新会社を山古志で始動 <山古志で生まれたLocal DAOを世界へ >
はじめまして。Crypto Village(クリプトヴィレッジ)の林と高瀬と申します。これは、私たちが新たに立ち上げる会社でありエコシステムの成り立ちと展望について共有するエントリーです。名前のとおり、Crypto(暗号技術などのテクノロジー)とVillage(共同体・ローカル)をつなぐチームです。
偶然の産物
それは、数年ぶりにFacebookに届いたメッセージから始まりました。人口800人を切ろうとしている旧山古志村で山古志住民会議という地域づくり団体を運営する竹内春華さんからでした。その数ヶ月後には、村が発祥の錦鯉をモチーフにしたGenerative Artとデジタル村民という概念が生まれ、世界に向けてデジタル住民票としてのNFT「Nishikigoi NFT」を発行することになりました。緻密な設計と周到なマーケティング戦略があったわけでもなく、出会った私たちは、旧山古志村の重鎮たちの後押しもあり、ほぼ勢いでプロジェクトをキックオフしました。NFT発行から1年以上が経ち、1000名を超えるデジタル村民と「山古志DAO」が生まれ、結果的には大きな反響をいただいております。私たちは偶然生まれたこれらの事象を「Local DAO(ローカルダオ)」と名付けました。
Local DAOという共同体の不思議
一般的には、身体性を伴った共同体はリアルな空間から生まれることが多いです。人々が日々の暮らしや旅先で出会い、交流をし、それが繰り返されることで様々な強弱の関係性が生まれます。SNSなどのデジタル空間は、これを補完する役割も果たしてきました。しかし、Local DAOでは、ほぼ逆の流れが起きています。
ユーザーは、デジタル住民票としてのNFTを取得することから始まります。そして、NFTを取得した次の瞬間から、デジタル村民というアイデンティティを獲得し、「デジタル村民になりました」といった感じでツイートします。大半のユーザーは村に行ったこともなく、つい数日前までは村の存在すら認識していなかったかもしれません。
しかし、Twitterのプロフィールにデジタル村民という肩書きが加わり、デジタル村民専用のDiscordチャネルに入って会話を始めていく中で、不思議と村への帰属意識が高まっていきます。そのうち、デジタル村民の一部は実際の村を訪ねることになります。その行為そのものは、長年憧れた聖地巡礼のようであり、アイデンティティのルーツを求める旅でもあります。
今のところ言語化できているのは、NFTという概念とアートが人々のフィクションを信じる力を誘発しているのではないかということです。
山古志から世界の村々へ
私たちは、Local DAOというCrypto×Localによる新しい共同体の在り方を確立したいと考えています。偶然山古志から生まれたLocal DAOというフレームワークは、少なくとも山古志の未来を共に考え、汗をかく仲間と資金(ETH)を集めたことで、加速化する限界集落に大きな変化を与えたことは事実です。ただし、人口減少が直ちに止まることはないでしょうし、長い目で山古志DAOが村の存続にどれくらいポジティブな影響を与えるのかはまだわからないというのが現状です。それでも、良い影響は村だけに留まらず、私たちを含めたデジタル村民にも及んでいるように感じます。
普段、私たちは家族、地域、会社など複数のコミュニティに属し、それぞれの中で一定の役割のようなものを担っています。さらに、SNSをはじめとするインターネットによって、私たちは見たいものだけを見るようになり、コミュニティは固定化していきます(プラットフォーマーに規定されたものを見せられているとも言えます)。しかし、デジタル村民というアイデンティティと、山古志DAOという(リアル空間に裏付けされた)居場所を得ることで、普段とは違う思考回路を使うようになり、各々の方法でコミュニティに貢献することで、これまでになかった一面が個人に加わります。
Local DAOを介して、個人の人生に変化を与える、そういう見立てもできるのではないでしょうか。私たちは、この体験を通じて、Local DAOを世界各地に広げてみたいと考え始め、Crypto Villageという会社を山古志に設立し、同じ名前のエコシステムを立ち上げようとしています。
Nishikigoi NFTのアップグレード
昨年末に山古志デジタル村民による投票で決定した(97.32%賛成)通り、5月~6月頃に予定している3rdセール以降、Nishikigoi NFTの位置付けは大きく変わります。これまでNishikigoi NFTは、旧山古志村のデジタル住民票として存在していましたが、今後はCrypto Villageのエコシステムを介して世界各地で生まれるLocal DAOへのパスポートとして機能します。Nishikigoi NFTを持っていることで、各Local DAOへ優先的にアクセスできるようになるだけでなく、Local DAO同士のコラボレーションも活発になります。さらに、山古志デジタル住民票としての効用を保持し続けるため、多くのユーザーが山古志DAOを入り口に「web3 x 地域」を体験することになるでしょう。
Local DAOのファウンダーを募集
山古志DAOはLocal DAOの象徴的な事例の一つとして、今後も試行錯誤を続けますが、同時に多様なLocal DAOが世界各地に生まれていくことを望んでいます。3rdセール以降、2023年夏頃には複数のLocal DAOが立ち上がっていくロードマップを描いています。Crypto Villageが考えるLocal DAOの条件は以下の通りです。
ファウンダーが、地域に根ざして活動していること
デジタル住民票の発行を前提とし、関係人口の増大を目指すこと
何らかの便益を提供するユーティリティを前提としないこと
グローバルに展開するプロジェクトであること
Crypto Villageと連携して、地域に暮らしながらLocal DAOを立ち上げたい、興味があるという方向けに説明会を開催します。ご興味のある方はぜひご参加ください。
公式リンク
▶Nishikigoi NFT公式ウェブサイト
▶Nishikigoi NFT公式X(旧Twitter/英語)
▶Nishikigoi NFT公式X(旧Twitter/日本語)
▶Nishikigoi NFT Openseaページ
▶”地域×Web3” Nishikigoi NFT公式ニュースレター
▶会社ホームページ
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Photo by © 2023 Sho Hirose