もされ、観客からも大きな拍手に包まれました。そのままIsletの曲が続くのでは…と云う予感の通り、「春愁」「夏残照とカゲボウシ」「アウルソング」の3曲を続けて披露。どれも倚水さんを迎える前にリリースされたIslet楽曲で、打ち込みで原曲通りボーカロイドIAの声も薄っすらと聞こえるし、それにハモるように重なる倚水さんの歌声により変貌を遂げましたね。奥行きあるサウンドスケープが更に引き立つと云うか、詩的で叙情的な言葉に溢れた歌詞も相まって、映画を見ているみたいでした。中でもエモーショナルナンバー「夏残照とカゲボウシ」は大好きだったのでガチ泣き。志雄のパワフルなドラムが牽引する中、気持ち良さそうにギターソロを全力で魅せつけてくれたrakuの姿も脳裏に刻まれています。最高にカッコよかった…。
懐かしいIsletパートを終えると朗読が再び入ってから、イントロが印象的な「星になる」を披露。もう心が震え、これも名曲だなと改めて実感させられましたね。観客のクラップに包まれながら突入する落ちサビからラスサビに掛けてが手に力が入る程ドラマティックで、倚水さんもライブ終盤とは思えないパワフルで伸びやかな歌声を響かせてくれました。ここまでノンストップで来て、いよいよ本編ラストとなり披露されたのは、やはり1st アルバム『memento』でもラストを飾った「メメント」でした。エンディングに相応しい、寂しくも希望を感じさせる壮大なサビメロがエモーショナルで、身体に沁み渡っていく感覚を一生忘れる事はないでしょう。アウトロが流れる中メンバーは一度ステージを後にしました。
アンコールは「流転」が流れながら再登場し、披露されたのはまさかの新曲「可借夜」。初披露となった今楽曲、興奮状態で殆ど記憶が無いんですが、安定のtayoriらしい世界観が拡がる1曲でした。なお、可惜夜の意味は、"明けてしまうのが惜しい夜の事"だそうです、アンコールに相応しいですね。
そして、観客は待望だったであろう、このライブ初となるMCタイム。1人1人数分時間を取って自己紹介とお話を聞かせてくれました。
倚水さんは、「すごく緊張してたんですが、途中から楽しくなって自分史上1番、人前で楽しく歌う事ができました」と嬉しそうに語ってくれて、あと可愛い靴をせっかく持参したのに履き替える痛恨のミスをしたと、笑いに包まれてましたね。
tazuneruさんは、「普段は作曲ばっかりステージに立つのが久々で、喋る方が緊張しますね」と本当に緊張してそうな雰囲気でしたw 「緊張して話せないのでrakuさんにパスします」ということで、
rakuさんは、「リハだと緊張したのに、いざ始まると本番はあっという間で楽しかったし寂しいですね」と周りのメンバーも同じく頷いてました。「因みに、着席指定なのは私が着席の方が好きだからなんですが、いざやってみるとちょっと寂しいですね。でも、すごく温かく見守ってくださってて、曲に浸ってくれていたら嬉しいです」と想いを語ってくれました。
今回サポートで入った志雄さんは、「倚水ちゃんの歌声に癒されながら、最後まで楽しく叩くことができました。皆さんも楽しかったですか?」と、観客も拍手で応え、rakuとの会話では10年前からの音楽仲間である繋がりも感慨深そうに語ってくれましたね。
名残惜しいのはやはりお互い様で、本当に終わってしまうのが寂しいとメンバーも言葉を零す中で、改めて倚水さんから、「本日は来てくださってありがとうございました。この1stライブを最初の一歩として、これから色んな景色を見て、色んな人に会いに行けるように活動を続けていくので、これからも末長くお付き合いください。 最後は楽しく終えられたらなと思います」と最後の言葉を告げられ、アンコールラストは「深夜特急」が披露されました。歌詞の"覚えた寂しさは きみとまた逢える魔法"が今日ほど刺さる日はないでしょう。確かに寂しかったけれど、それ以上に来れて良かったと嬉しさや楽しさを噛み締ながら終える事ができました。
最後はお辞儀をした後、手を振りながらステージを退場するメンバー。観客も拍手や手を振って応え、「春を待つ」が流れながらエンディングクレジットがスクリーンに映し出された後に終演となりました。
とゆーことで、改めて素晴らしいライブで、今も余韻MAXで幸せに浸っています。ベストライブオブザイヤー2024エモーショナル賞だなと。ずっとこの時間が続けば良いのにと思ってしまう程、生歌と生音でもやっぱりtayori の音楽が紡ぎ出す世界は余りに暖かくて、切なくて、力強くて、美しくて。ずっとずっと感動してました。しんどい時に支えにさせて貰った曲がIslet、tayoriには多いので、今日ライブで沢山聴けて本当に嬉しかったです。本当にありがとうございました!また必ずライブ行きます。
では今回はこの辺で。また来週お逢いしましょう!